Q1 障害学生について教えてください。

 近年、大学等においては障害のある学生の在籍数が急増しており、各大学等は今まで以上に障害のある学生の受入や支援体制の整備が急務となっています。文 部科学省でも、「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第1次まとめ)」を策定し、大学等における障害学生支援を整理するとともに、これからの 支援について方向性を示しました。内容については、この報告をご参照ください。
こうした状況の中、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)における合理的配慮規定等の施行(平28.4)によって、障害学生支援は大きな変化の時期を迎えています。
障害者への差別的取扱いの禁止は、全ての大学等において法的義務と なり、合理的配慮の不提供の禁止は、国公立大学等においては法的義務、私立大学等においては努力義務となります。また、国公立大学等は、障害者差別解消に ついての対応要領の作成と公表が義務付けられ、私立大学等については、文部科学省の対応指針を参考に、取組を主体的に進めることとされています。

Q2 合理的配慮について教えてください。

 文部科学省「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第 1次まとめ)」では、大学等における合理的配慮とは、「障害のある者が、他の者と平等に「教育を受ける権利」を享有、行使することを確保するために、大学 等が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある学生に対し、その状況に応じて、大学等において教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」で あり、かつ「大学等に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」としています。
 なお、合理的配慮は、大学等が個々の学生の状態・特性等に応じて提供するものであり、多様かつ個別性が高いものであり、個々の学生の障害の状態・特性や教育的ニーズ等に応じて配慮されることが望まれます。

Q3 障害のある学生とはどのような学生を指しますか。

 文部科学省「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第1次まとめ)」では、障害者基本法に則して、障害のある学生とは、「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある学生」としています。
 社会的障壁とは「障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの」(障害者基本法)です。
 なお、日本学生支援機構の「障害のある学生の修学支援に関す る実態調査」では、調査の趣旨、目的から、障害のある学生(障害学生)を「身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳および療育手帳を有している学生又は健 康診断等によって障害があることが明らかになった学生」と定義しています。

Q4 障害にはどのような種類がありますか。

障害には大きく分けて以下のようなものがあります。各障害の詳細については、「教職員のための障害学生修学支援ガイド(平成26年度改訂版)」をご参照ください。

○視覚障害
盲……視覚による教育が不可能又は著しく困難で、主として触覚及び聴覚など、視覚以外の感覚を利用しての教育が必要な程度
弱視…視覚による教育は可能であるが、文字の拡大など教育上の配慮が必要な程度
○聴覚障害
聾……両耳の聴力損失60デシベル以上、又は補聴器等の使用によっても通常の話声を解することが不可能、又は著しく困難な程度
難聴…両耳の聴力損失60デシベル未満、又は補聴器を使用すれば通常の話声を解することが可能な程度
○肢体不自由
上肢機能障害……腕、手、指及び各関節に関する機能障害
下肢機能障害……脚、足指及び各関節に関する機能障害
上下肢機能障害…上肢、下肢の両方に関する機能障害
他の機能障害……体幹(胴体)に関する機能障害、上肢と体幹、下肢と体幹、上下肢と体幹に関する機能障害及び運動の障害
○病弱・虚弱
内部障害等……心臓機能障害、じん臓機能障害、呼吸器機能障害、ぼうこう又は直腸の機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害、肝臓機能障害及び神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態が継続して医療又は生活規制を必要とする程度
他の慢性疾患…身体虚弱の状態が継続して生活規制を必要とする程度
○発達障害 ( )内は平成26年度までの「障害のある学生の修学支援に関する実態調査」における表記
SLD……限局性学習症/限局性学習障害(LD:学習障害)
ADHD…注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害(ADHD:注意欠陥/多動性障害)
ASD……自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(高機能自閉症等:高機能自閉症及びアスペルガー症候群)
○精神障害……統合失調 症、気分障害(躁病、うつ病、双極性感情障害、持続性気分障害等)、神経症性障害等(不安障害、強迫性障害、適応障害、解離性障害、身体表現性障害、神経 衰弱等)、摂食障害、睡眠障害、高次脳機能障害、依存症候群、人格障害、トゥレット症候群、性別違和(性同一性障害)、選択性緘黙(場面緘黙)、知的障害 等

Q5 障害学生支援にはどのようなことが求められていますか。

 障害学生支援には、修学機会、教育の質、公平に評価される機会等を確保し、障害のある学生が障害を理由に修学を断念することがないようにすることが求められます。具体的な支援として求められることには、主に以下のようなものがあります。

  • 情報保障
  • コミュニケーション上の配慮
  • 教材の配慮
  • 学習空白への配慮
  • 学外における実習やインターンシップにおける配慮
  • 公平な試験の配慮
  • 公平な成績評価
  • 心理面・健康面の配慮

Q6 障害のある学生の個人情報の取り扱いにはどのような配慮が必要ですか。

支援の実施にあたって、障害のある学生の個人情報(氏名、障害の種類や様態等)を、学内の関連部署や、学外実習先、就職先等と共有する必要が生じる場合が あります。支援に必要な個人情報の取り扱いについて、学内で一定のルールを設けるとともに、情報の周知や共有の範囲について、学生本人の意向を確認するこ とが重要です。