平成22年8月
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)


 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、文部科学省との緊密な連携の下に、学生支援を先導する中核機関として、奨学金貸与事業や留学生支援事業及び学生生活支援事業を総合的に実施し、次代の社会を担う豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するとともに、国際理解・交流の推進を図ることを目指しています。
 現在、我が国で学んでいる留学生数は、平成21年5月現在、132,720人であり、そのうち、私費外国人留学生数は、119,317人(89.9%)となっています(JASSO調べ)。
 
 本機構では、平成21年10月に、我が国の大学(短期大学を含む)、大学院及び専修学校(専門課程)に在籍する私費外国人留学生(7,000人)を対象に生活実態調査を実施しました。

調査の目的と方法

1.調査目的

この調査は、我が国で学ぶ私費外国人留学生の標準的な生活の状況を把握し、経済的な実状等を明らかにし、独立行政法人日本学生支援機構が実施する外国人留学生に対する各種の支援事業の改善、充実を図るための基礎資料を得ることを目的として行った。

2.調査対象

我が国の大学(短期大学を含む)、大学院及び専修学校(専門課程)(以下、「大学等」という。)に在籍する私費外国人留学生で、我が国の出入国管理及び難民認定法の別表第1に定める「留学」の在留資格を有する者(国費外国人留学生制度実施要項に定める国費外国人留学生及び外国政府が派遣する政府派遣留学生を除く)を対象とした。

3.調査方法

 全国の国公私立大学等の協力を得て、協力校に在籍する私費外国人留学生の中から無作為抽出を行い、所定の調査票(無記名)を送付し、回収した。
なお、協力校の選定にあたっては、国公私立大学等別の留学生在籍率及び地域分布等を考慮した。

4.調査対象人数

 7,000人(国立大学77校1,319人、公立大学 17校160人、私立大学240校3,535人、短期大学18校127人、専修学校161校1,859人)

5.調査実施時期

 平成21年10月

結果の概要

1.アンケート回答状況

  • 私費外国人留学生の中から無作為抽出により、7,000人に対してアンケートを送付し、6,004人から有効回答を得た。回答率は85.8%であった。

2.日本留学前の状況

  • 留学の目的は、「学位を取得する」(54.6%)が最も多く、次いで「就職に必要な進んだ技能や知識を身に付ける」(54.0%)であった。
  • 日本を留学先として選んだ理由は、「日本社会に興味があり、日本で生活したかったため」(53.1%)が最も多い回答であった。
  • 留学するまで特に苦労したことは、「日本語学習」(54.6%)が最も多い回答であった。
  • 留学情報の入手方法は、「親戚や友人に相談して」(47.0%)が最も多く、次いで、「インターネットを利用して学校や日本学生支援機構(JASSO)のホームページを検索して」(37.3%)であった。

3.在日・在学年数及び入学前の活動

  • 在日年数が4年未満の者は、約7割(70.8%)であった。また、来日後、現在在籍している大学等へ直接入学した者は、約4割(37.1%)であった。なお、現在の大学等に直接入学しなかった者のうち、現在在籍する大学等の直前に「日本語学校」に在学していたと回答した者は、約7割(66.6%)であった。

4.留学後の日本への印象等

  • 日本に対する印象が「良くなった」の回答が68.4%であった。
  • 日本人に対する印象が「良くなった」の回答が60.3%であった。
  • 日年へ留学して、全体として「良かった」の回答が85.1%であった。
  • 日本に留学して苦労したことは「物価が高い」(80.0%)が最も多い回答であった。

5.収入

  • 収入の平均月額は、138,000円であった。
  • 収入は、主に「アルバイト」及び「親・兄弟、又は親戚からの仕送り」及び「奨学金」であった。
  • 居住地域別の収入の平均月額は、関東地方が154,000円と全国で最も高く(東京のみでは160,000円)、東北地方が110,000円と最も低かった。

