採用者のレポート(平成19年度) Englishページへ

このページでは、本制度による採用者(研究指導者)と対象帰国留学生との研究活動、また対象帰国留学生に対する印象や思い出などを紹介します。

愛媛大学
研究指導者: 農学部 山口 聰 准教授
帰国留学生: クリアンサク・ブーンティアンクさん (国籍:タイ)

ブーンティアンク博士(左)と山口准教授(右)

◆◆帰国留学生プロフィール◆◆ 

氏名 クリアンサク・ブーンティアンク
国籍 タイ
日本留学(経歴) 1998年4月 〜2000年3月
愛媛大学大学院農学研究科 (修士)
2000年4月〜2003年3月
愛媛大学大学院連合農学研究科 (博士)
現在の所属・職位 マハサラカム大学・准教授

 

 

 

◆◆研究報告◆◆

派遣期間
平成20年3月14日 〜 22日 (9日間)
派遣大学 (国・地域)
マハサラカン大学 (タイ)
研究指導分野
花卉育種学
携行器材 デジタルマイクロスコープDMBA 300 アッセンビリセット(島津理化器械) 
研究指導の内容・成果について
クリアンサク博士の行っている花卉学研究全般につき話し合い、今までの耐病性バラの育種についは2009年度の国際園芸学会で発表すること、今後の共同研究テーマの一つとして、現在も進めているクルクマ育種を更に発展させる行動計画を決めた。持参した携行器材は、交配操作の適否を検証するために必要な顕微操作を効率的に進めるのに非常に有用なものであった。
帰国留学生にとっての研究指導事業の成果及び意見・感想
帰国留学生の我々が今回のような研究機会に恵まれたのは、日本学生支援機構(JASSO)による本事業の推進活動のおかげです。今回の成果は、日本と我が国の両国にとりましても、相互理解をより深めていく助けとなるでしょう。次のプロジェクトとして、我々は観賞用クルクマの育種に取り組みます。

 

◆◆日本留学について◆◆

研究指導者から見た帰国留学生の日本留学時の印象や帰国後の交流について 講座内、学科内のスタッフとの会話の様子から、大変に信頼され、愛されていることが容易に理解できた。学生や研究助手への指示も的確であり、日本での教育が活かされている印象が強い。また、講義科目の中で、彼のフラワーデザイン学は500人もの学生の履修があるほど、人気の高い講義として知られている。就職難のタイに帰国して、幸い、大学にポストを得られたのも彼の才能と人柄ということがあるかも知れないが、日本的なものも少し加味されていることが判る。

 

 

スタッフミーティング器材使用法の説明

 

特別講義講義の様子

 

 

Page Top

 

九州大学
研究指導者: 大学院理学研究院 湯元 清文 教授
帰国留学生: ラオデ・ムハマド・ムサファルさん (国籍:インドネシア)

湯元教授(左)とムサファル氏(右)

◆◆帰国留学生プロフィール◆◆ 

氏名 ラオデ・ムハマド・ムサファル
国籍 インドネシア
日本留学(経歴) 2002年4月 〜2004年3月
九州大学大学院理学研究科 (修士)
現在の所属・職位 インドネシア宇宙航空庁バンドン研究所・研究員

 

 

 

 

◆◆研究報告◆◆

派遣期間
平成20年2月19日 〜 28日 (10日間)
派遣大学 (国・地域)
インドネシア宇宙航空庁バンドン研究所(インドネシア)
研究指導分野
宇宙地球電磁気学/ 宇宙天気
携行器材 ノートパソコン(Prime Note Galleria JS)
研究指導の内容・成果について
今回の研究指導では、ムサファル氏の所属機関と共同観測を進めているMAGDAS(MAGnetic Data Acquisition System)システム全般についての研修を行い、帰国留学生自身によるデータ処理を可能にすることが目標であった。MAGDASシステムとは、リアルタイムで地磁気観測データを収集することができるIT技術の最先端システムである。今回の研究指導により、データをリアルタイムで転送・収集できる人材をインドネシアで育成することができた。これは、発展途上国の若手研究者が、地磁気観測において、リーダーシップを発揮できるようになるまたとないチャンスである。今後、ムサファル氏が自力でデータ処理を行うことにより、世界に研究成果とデータを彼自身で発信することができるようになる。また、今回日本学生支援機構から贈られたノートパソコンは、ムサファル氏が観測データをリアルタイムで収集し、解析処理するために、大変タイムリーで効果的な器材であり、今後のムサファル氏と所属研究機関の研究に重要な役目を果たすものと期待される。
帰国留学生にとっての研究指導事業の成果及び意見・感想
本事業の研究指導を通して、我々は多くの情報及び考え方を教えていただきました。それはこれから、我々あるいは我々の所属する研究機関が研究計画を立案する際に大いに役立つものです。特に、 地磁気観測のシステム(マグダス環太平洋地磁気ネットワーク観測網MAGDAS/CPMN)を使った地磁気脈動、地震の前兆現象、宇宙天気などに関する研究については大変参考になりました。今回受けた研究指導は、私自身が宇宙地球電磁気学に関する研究に取り組むための指導であっただけではなく、私の所属する研究所・研究部門の若い研究者たちをも導いてくださるものでした。

