ご提供いただいた事例のうち、188例を紹介しています。
 今回紹介する事例は、視覚障害27例、聴覚・言語障害42例、肢体不自由38例、病弱・虚弱22例、発達障害35例、精神障害24例です。

1. 趣旨・背景

 我が国でも大学等に在籍する障害学生数が年々増加しており、特に発達障害、病弱・虚弱、精神障害の学生が急増しています。一方、平成26年2月17日には障害者権利条約が我が国において発効し、平成28年4月には障害者差別解消法の合理的配慮規定等が施行される予定で、国公立の大学等では障害者への差別的取扱いの禁止と合理的配慮の不提供の禁止が法的義務となり、私立の大学等では障害者への差別的取り扱いの禁止は法的義務、合理的配慮の不提供の禁止は努力義務となります。本機構では、こうした動向を踏まえ、障害のある学生からの支援の申し出に対して、適切な対応を行なうために参考となる取組事例の収集を目的とする調査を実施しました。
 今般御紹介する事例は、各大学等において実際に学生に配慮を行なった事例です。これらはそのまますべての大学等における「合理的配慮」となる性格のものではありませんが、大学等の規模、設備、組織体制や実施支援・配慮ならびに実際の支援に至るまでの手続きなどの面で多様な事例を提供しています。大学等において、各校の状況に応じた具体的取組を検討する際の参考資料として提供するものです。

2.紹介事例の選択方法

 支援・配慮は、各大学等の状況により異なります。さまざまな状況における支援・配慮のあり方を示すため、紹介事例は以下の考え方で選択しました。
・支援の申し出から、学生本人と大学との協議、提供された支援のプロセスや申し出に対応できなかったときの理由などがよくわかるもの。
・限られた資源や制約の中で工夫されたもの(支援内容が重複する場合は、記述内容の詳細なものを選択する)。
・提供校の以下の要素に、できるだけバリエーションをもたせる。
設置形態(国公私立)、学校種(大学、短期大学、高等専門学校)、学校規模(在籍学生数)、支援体制(委員会や支援担当部署の状況)等

3.閲覧にあたっての注意事項

 ここで紹介する事例は、推奨される事例や最低限ここまでは実施しておくべき事例といったものではなく、個々の大学等において実践された多様な取組例の一部です。各大学等においては、各校の状況を踏まえた合理的配慮を検討する際の参考資料の一つとしてご活用いただければ幸いです。
 なお、障害学生の個人情報保護に配慮し、各事例における個別情報(学校名、機関名、障害学生の個人情報等)は、紹介していません。学校や地域が特定できるような部署、学部学科、組織の名称等の固有名詞は、一般的な用語や表現に置き換えて紹介していますのでご了承ください。

4.参照すべき資料

 大学等における合理的配慮の基本的な考え方については、「教職員のための障害学生修学支援ガイド(平成26年度改訂版)」の「9.関連情報」をご参照ください。

 また、合理的配慮を含む障害者差別解消法の基本的な考え方については、内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」(平成27年2月24日閣議決定)をご覧ください。また合理的配慮を各組織の状況に合わせて行なうべきことや、配慮要望・申請に対する対応手順や過度な負担の考え方などについては、厚生労働省「改正障害者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮の提供の指針の在り方に関する研究会報告書」(労働政策審議会障害者雇用分科会)を参照することもできます。

5.事例の見方

 事例紹介ページは、障害種別の詳細区分(視覚障害なら盲と弱視)ごとにページが分かれています。
・各ページの事例は、学校規模(全体の学生数)の大きい順に並んでいます。
・各ページには、以下の場面ごとの索引があります。
○入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
○授業、試験、移動、施設改修等
○進級、卒業、就職、学外実習等
○学生相談、カウンセリング等  
○学外生活(通学・入寮等)
・索引見出しには、学校規模と設置形態(国公私立)及び支援内容のわかるキーワードがついています。
・事例紹介ページは、「学校基本情報」「(1)支援の申し出」「(2)対応について」「(3)学生の反応、感想等」のブロックから構成されています。事例閲覧者は、これらの情報と自校の状況を比較することにより、自校における支援・配慮のあり方を検討することができます。

学校基本情報

 「平成26年度(2014年度)障害のある学生の修学支援に関する実態調査」の回答によるものです。紹介事例は、平成26年度に実施されたものとは限らないため、事例実施時と支援環境等に相違がある場合があります。支援・配慮を行なった学校の基本的な情報や、支援実績、対応組織体制、どのような支援が行なわれているかなど、その学校の基礎的環境整備の状況を概観することができます。なお[~障害学生への実施支援]欄に書かれている支援内容は、その障害種別の学生に対してその大学等が全般的にどのような支援を提供していたか(平成26年度)であり、事例の学生に対して提供された支援内容ではありません。

(1)支援の申し出

 支援を申し出た学生の基本情報(申し出のあった障害種別、学部学科、学年)などです。申し出者は本人であることも、本人以外、あるいは両者であることもあります。

(2)対応について

 [申し出を受けた部署] [対応の手順] [学生との話し合い][支援内容][学内協議参加部署・機関][ニーズへの対応]の各項目が記載されています。申し出に対して各校がどのような対応を行なったかが示されます。大学等の体制整備の一環として対応窓口の設置状況や対応プロセスがわかるとともに、学生等申し出者との話し合いの内容を知ることができます。各校の状況によっては必ずしも学生等からの申し出(ニーズ)に応じることができなかったケースもありますが、その場合は対応できなかった理由などが記載されています。

(3)学生の反応、感想等

 学生等からの反応や、その後の経緯などのフィードバック情報がある場合に記載されます。

調査の概要

 紹介事例の収集にあたっては、全国416校の大学等からご提供いただきました。ご協力ありがとうございました。

1. 調査対象
全国の大学、短期大学及び高等専門学校のうち、障害のある学生が在籍している学校(811校)
  ※平成25年度(2013年度)障害のある学生の修学支援に関する実態調査による。

2. 調査方法
抽出調査(配布方法:送付状郵送、調査票ウェブサイト配信  回収方法:電子メール)

3. 調査期間
平成26年7月1日から7月31日


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