
稲盛財団記念館前での記念写真
<海外の大学>アジスアベバ大学
<所在地>エチオピア
<セミナーの期間>2009年9月10日〜9月23日
<参加者数>37名
■セミナーの概況
本セミナーは、アフリカの将来を担う次世代の若手研究者や実務家の卵である大学院生を日本に招いて、近代化を比較的短期間に経験した日本の現状をつぶさに見てもらい、そこから得られる印象や経験・知識がアフリカの発展と開発に何らかの形で貢献できないだろうかという意図のもとに実施されました。
アフリカ諸国の若者にとっての日本に対するイメージは、自動車や電化製品という一部の工業製品と映画や書籍で伝えられるアジア的慣習や風土に偏ったものであったそうです。日本が、戦後いちはやく復興と近代化による工業的な発展を遂げている事実と、それにもかかわらず日本的な文化を保持しているという実態とが、実際に日本に来てみてはじめて統合的にわかった、という感想が何人もの参加者からよせられ、それはまさに、このセミナーを実施した目的に合致するものでした。
セミナーでは、主に以下を実施しました。
・記念講演・講義
「エチオピアにおける人類学的研究の現状と未来」「東南アジア地域研究の現在と未来‐ジェンダーと家族の視点から」「実践的地域研究とは-実践と研究の架橋」「グローバル地域研究の現在と未来」「アフリカ地域研究の過去と現在」
・フィールド巡見
茶道体験、国立民族博物館見学、エチオピア大使館表敬訪問、東京大学訪問、東京都江戸博物館見学、近郊農村訪問
茶道体験では、伝統的日本文化の継承というテーマで、裏千家を訪問しました。2人一組で点前をする役と客役をおこないました。茶をたて、それを客がいただき、茶碗を拝見するという一連の所作のなかに、日本文化を形成する茶道の精神が内包されていることを学びました。
近郊農村訪問では、伝統的生業としての農業と現在の農業手法というテーマで、野外演習を行いました。


<左>茶道体験
<右>近郊農村訪問(京都大原・滋賀)
・シティウォーク
「伝統的町並み景観と保存」というテーマで京都市内を、「旧都と現都の比較」というテーマで東京都内を見学しました。京都と東京との比較がしばしば論議されました。

東京大学訪問
・京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の学生との共同討議、共同研究、公開シンポジウム(成果報告会)など
アジア・アフリカ地域研究演習への参加発表
公開シンポジウムでは、アジスアベバ大学の学生全員がパワーポイントを用いて、フィールドスクール期間中に撮影した写真を示しながら、成果の報告をおこないました。滞在中の発見や驚きについて実際に経験したことを示す学生や、日本の農村における資源利用の仕方(たとえば里山の利用、保全など)などについて報告する学生が多数でした。


<左>
アジア・アフリカ地域研究演習への参加発表
<右>閉講式で修了証を手渡される学生
■参加学生からのコメント
京都大学からの参加学生
日本の中でも京都という歴史ある場所へ学生が集まり、日本人、エチオピア人というアイデンティティーを互いに十分交わらせることができたと思います。歓迎パーティや大学内での食事会、ホームステイ先への引率など、2〜5名ほどの学生さんと親しく話すことができました。エチオピアの学生さんのそれぞれのフィールドでの研究紹介、それについて個人的に十分に話す機会があり、自身の研究のヒントになるものもあったので、知見の交換は良くできたと感じています。
裏千家のお茶会体験、ホームステイなど京都のローカルな歴史に触れる機会が盛りだくさんで、日本側のホストの役割は彼らの笑顔から考えてとてもよく果たせたと思います。逆に、エチオピア暦の新年をちょうど一緒に祝えたり、アムハラ語を習ったりする機会もあったので相互に文化交流ができたと感じました。手作り感あふれる京都側のおもてなし、それを心からありがとうと受け止めてくれるエチオピアの学生さんの気持ち。どちらもひしひしと感じられて、今後の交流にも期待が持てるよい機会だったと感じています。
アジスアベバ大学からの参加学生
楽しみながら、同時に多くのことを学ぶことができました。セミナーは良く計画されていましたし、包括的な内容のプログラムだったので、短い期間にもかかわらず日本の文化や開発について学ぶことができました。
講義は示唆に富んだ有益なものでした。講義やASAFAS(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科)のかかげる理念を通じて、地域レベルと地球規模の問題に関する新しい知識を多く学ぶことができました。フィールド・トリップも楽しくてためになりました。日本の社会規範やインフラ設備の開発についてなど、多くのことを学ぶことができました。
学生の参加度は高かったとは思いますが、日本人学生はもっと議論に参加する必要があるように感じました。
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