 

◆◆日本留学について◆◆

研究指導者から見た帰国留学生の日本留学時の印象や帰国後の交流について ムサファル氏は、留学当時は言葉の壁もあったせいか、おとなしく黙々と勉強していた姿が印象的で、どちらかというと周りとのコミュニケーションも少なかった。帰国後は、彼が所属する研究機関との共同研究を進める上で、インドネシア側と日本側の間に立って、尽力してくれた。また、今回久しぶりに彼と再会したが、日本にいた頃とは別人のように、自信に満ち溢れ、積極的に行動する姿が非常に印象的であった。これは、最新のIT技術を自分で処理できるようになったという自負の現れであろう。また、今後の本人の希望として、バンドン工科大学に再入学し、博士号の取得にも意欲的である。これから先、共同研究者として目覚しい成長を遂げてくれるものと確信している。

 

 

特別講義セミナーの風景

 

 

Page Top

 

東京大学
研究指導者:大学院医学系研究科 神馬 柾峰 教授
帰国留学生:プディアル・アモッド・クマルさん (国籍:ネパール)

 

アモッド氏(右)と神馬教授(左)

◆◆帰国留学生プロフィール◆◆ 

氏名 プディアル・アモッド・クマル
国籍 ネパール
日本留学(経歴) 2002年4月 〜2005年3月
東京大学大学院医学系研究科 (博士)
現在の所属・職位 トリブバン大学・講師

 

 

 

 

 

◆◆研究報告◆◆

派遣期間
平成20年2月10日 〜 18日 (9日間)
派遣大学 (国・地域)
トリブバン大学 (ネパール)
研究指導分野
国際保健
研究指導の内容・成果について
アモッド氏は帰国後厳しい研究環境におかれていた。大学のインフラが不安定であり、研究室内のコンピュータはすべて使えない。インターネットへの接続は自宅からのみ。また1996年から続いているマオイスト闘争の中、アモッド氏が属する医学部最大の地域医療家庭保健学科の実質スタッフ数は24名から11名に激減した。授業負担も重くなり、研究できる余裕はほとんどなくなってしまっていた。そんな中で研究テーマとして、ある眼科NGOの活動評価をすることにした。またWHOなどから資金を受けて、昨年度ネパール全体の生活習慣病の実態調査を行ったSolid NepalというNGOがあり、アモッド氏は喫煙、アルコール、運動習慣などのデータ分析を任されていた。そこで、Solid NepalのディレクターのDr. Khem Bdr. Karki氏と協力してぜひ論文を作成しようということで合意した。
帰国留学生にとっての研究指導事業の成果及び意見・感想
本事業はとても役に立ちました。まず、私の研究に関する様々なことについて(たとえば私の研究の進捗状況や問題点について)指導教員と直接会って話し合うことができたからです。お陰で大いに現在の研究に役立ちました。また、私は、本事業を通じて、仕事に対するやる気を更に高め、専門を同じくする同輩の中でも自信を持てるようになりました。というのも、自分は今も担当教官の指導に支えられていることが分かったからです。最後に、本事業のおかげでここネパールの大学と日本の大学とが共同研究を行う可能性が出てきたことを挙げさせていただきます。
2〜4年に1度程度の頻度で、元留学生が日本に招かれ、知見の共有や研究発表のできるワークショップなどが開かれると良いと思います。

 

