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今回は、教員養成大学の特色を生かした障害学生支援体制を構築し、平成19年度「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」(以下、学生支援GP)に選定された宮城教育大学の「障害学生も共に学べる総合的学生支援」の取組みについて、教育学部特別支援教育講座 藤島省太教授と
松ア丈講師にお話を伺いました。
なお、今回のインタビューは、支援コーディネーター 前原明日香さんに手話通訳のご協力をいただきました。【平成19年12月】

▲左から藤島教授、前原コーディネーター、松ア講師
≪松ア講師が手に持っている資料≫

▲宮城教育大学 校舎

▲ノートテイカーの活動の様子
(写真提供:宮城教育大学)

▲障害学生・健常学生が共に参加する防災訓練
(写真提供:宮城教育大学)
●学生支援GPに選定されたプログラムの内容を教えてください。
◆障害学生の入学から卒業、就職までを視野に入れた総合的学生支援システムの構築を目指しています。大きな柱として、教職員・支援学生・障害学生の啓発・研修・支援などを行う「学生教育研修事業」と、従来の取組みで蓄積したノウハウを継承し、支援技術の向上を図る「障害学生支援技術開発促進事業」があります。
●これまで障害学生への支援はどのように行われていましたか?
◆点字やノートテイク等、学生が自主的に行うボランティア・サークルによって支援が行われていました。長年、学生の間でボランティア精神と支援技術が受け継がれてきましたが、大学として組織化されたものではない為、設備等の予算措置は行われていませんでした。
障害学生が増加する中で、平成16年度、学務委員会が中心となって「障害学生支援プロジェクト」を組織し、障害学生支援を大学全体の業務と位置付け、支援体制の構築に向けて活動を始めました。
◆取組みの背景には、聴覚障害のある松ア講師の存在があります。 本学の学生だった時の体験を基に、松ア講師が障害学生のニーズに合わせた支援を行うサークルを立ち上げました。この活動が各方面で注目されたことが大きな契機となり、教職員と学生が協力して支援体制を作り上げてきました。
●宮城教育大学の障害学生支援の特色は?
◆本学は盲・聾・養護学校教員免許を取得できる東日本唯一の大学として、全障害領域を網羅する特別支援教育教員養成課程があります。「特別支援教育」を大学全体で取り組む教育の一つと位置付け、障害学生支援の実践を通して、全ての学生に「特別支援教育マインド」を育むことを理念としています。
これらのことから、特色として次の三点があげられます。
◆また、単科大学で小規模の為、教職員の連携を図りやすいことも大きなメリットです。
●現在の取組み状況を教えてください。
◆『聴覚障害学生支援 教職員のための手引き』を発行し、全国から好評を得ております。 また、支援コーディネーター2名の配置、支援学生への謝金支給が可能となりました。
◆先日、初の試みとして、障害学生と健常学生が共に参加する総合防災訓練を実施しました。キャンパスでの緊急時に、障害者も対応できる体制作りが目的です。 聴覚障害の学生には携帯電話のメールで避難を指示し、 車椅子の学生には同じ専攻の学生に協力してもらい、避難場所へ移動しました。学生と教職員の協力により、障害学生がスムーズに避難できたことに対して、視察に来られた仙台市消防署の方々からも大変良い評価をいただきました。
●学内の反応はいかがですか?
◆ボランティア・サークルで活動していた学生たちは、大学が取組みを始めた当初、「これまでの活動を大学に取られた」という危機感をもったようです。しかし、学生の要望を取り入れていくことで、大学と学生の良好な関係を築くことができました。また、この取組みが、学生と教職員相互の学びの場となっているようです。
●今後の課題を教えてください。
◆最も大きな課題は、年間を通じての支援学生の確保です。特に教育実習の期間は、同じ課程の学生が出払ってしまうため、支援学生の確保が非常に困難となります。
◆全学的な障害学生支援を継続していくために、財源の確保も大きな課題です。導入した器材・設備を活発に稼動するための環境整備も必要です。 今後、教職員向けの研修会を開催し、理解と協力を求めていきたいと考えています。
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