1.日時

平成25年1月16日(水曜日)15時~17時

2.場所

学術総合センター 特別会議室101~103

3.出席者

(委員) 大本隆史委員、沖清豪委員、小林雅之委員、白澤麻弓委員、 谷口 弘委員、濵口道成委員、福田誠委員、前原 金一委員、 南砂委員、吉岡知哉委員
(JASSO) 遠藤勝裕理事長、髙塩至理事長代理、月岡英人理事、 山内兼六理事、米川英樹理事、藤江陽子政策企画部長、 吉田真総務部長、宮本隆正財務部長、石矢正幸奨学事業本部長、 鮫島隆博債権管理部長、鈴木美智子留学生事業部長、 関口雅之学生生活部長 ほか関係職員
(文部科学省) 松尾泰樹学生・留学生課長

4.議題

JASSO事業の取組状況と今後の展開

5.議事次第

6.配付資料

7.議事

資料に基づきJASSO側から説明を行った後、意見交換が行われた。概要は次のとおりである。
(○=委員、●=JASSO)

○小林委員 「日本学生支援機構の在り方に関する有識者検討会」(以下「有識者検討会」と省略)において中長期的な課題が挙げられているため、JASSOは適切に実行していくものと思っている。調査分析機能の強化について、早速JASSOが検討しているのはありがたいことである。今まで、JASSOの韓国及びアメリカにおける奨学制度に関する調査に協力してきたが、これらの調査に協力してくれた大学院の学生も今や研究者となり、調査の協力をお願いすることは困難となっている。ついてはJASSO内において研究に携わる専門職員を育ててほしい。海外調査、統計分析、アンケート分析の各1人ずつ3人いることが望ましいが、職員数削減の中では無理かと思われるため、少なくとも1人は調査分析に常時関わる人員を充てていただきたい。

●米川理事 調査分析機能の充実に関しては、現在、各部の調査担当者による横断的な会議を開催し、JASSOが実施する各調査内容や実施体制等に係る懸案事項等を整理しているところである。JASSOの調査は約50あり、うち約20は毎年度実施しているため、少人数の職員が奮闘して複数の調査を実施している状況である。このような状況を踏まえ、今後、どのようにより良い調査分析を効率的に行うか、外部研究者とどのようにやっていくのか等についても検討していきたいと考えている。

○前原委員 奨学金の回収にあたり、サービサー(債権回収会社)をうまく活用できていない組織もあるように聞いているが、JASSOはどうか。

●月岡理事 JASSOが委託しているサービサーにおいては、条件や委託期間の差はあるが、初期延滞者については約5~6割を達成しているなど、充分機能しているものと判断できる。

○濵口委員 教育の成果が見えるのには卒業後20、30年かかるのと同様に、JASSOの奨学金の効果が表れるのも時間を要するものである。JASSOの奨学金事業は日本の高等教育にとってなくてはならない事業であるのだから、奨学金返還の延滞にばかり注目するのではなく、例えばJASSOの奨学金の貸与を受けた者が社会にいかに寄与したか等、JASSO事業の成果が社会から注目されるよう、事業の見せ方を工夫すべきである。留学生事業にも同様なことが言えるが、長期的視点から優秀な人材に対してしっかりと支援することが結果的に国益に叶うことになる。

●遠藤理事長 JASSOには御礼や感謝のご意見、寄附も数多く寄せられており、また南アフリカ大使からも自国で日本留学試験を実施して欲しいと要請されるなどJASSOの事業への期待も高い。委員のお言葉も受け止め、JASSO事業に対する期待に応えられるよう、今後も中長期的な教育のベースとなる奨学金事業等を進めてまいりたい。

○谷口委員 「有識者検討会」の委員として報告書をとりまとめたが、委員会においては、JASSOを仕分けの対象として考えるというよりも、むしろ支援すべきではないか、という意見が多かった。JASSOの事業は奨学金事業、留学生支援事業、学生生活支援事業の3事業が拡大する一方、運営費交付金は年々削減されているため、どの業務に焦点を絞るのかが課題と考える。例えば、就職問題や留学生支援等、3事業が相互に関連している問題については、事業の相互連携性を高め、円滑に進めていただきたい。調査分析については、JASSOの調査は、大学や研究者が独自に行うものとは異なり、国の施策として広く学生を支援するという観点で行っていただきたい。外国人留学生に係る問題については、国費留学生を中心に長年にわたり関わってきたが、東日本大震災後、外国人留学生数の回復の兆しが見えない状況である。JASSOにおいてはこの背景について調査分析し、新たな留学生施策に反映していただきたい。