◆◆日本留学について◆◆

研究指導者から見た帰国留学生の日本留学時の印象や帰国後の交流について アモッド氏は博士号取得のため日本へ留学中、論文執筆に専念し、8編の論文を投稿して掲載された。なかでも眼科で定評のあるBritish Journal of Ophthalmologyに論文をひとつ掲載した。それが契機となり、昨年は世界眼科学会に招待された。しかしながら、渡航費が半額しかだされず、断念せざるを得なかった。チャンスがあっても生かしきれないもどかしさを感じさせられた。帰国後、e-mailでの交流により、苦しい状況を察することができていたと思っていたが、実際にネパールに行ってみて、自らその苦労の一端を知ることができた。ネパールはちょうど電気不足、ガソリン不足に見舞われ、ホテルでもどこでも毎日停電になっていたからである。インフラ面においても、研究環境という面においてもきわめて問題のある状況の中で、日本でなしえたと同様の研究を続けることは容易なことではない。ネパールのような研究環境、生活環境の整っていない国にいる留学生を励まし続けるためのフォローアップは不可欠であることを実感した。

 

 

 

 

神馬教授(左)、キャンパスチーフ(右)神馬教授講義

 

自分の研究室へ案内するアモッド氏

 

 

 

 

Page Top

香川大学
研究指導者: 農学部 山内 高円 教授、鈴木 晴雄 教授、松井 年行 教授
帰国留学生: モンコーン・サマンヤさん、ボーリアム・マニーワンさん、ドアンペング・アッチャーナさん (国籍:タイ)

派遣期間
平成19年12月1日 〜 10日 (10日間)
派遣大学 (国・地域)
メチョー大学 / ウドンタニ・ラジャパット大学(タイ)

 

(メチョー大学)

 

メチョー大学にて携行器材を使用した実験の様子メチョー大学にて携行器材の贈呈

 

(モンコーン・サマンヤさん)
◆◆帰国留学生プロフィール◆◆
 

国籍 タイ
日本留学(経歴) 1999年10月 〜 2002年9月
愛媛大学大学院連合農学研究科 (博士)
現在の所属・職位 メチョー大学・講師

 

◆◆研究報告◆◆

研究指導分野
細菌学
携行器材 1) 小型滑走式ミクロトーム(エルマ ESM-150S)
2) パラフィン伸展器(TAKASHIMA T-76)
研究指導の内容・成果について
安全で安心できる畜産物の生産が世界的な課題となってきている。タイのメチョー大学は生産現場に主力を置いた大学で、ハーブなどの各自然物質を添加した飼料給与試験の実施を指導してきているところである。その成果を従来の栄養生理学的アプローチ以外に腸管の組織学的解明も視野に入れた研究の充実が課題であった。今回、携行した小型滑走式ミクロトームやパラフィン伸展器は組織学的研究には不可欠なもので、同じ研究室の卒業生であるボーリアム・マニーワン氏への光学顕微鏡の携行とあわせると、その研究実行が完成し、今後多くの報告が期待される。
帰国留学生にとっての研究指導事業の成果及び意見・感想
私達は、研究をより質の高いものにするために、重要なテーマについて討議します。そのような議論をするにあたり、本事業は非常に役立ちます。

 

◆◆日本留学について◆◆

研究指導者から見た帰国留学生の日本留学時の印象や帰国後の交流について モンコーン・サマンヤ君は決して騒がず物静かに笑顔で喋る留学生で、家禽の生産性向上を細菌学の立場から究明する姿勢を持っていた。当研究室(山内教授の研究室)では、伝統的な日本食品である納豆菌や木炭・木酢酸に注目し、それらを飼料に添加して鶏を飼育することによって、腸内環境が改善され成長能が促進されることを明確にした。帰国後も、免疫機構に興味を持ち、現在、とりあえずエビの腸管を用いて免疫機構解明に取り組んでいる。某細菌感染エビを対象にした学生への修士指導風景を目のあたりにし、うれしい限りである。

 

(ボーリアム・マニーワンさん)

◆◆帰国留学生プロフィール◆◆ 

国籍 タイ
日本留学(経歴) 2000年4月〜2002年3月
香川大学大学院農学研究科 (修士)
2002年4月〜2005年3月
愛媛大学大学院連合農学研究科 (博士)
現在の所属・職位 メチョー大学・研究者

 