6.奨学金

  • 全体の約6割(63.8%)の者が何らかの奨学金を受けていた。
  • 在籍段階別の奨学金受給率は、高い順に「大学院博士課程」、「大学院修士課程」、「学部正規課程」、「短期大学正規課程」であった。
  • 学習奨励費を受けて良かったことは、「日常生活に不安がなくなり、勉強に集中できた」(90.7%)が最も多く、次いで「成績が良くなれば、学習奨励費を受けられると思い励みになった」(70.4%)であった。
  • 学習奨励費の給付に対する要望は、「給付金額の増額」(63.2%)が最も多く、次いで「給付期間を1年間から延ばしてほしい」(59.8%)であった。

7.支出

  • 支出の平均月額は、138,000円であった。
  • 支出のうち「学習研究費」が最も多く、次いで、「住居費」、「食費」の順であった。
  • 支出が最も高いのは、民間のアパートやマンションに住む短期大学生であり、平均月額は171,000円であった。最も低いのは、国立大学に通い大学の学生寮に住んでいる学部レベルの学生で、平均月額は90,000円であった。

8.アルバイト

  • 全体の約8割(75.5%)が何らかのアルバイトに従事していた。
  • 職種は、軽労働の「飲食業」(51.8%)が最も多く、次いで「営業・販売(コンビニ等)」(25.5%)であった。
  • 従事時間は、週平均「20時間以上25時間未満」(26.4%)が最も多く、次いで「15時間以上20時間未満」(22.6%)であった。

9.授業時間を除く学習・研究時間

  • 在籍段階別にみると、「大学院博士課程」では約半数(53.4%)が、週当たり「週35時間以上」勉強していると回答しているが、「学部正規課程」、「短期大学正規課程」、「専修学校(専門課程)」の8割以上が、学習時間「週28時間未満」であり、その中でも「週7時間以上21時間未満」と回答したものが多かった。
  • 「薬学」分野の学生の7割以上(73.7%)、「医・歯学」の7割以上(72.6%)、「農学」の約5割(49.1%)、は、「週28時間以上」を学習時間にあてている一方で、「人文科学」、「理学」は、「週7時間以上14時間未満」、「社会科学」、「工学」、「教育」は「週14時間以上21時間未満」が最も多い回答であった。

10.宿舎

  • 住居の形態は、「民間アパート・マンション等」に居住する者が、76.4%と最も多かった。
  • 一人当たりの専有面積は、10平方m(約6畳)未満の者が全体の6割(60.0%)であった。また、約8割の者が、個別のキッチン、バス・シャワー、トイレ付きの部屋に居住していた。
  • 単身、同居別では、単身(52.3%)の方が多かった。また、同居のうち「2人で生活(同居人1人)」は49.9%、「3人で生活(同居人2人)」は30.5%であった。同居人の種類は、「外国人留学生」が55.2%と最も多い回答であった。
  • 住居費の全国平均月額は34,000円で、関東地方が41,000円と最も高かった。
  • 宿舎入居の際に保証人を求められたと回答した者は、約6割(63.7%)となっていた。また、保証人は、「日本人の知人」(27.2%)が最も多く、次いで「大学・学校等(代表者)」(25.0%)であった。

11.授業料等の保証人

  • 授業料等の保証人を「求められた」と回答した者は約6割(58.3%)であった。また、保証人は、「親族」が59.1%と最も多かった。

12.健康

  • 健康保険に加入している者は、全体の約9割(94.5%)であった。
  • 健康保険加入者の中では、日本の国民健康保険に加入している者が95.2%であった。
  • 健康保険未加入者うち、未加入理由は「保険料が高すぎる」と回答した者が49.2%で最も多かった。

13.卒業後の進路希望等

  • 卒業後の予定は、「日本において就職する」(56.9%)が最も多く、次いで「日本において進学」(44.6%)であった。
  • 「日本において就職希望」と回答した者の就職希望分野は、「海外業務」(43.4%)が最も多く、次いで、「貿易業務」(41.7%)、「翻訳・通訳業務」(34.8%)であった。
  • 就職活動時の要望は、「留学生を対象とした就職に関する情報の充実」(71.9%)が最も多く、次いで、「企業においてもっと留学生を対象とした就職説明会を開催してほしい」(46.6%)であった。

調査結果の内容

参考


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