Q1 学校全体での体制整備が必要ですか。

 障害学生支援には、受入に関わる入試担当、授業に関わる教務担当、学生生活支援担当のほか、施設・設備の改修、キャリア教育や就職支援、学生相談、学生が履修する授業に関わる学部及び教員等、様々な部署、様々な教職員が関係します。
スムーズな支援を実施するためには、全ての教職員の理解と、関 連各部署の連携が欠かせません。そのためには学内全体が共有できる方針やルールが必要であり、「学長がリーダーシップを発揮し、大学等全体として専門性の ある支援体制の確保に努めること」(文部科学省「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第1次まとめ)」)が求められます。

Q2 障害のある学生が在籍していなくても体制整備は必要ですか。

 現在、障害のある学生が在籍していない学校も、体制整備は必要です。
 大学等は、入学者選抜においても合理的配慮の提供が原則とされていますし、障害のある進学希望者に対して、学校全体としての受入姿勢、方針、体制等に関する情報をウェブサイト等において公開することが重要とされています。
 また、支援が必要な障害のある学生が入学してから体制を整備 していては、様々な場面で支援が間に合わず、合理的配慮の提供に困難が生じることになります。障害学生が在籍している時だけの体制ではなく、恒常的な体制 を整備することで、支援ノウハウを蓄積していくことも重要です。

Q3 障害のある学生を受け入れる際は専門の組織等を設置する必要がありますか。

 障害学生支援を実施している学校には、専門委員会や専門部署・機関を設置している学校もあれば、学生支援に係る委員会や部署・機関が障害学生支援も担当している学校もあり、体制や組織のあり方は学校によって異なります。
 学校の規模や環境、支援に対する方針等を勘案し、その学校にとって合理性、機能性の高い組織編制をすることが重要です。

Q4 障害学生支援の専門知識を持つ教職員とはどのような人材ですか。

 大学等により異なりますが、以下のような人材を専門知識を持つ教職員として置くところもあります。

Q5 どのようにして修学支援を始めたらよいでしょうか。

  障害学生支援は、障害のある学生から支援の申し出があってから具体的な内容を検討するというのが基本姿勢ですが、スムーズな支援実施のためには、まず学内 体制の整備が必要です。支援の申し出をする学生にとってわかりやすい窓口の設置、障害学生支援に関わる組織や部署の編成、申し出を受けてから具体的な支援 内容を決定するまでの対応手順の策定、支援に関する学内規程の整備、施設・設備のバリアフリー化等、まずは支援のための基礎的な環境を整備しましょう。
また、全学的に障害学生支援に取り組むためには、全ての教職員に対して障害のある学生についての理解を図ることも重要です。理解・啓発のための教職員研修等を実施し、障害のある学生への理解を促しましょう。
 支援の申し出を受けたら、学生の要望に基づいた調整を行ないます。環境等の事情により要望通りの対応が難しい場合は、学生のニーズに沿った別の対応方法を提案し、支援方法について学生との間に合意を形成することが重要です。

Q6 障害のある学生を受け入れる際のマニュアルのようなものはありますか。

 「教職員のための障害学生修学支援ガイド」では障害種別に支援のノウハウを、実際に行なわれた支援・配慮については、「障害のある学生への支援・配慮事例」で紹介しています。
また、職員や学生向けに障害学生支援ガイドやマニュアルを作成している学校もあります。そうしたガイドブックを学校のウェブサイトで公開しているところもあります。

Q7 大学等はどこまで支援したらよいのでしょうか。

  「障害者政策委員会差別禁止部会(平成24年)」は、教育の分野で差別が禁止されるべき事項は「入学、学級編成、転学、除籍、復学、卒業に加 え、授業、課外授業、学校行事への参加等、教育に関する全ての事項」としています。また検討会報告では、「授業、課外授業、学校行事への参加等、教育に関 するすべての事項」を対象とするとしています。
 一方で検討会では、教育とは直接に関与しない学生の活動や生 活面への配慮については、一般的な合理的配慮として検討の対象外としています。また合理的配慮の提供は、「体制面、財政面において、均衡を失した又は過度 の負担を課さないもの」とされているように、学生の要望そのままに応えることができない場合もあります(Q2参照)。
 学校の配慮事項であるのか自治体の福祉サービス範囲なのか、 制度の狭間にあって難しい問題もあります。これらについては、障害学生にとっての社会的障壁を取り除くために学校ができる支援について、学生本人とコミュ ニケーションをとりながら、学校の個々の事情に応じて支援内容を検討していくことが重要です。

Q8 支援学生について教えてください。

 支援学生とは、支援の実施を担う学生です。多くの大学等で支援学生が活躍しています。ノートテイクやパソコンテイク、教材のテキストデータ化、ガ イドヘルプ等、支援学生が担うことのできる支援は様々です。支援学生の組織は、学校が運営する場合と、学生が自主的に運営する場合があります。障害学生自 身も支援されるだけでなく、支援する側としても参加して活動している学校もあります。活動は有償か無償か、評価の対象になるか等、学校によってその内容は 様々です。
 また、支援の質を高め、維持するためには、支援学生向けの技術講習会、相談対応、懇親会等を実施することも重要です。
 卒業等により在籍障害学生がいなくなってしまった場合、組織の維持が課題となります。対応例としては以下のような取組があります。

  • 支援学生の養成を授業として開講する。
  • 支援団体等に支援者として登録し、地域の支援者としても活躍できる仕組みを作る。
  • 他の大学等と協力関係を結び、支援学生の相互派遣、遠隔情報保障等を行なう。