◆◆研究報告◆◆

研究指導分野
畜産学における組織学
携行器材 1) 生物顕微鏡 (Nikon エクリプス 50i)
2) 海外用トランス(カシムラ TI-100 220V 100W)
研究指導の内容・成果について
当研究室(山内教授の研究室)は腸管の組織学的側面から家畜の栄養生理学的研究を遂行してきており、今まで5人の卒業生と現在3人の留学生が勉強中である。その中で、ボーリアム・マニーワンさんは留学中からタイのメチョー大学には存在しない組織部門の立ち上げを考えていたようで、帰国後、直ちに組織部門の講義を任せられた。今回、モンコーン・サマンヤ君にはミクロトームとパラフィン伸展器の支援が認められ、ボーリアム・マニーワンさんには光学顕微鏡の携行が許可されたことによって、完全な組織学的研究が可能になったわけである。
帰国留学生にとっての研究指導事業の成果及び意見・感想
元留学生と日本での指導教員とが引き続き共に研究を続けられることは良いことだと思います。

 

◆◆日本留学について◆◆

研究指導者から見た帰国留学生の日本留学時の印象や帰国後の交流について ボーリアム・マニーワンさんは5年間の留学生活を送った唯一の留学生で日本の文化を愛し、お茶や刺身が好きになって帰国した女性である。従来の飼育試験が粒子の粗い配合飼料で行われていた中で、強制換羽飼料としての蛋白質の重要性を半精製飼料を用いて解明した。他の留学生が主に栄養生理学を中心とした研究を帰国後も行っている中で、組織学的アプローチ確立に専念し、今回の携行器材によって念願が叶い、ますます発展してくれるものと期待される。

 

 

(ウドンタニ・ラジャパット大学)

 

ドアンペングさんへの研究指導風景ラジャパット大学にて携行器材贈呈

 

(ドアンペング・アッチャーナさん)
◆◆帰国留学生プロフィール◆◆
 

国籍 タイ
日本留学(経歴) 1998年4月〜2000年3月
香川大学大学院農学研究科 (修士)
2000年4月〜2003年3月
愛媛大学大学院連合農学研究科 (博士)
現在の所属・職位 ウドンタニ・ラジャパット大学・講師

 

◆◆研究報告◆◆

研究指導分野
農業気象学
携行器材 1) ノートパソコン(NEC PC-VY16AWF8LFL1)
2) デジタルカメラ(オリンパス E-410)
3)サーモレコーダー(エスペック ミック株式会社 RS-12 温湿度タイプ)
研究指導の内容・成果について
研究指導としては、アスパラガス栽培における環境要因(サーモレコーダを使用)と、発芽・休眠を中心とした生育経過(デジタルカメラを使用)との関係について明らかにすることを内容とした。今回、両者間の定量的解析(ノートパソコンを使用)を行った結果、温帯の日本で得たマルチ栽培の方法を、熱帯のタイで適用できる技術が可能になるなどの、いくつかの新しい知見が得られた。同結果は、アスパラガスの収量と品質向上につながるものと見られた。
帰国留学生にとっての研究指導事業の成果及び意見・感想
研究器材の寄贈及び先生から研究指導いただく機会を与えくれた日本学生支援機構(JASSO)に感謝します。ウドンタニ・ラジャパット大学で私の属している学部は、設立から日が浅く、研究設備も教育設備もかなり不足しています。文科省の外郭団体であるJASSOが贈ってくださったこのような機器類は、今後の研究の発展に大いに役立つものです。

 

◆◆日本留学について◆◆

研究指導者から見た帰国留学生の日本留学時の印象や帰国後の交流について 日本留学当時、ドアンペング・アッチャーナさんの研究テーマは専攻以外の研究領域にも及ぶため、滞在期間中はいつも並々ならぬ努力をしていた。研究姿勢は申し分なく、さらに研究以外の日常において、他の留学生や日本人との交流も積極的であった。帰国後は、書簡やメールで連絡をとった。また、2年前には帰国後初めて来日し、今回の研究指導者(鈴木教授、松井教授)を訪問して研究について意見交換を行い、指導を受けた。

 

 

 

 

 

Page Top

 

横浜国立大学
研究指導者: 経済学部 長谷部 勇一 教授
帰国留学生: 金 継紅 (キン ケイコウ) さん (国籍:中国)

オリンピック会場(メイン陸上競技場)にてヒアリング調査

 

◆◆帰国留学生プロフィール◆◆ 

氏名 金 継紅 (キン ケイコウ)
国籍 中国
日本留学(経歴) 2000年4月 〜2004年3月
横浜国立大学 国際社会学研究科
(博士)
現在の所属・職位 北京師範大学 経済資源管理研究院・准教授

 

 

 

 

 

 