●米川理事 留学生の受入れ数は全体としては減少傾向ではあるが、ベトナムからの留学生は増えている等、国により異なる状況である。また、日本人学生の派遣についても減少しているが、これは所得の低下や教育費の負担増によるものと考えられる。これらの結果を踏まえ、どう対応していくか考えなければならない。

○福田委員 JASSOの奨学金返還の回収促進策は、あらゆる施策を工夫して実施しており、初期返還者の回収率が非常に高いなど効果が充分に表れている。概して満足できる域にあるのではないか。今後は長期の延滞債権の回収について、償却も考慮に入れながら、どのくらい手間をかけるかを検討する必要があろう。留学生受入れ数に国別の偏りがあることは以前から指摘されている点であり、今後はどのような国から留学生を受け入れるのかといった戦略的な考えが必要である。行革等に対してもJASSO事業の意義や社会的役割を強く打ち出していただきたい。

●遠藤理事長 JASSOの限られたヒト・モノ・カネを何に費やすか判断することは重要であると認識している。

○白澤委員 特に障害学生支援の分野においては、JASSOの研修事業や調査がどれだけ役立ったか測りしれず、JASSOだからこそ取り組むことができたのだと思う。平成24年12月に「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)」が公表されたが、当報告書は、文部科学省が初めて高等教育機関における障害学生修学支援問題について本格的な検討会を立ち上げてまとめたものであり、大学の障害学生修学支援をボランタリーなものではなく法令遵守の考えに基づく取り組みと位置付けた画期的なものである。この報告書の内容を全国の大学に根付かせるためにもJASSOには今後こうした新たな方向性を周知させるための研修会を開催し、大学の担当者のみならず管理者や執行部レベルの方々に当報告書が周知されるよう協力をお願いしたい。1点確認だが、当報告書において「大学間ネットワークの形成」と記載されており、これはJASSOが従来行ってきた「障害学生修学支援ネットワーク」とは異なるものとすると但し書きがあるが、JASSOはこの両者のネットワークをどのように棲み分ける予定か。

●山内理事 JASSOの事業のネットワークは、十分機能していることから、できればこれを充実する方向で考えたいが、詳細については、文科省担当部署と話を詰めていきたい。

○吉岡委員 個々の大学においては、それぞれが教育理念を持ち合わせているが、実際には大学間競争等もあり、じっくり腰を据えて中長期的に構えるということは難しい。例えば、大学間が協力する場合、個別の大学間、地域コンソーシアム等があるが、いずれも小規模であるため、JASSOがこの仲介をしていただければ、より大きな単位で協力団体を構成することができると思う。JASSOには大きな枠組みで大学を捉え、大学間を乗り越えた視点での事業に取り組んでいただきたい。留学生の受入れについては、外国人留学生は日本の治安や生活のしやすさ等の理由から、興味を失ってはいない。ただし、大学によっては、留学生の住居確保に手がまわらず、留学生の住居問題を抱えている所もある。JASSOは国際交流会館等の売却もあり難しいかもしれないが、国として、留学生の住居確保にかかる問題を解決していただきたい。日本人学生の外国派遣については、学生に少し刺激を与えれば留学するようになるのではないかと思う。

○大本委員 奨学金の貸与規模は年々増加しているが、有利子貸与は増えるものの、無利子貸与については、なかなか増えない状況である。せめて平成16年度当時の44万人に増やすよう努力してほしい。また、返還できない事情を見ると返還者本人の低所得が理由として最も多い。貸与者の卒業後の雇用の不安定化が原因と思われるので、JASSOとして雇用の安定化に向けたアドバイスや相談にも対応してもらえると大変助かる。

○沖委員 3点ほど申し上げたい。1点目はJASSOの事業には良いものが多くあるため、広報機能を充実させ積極的にアピールしていただきたい。2点目は文科省との関係があり難しいかもしれないがJASSOから文科省へ政策を提案できるような調査及び分析をしていただきたい。3点目は障害学生支援についてだが、入学から卒業・就職まですべてを網羅した支援が必要であり、これに総合的に対応できるのはJASSOだけであろう。これらの点を意識して、様々な事業を進めていただきたい。

●遠藤理事長 奨学金返還については、延滞しないように何度も案内をしたり、返還できない人のためのセーフティネットも充実している。周囲から誤解による批判を受けないように、今後とも適切な説明に努めてまいりたい。多くのご提言をいただいたことに感謝したい。

以上


PDFファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。