◆◆研究報告◆◆

派遣期間
平成19年9月10日 〜 18日 (9日間)
派遣大学 (国・地域)
北京師範大学 経済資源管理研究院(中国)
研究指導分野
国民経済計算論(産業連関論)
携行器材 1)ノートPC(Panasonic CF-W5AWDPJR)
2)デジタルビデオカメラ(Victor GZ-MG575)
3)エクセル統計2006 for windows 
研究指導の内容・成果について
今回の訪問では、金継紅さんが北京師範大学経済資源管理研究院、国家統計局、北京市統計局などとの打合せを事前に行っていたため、9日間を有効に使った研究指導を行うことができ、非常に大きな成果を上げられた。
まず、今回の指導テーマである「北京五輪の経済的波及効果」に関するヒアリング調査では、国家統計局や北京市統計局から、最新の産業連関表の作成経緯、統計局内で実施された北京五輪の経済効果測定の研究についてインタビューし、最新の2005年基準の中国全体の産業連関表と北京市産業連関表を提供してもらえること、また付帯表である雇用表の情報も得られたことは大きな成果であった。
次に、五輪施設の見学調査に関しては、国家水泳センター「水立方・ウォーターキューブ」、メインスタジアムとなる国家体育場「鳥の巣」、選手村などの主要施設と、公共インフラとしての空港と市内を結ぶ地下鉄の工事現場などを見て回った。これらの見学調査は、すべてデジタルビデオに撮影し、大学に戻ってからPCに動画として転送し、見学地や調査機関ごとにデータベースとして使用できるよう指導を行った。
また、産業連関分析の数値計算の方法については、携行したノートPCと統計ソフトを利用して、実習形式で行った。VBA(Visual Basic Application)を利用した大規模な逆行列プログラムとその利用方法、統計ソフトを利用した行列演算の方法などを具体的な国際産業連関表のデータ(780行×780列)を用いて指導できた。デジタルビデオやPCを利用したコンテンツの処理技術の向上という点で携行品は大きな効果をもたらしたといえる。
帰国留学生にとっての研究指導事業の成果及び意見・感想
本事業のご支援で、地域形成と産業関連分析の新しい情報及び地域開発関するフィールドワーク手法等の研究指導を受けられて、心から感謝を申し上げます。本事業のおかげで、パソコン及び産業関連分析ソフトなどの器材提供を受けました。このことは、これから私の研究能力アップにつながります。また、今回は十分な研究指導時間もいただき、かなりの研究成果を挙げることができました。
これからもこのような研究交流を行う機会をいただければと思います。

 

◆◆日本留学について◆◆

研究指導者から見た帰国留学生の日本留学時の印象や帰国後の交流について 金さんは、日本留学時代も非常に熱心な向学心のある学生でしたが、帰国後も変わらない熱心さがあり、感心しました。今回の交流では、彼女の大学院での講義やゼミナールで私の講義や実習を行いましたが、金さんが大学教員としてしっかりと学生を指導している姿や、研究院長はじめ周りの教員からも深い信頼を得て研究をしている状況をみることが出来て大変うれしく思います。また、横浜国大学と北京師範大学とは学術交流協定をむすんでいることもあり、今年の4月から彼女の指導する大学院生が交換留学生として横浜国大に滞在するなど、今後のさらなる充実した交流が期待されます。

 

経済資源管理研究院にて、携行品の引き渡し(左が金継紅さん、中央が李暁西研究院長)国家統計局ヒアリング調査

 

 

 

 

 

 

 

Page Top

奈良女子大学
研究指導者: 理学部 和田 恵次 教授
帰国留学生: ファン・ズエ・タィン さん (国籍:ベトナム)

 

研究指導風景(奈良女子大学)◆◆帰国留学生プロフィール◆◆ 

氏名 ファン・ズエ・タィン
国籍 ベトナム
日本留学(経歴) 2001年4月 〜2004年3月
奈良女子大学大学院 人間文化研究科
(博士)
現在の所属・職位 ハノイ教育大学 講師

 

 

 

 

◆◆研究報告◆◆

派遣期間
平成19年12月13日 〜 平成19年12月20日 (8日間)
派遣大学 (国・地域)
ハノイ教育大学(ベトナム)
研究指導分野
生物学
携行器材 1) ビデオカメラ (SONY, HDR-HC7)
2) ビデオカメラ用バッテリー (SONY, NP-FH70)
研究指導の内容・成果について
研究指導対象者であるThanh氏が極めて熱心に研究指導を受けてくれたこと、研究協力者であるNhuong教授の現地調査での様々なサポートがあったおかげで、本研究指導は高い成果を得ることができた。現地で目的としていた稀少カニ類Psuedogelasimus loiiの生息地を難なく発見でき、かつ目的としていた行動観察もでき、携行器材であるビデオカメラを有効に使うことが出来た点も大きい。以上の現地調査の結果から、ベトナムに固有の本稀少カニ類のもつ生態的行動的特性を明らかにする興味深い研究の土台をつくることができたといえる。
帰国留学生にとっての研究指導事業の成果及び意見・感想
本制度のおかげで、潮間帯性カニ類の行動生態調査のスキルを学びなおすことが出来ました。和田教授が持参してくださった調査機器のビデオカメラは野外調査で大活躍し、これからも私が継続する野外調査で役に立つことでしょう。和田教授の研究指導はすばらしいものでした。和田教授の滞在期間がもう少し長ければよかったと思います。

 

◆◆日本留学について◆◆

研究指導者から見た帰国留学生の日本留学時の印象や帰国後の交流について Thanh氏は、現在ハノイ教育大学で生物学の講師をしているが、その専門分野は、分子生物学、遺伝学方面であり、日本留学時に取得した学位の研究分野である生態学、行動学から離れた教育研究活動に従事している。そのため、日本で学んだこれらの分野を本国で活かせていないのが残念である。今回の研究指導は、本人に自身の得意分野である生態学や行動学を研究する機会をつくることができ、本人も極めて有意義であったと見受けられた。Thanh氏とは、帰国後、日本で行った研究成果を国際誌に投稿し、それが受理されるまで、私とのメールによる交流が続いていたが、論文完成後は、研究交流がなかったので、このような研究指導事業は、貴重な研究交流の機会になった。

 

 

携行器材のビデオカメラを使ったカニの行動観察

 

携行器材の贈呈携行器材譲渡式

 

 

 

 

Page Top

広島市立大学
研究指導者: 大学院国際学研究科 欒 竹民 教授
帰国留学生: 施 暉 (シ キ) さん (国籍:中国)
帰国留学生: 常志斌 (ジョウ シヒン) さん (国籍:中国)

    

◆◆帰国留学生プロフィール◆◆ 

 

施 暉 准教授

氏名 施 暉 (シ キ)
国籍 中国
日本留学(経歴) 1996年4月 〜 2001年9月
広島市立大学国際学研究科 修士
2001年10月 〜 2005年3月
広島市立大学国際学研究科 博士
現在の所属・職位 蘇州大学外国語学院 准教授

 

 

 

 

 

常 志斌 講師

氏名 常志斌 (ジョウ シヒン)
国籍 中国
日本留学(経歴) 1998年4月 〜 2000年3月
広島市立大学国際学研究科 修士
2000年4月 〜 2004年3月
広島市立大学国際学研究科 博士
現在の所属・職位 上海大学国際交流学院 講師

 

 

 

 

 

◆◆研究報告◆◆

派遣期間
平成19年9月19日 〜 平成19年9月28日 (10日間)
派遣大学 (国・地域)
蘇州大学外国語学院 (中国) / 上海大学国際交流学院(中国)
研究指導分野
日本語学(日中両言語の対照研究)
携行器材 <蘇州大学>携行器材(蘇州大学)
1) 国史大辞典(17巻)
2) 日本語学研究事典(1冊)
3) 朝倉日本語講座(10巻)
4) 日本語研究叢書(6冊)
 視点と主観性
 日本語形態論
 古代日本語動詞のテンス・アスペクト
 日本語のテクスト
 日本語名詞句の意味論と語用論
 日本語存在表現の歴史
5) 文化言語学序説-世界観と環境-
6) 近代日本語の語彙と語法
7) 日・中・英言語文化事典
8) 暮らしのことば擬音・擬態語辞典

携行器材(上海大学)

<上海大学>
1) 日本国語大辞典 第2版(14巻)
2) 字統・字訓・字通(3冊)
3) 朝倉日本語講座(10巻)
4) 日本語学研究事典(1冊)
研究指導の内容・成果について
施 暉さんに関しては、今回の研究指導によって、中国語訳の博士学位論文(原文日本語)はより精緻なものとなり、今年中に確実に上梓できるはこびとなりました。中日両言語の「性向語彙」に関する対照研究という新しい研究課題についての指導を行ったため、その研究目的、意義、方法等を理解でき、研究に向かって着実に進めていくと期待しております。

常 志斌さんに関しては、中国語訳の博士学位論文(原文日本語)はより精緻なものとなり、出版を加速させることができました。中日両言語における「新語」に関する対照研究という新しい研究課題について指導を行って、研究目的、意義、方法等を理解でき、研究に向かってより具体化となりました。更に、海外の各地域に形成されている所謂「地域中国語」についての研究の重要性を説明した上で、研究方法等を巡って指導しました。その結果、研究領域がより広まることになったと言えるでしょう。

学生に対して行った講義について反響がよく、当初予定した回数から一回講義を増やしました。学生の熱心な勉学姿勢は大変印象的でした。

訪問先の両大学の院長はいずれもこのたびの帰国外国人留学生研究指導事業に対して感謝の意を表した上、帰国外国人留学生はもちろんのこと、本学院の教育、研究にも大いに有益であると高く評価しています。と同時に継続してほしいと期待を寄せております。
また、日本語、日本に関する研究書、資料が極少で且つ古いものばかりの両大学の現状でしたので、最新の研究資料の寄贈に対して院長をはじめとする教員一同の喜悦もひとしおでした。今後の日本語教育・研究に役立つものになるにちがいないと確信しています。
帰国留学生にとっての研究指導事業の成果及び意見・感想
<施 暉 准教授の意見・感想>
研究指導の内容を三つに分けて記述します。
1) 研究指導によって博士学位論文(原文日本語)の中国語訳をより精緻なものにすることができました。
2) 帰国後、教育・研究において抱えてきた問題点や疑問点について指導を受けて解決に至りました。
3) 今後の研究課題の開拓、選定及びそれについての研究意義、方法などに関する指導、また、中国における日本語教育現場に適切する日本語教育用の教科書編集についても議論、検討を行いました。

<常志斌 講師の意見・感想>
中国語訳の博士学位論文(原文日本語)はより精緻なものとなり、出版を加速させることができました。中日両言語における「新語」に関する対照研究という新しい研究課題についての指導を受けて研究目的、意義、方法等を理解でき、研究に向かって具体化となったのです。更に、海外の各地域に形成されている所謂「地域中国語」をどう捉えるのか、どのように位置付けるのか、また、本土の中国語との如何なる関係を成すのか、などに関する新しい研究領域について指導された結果、自分の研究範囲がより広まるようになりました。

 

◆◆日本留学について◆◆

研究指導者から見た帰国留学生の日本留学時の印象や帰国後の交流について 施 暉さんと常 志斌さんは、日本に留学中、広島市立大学にて寝食を忘れてひたすら勉学・研究活動に没頭して教員一同や同期生から高く評価を博していました。帰国後も教育・研究の意欲が益々旺盛となり、所属学部の中核的な役割を果たしています。また、広島市立大学と蘇州大学・上海大学の学生同士の交流活動にも尽力しているため、学生の中国スタデイ・ツアーが実りの多いものとなったのです。

施 暉さんと常 志斌さんが帰国後、日々の日本語研究と日本語教育現場において生じた問題点や難点などに対して、私は、随時にメールなどを通して説明、指導に努めています。また、積極的に中国国内外の学会において研究発表するように指導すると同時にその発表資料の添削やチエックも行い、定期的に日本語研究の最新情報の発信や新しい研究方法、成果の紹介などを実施しています。更に、外部研究資金を獲得するための研究課題の選定に当って、提案、指導をも行ってきました。今後もこのような支援をできる限り継続していきたいと考えております。 

 

講義の模様講義の模様 (左:欒教授)

蘇州大学日本語学部の学生とともに(後列右から2番目:欒教授)

 

 

Page Top

宮崎大学
研究指導者: 農学部 永田 雅輝 教授
帰国留学生: ビム・プラサド・シュレスタ さん (国籍:ネパール)

研究指導風景(左:永田教授、右:ビム シュレスタ氏)

 

◆◆帰国留学生プロフィール◆◆ 

氏名 ビム・プラサド・シュレスタ
国籍 ネパール
日本留学(経歴) 1996年4月〜1998年3月
宮崎大学大学院農学研究科 修士
1998年4月〜2002年3月
鹿児島大学大学院連合農学研究科 博士
現在の所属・職位 カトマンズ大学 准教授

 

 

 

◆◆研究報告◆◆

派遣期間
平成19年8月27日 〜 平成19年9月5日(10日間)
派遣大学 (国・地域)
カトマンズ大学 (ネパール)
研究指導分野
農業情報工学
携行器材 1.ノート型パソコン(DEL insprion1501XP)
2.キャプチャー変換機(I-O DATA GV-MDVD3)
3.外付HD(I-O DATA HDH-SUE300 300GB)
4.CCDカラーカメラ(TAKENAKA TMC-724D)
5.CCD NIRカメラ(TAKENAKA NC-300AIR)
6.電源ユニット(TAKENAKA AD-10N)
7.カメラケーブル(TAKENAKA 12W-05)
8.カメラレンズ(TAKENAKA CL-418)
9.変圧器(KASHIMURA TI-29)
研究指導の内容・成果について
ビム・シュレスタ氏は日本で博士(農学)を取得後,続けてミシガン州立大学で2年間の研究生活を送り,帰国後はカトマンズ大学で画像情報学の教育研究に携わっています。そこで,今回携行した機材(ノートパソコン,CCDカメラ,画像撮影ソフト,ハードデスク等)は現有の機器では出来ない現場での計測に役立つ機器であることから喜ばれました。滞在中は,画像処理用機器の操作指導や画像データの収集・解析に関する研究指導を行いました。研究内容は河川の浮遊混合物の検査や農産物の選別などで遂行中であり,画像計測によるユニークな研究として今後の研究発展が期待できます。他に,学生へのゼミ,学部長・関係教員との懇談,日本留学希望者からの相談を受けるなど交流を図りました。カトマンズ大学ではJASSO帰国外国人留学生研究指導事業を受けるのは始めてとあって歓迎ムードが高まり,携行機材の譲渡式には事務局長,工学部長はじめ多数の参加者(総勢20名)があり,JASSOの留学生支援が高く評価されたことは大きな成果でした。これまで,平成6年,7年,12年と3回の本事業の経験を踏まえて,今回4度目の研究指導が出来たことは至極の慶びであります。(旧)AIEJそしてJASSOの関係者の皆様方に深く感謝申し上げます。

帰国留学生にとっての研究指導事業の成果及び意見・感想
今回、日本の永田雅輝教授から最新の画像処理技術、および食品品質評価への応用を教えていただき、非常にうれしく思っています。研究指導事業という形で永田教授に来ていただいたことで、私がカトマンズ大学の研究室ではじめている画像処理の最新技術を学ぶことが出来ました。
永田教授から複数のスペクトルモードで生物材料、非生物材料の画像を収集する方法を教えていただきました。JASSOからいただいた機材の使い方を実演しながら教えていただき、研究室に譲渡してくださいました。いただいた機材は母国での研究活動を継続していくために大いに役に立ってくれることでしょう。
永田教授がイチゴの品質評価のためのハイパースペクトル画像処理の使用について行ってくださった講義は、私だけでなく、カトマンズ大学の生徒や他の教職員にとっても大変勉強になりました。私が日本の大学を卒業後に永田教授の研究室で行われている研究活動や最新のテクノロジーを学ぶ機会もいただきました。
上記以外にも、私はこの研究指導事業によって、品質評価のための画像処理という分野で私の研究を続けていくことへの大きな自信をいただきました。帰国留学生にとって新しい技術や技能を学び、以前の研究や指導教授と再び連絡を取れることは,この研究指導事業の真の利点だと思います。

 

◆◆日本留学について◆◆

日本留学時の帰国留学生に対する印象や帰国後の交流について ビム・シュレスタ氏は,本学で修士課程から博士課程の5年間を過ごしました。驚いたのは日本語習得が非常に速かったことです。この理由は多くの日本人との交流を持つことができた彼の人柄によるものです。このことは,以後の勉学,研究にいい影響を与えたことは言うまでもありません。そして農学修士と農学博士を取得しました。また,宮崎大学留学生会の会長を務め留学生組織の取りまとめ,学内や地域での国際交流のリーダーとして活躍しました。帰国後は日本とアメリカ(ポスドク)での経験を活かして,カトマンズ大学工学部に画像情報学研究室を新設し,教育・研究に活躍しています。同氏が指導を受けたミシガン州立大学教授と当方との三者での交流も行なっており,ネパールから送られたサンプルを分析するなどして共同研究を実施しています。同氏は母国での画像検査技術の研究向上に努めており,その活動は高く評価されています。また,ネパール日本留学生の会(JUSAN)の役員(前事務局長,現副会長)に抜擢され,広く日本とネパールとの友好・交流促進に活躍しています。これからも帰国留学生が教育研究や地域活動を通して日本で学ぶことの意義を自分らの学生や隣人へ伝え続けられるような支援と交流ができることを願うものです。

 

特別講義(セミナー)の様子 携行器材譲渡式

 

Page Top