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日本学生支援機構が行う留学生支援事業に関する意見

平成18年10月
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)政策企画委員会

1.留学生交流における機構の役割と事業の在り方

1.「留学生受入れ10万人計画」という量的数値目標はすでに達成されたが、日本の大学等の国際化、 国際競争力の強化を踏まえると、留学生交流の質の向上が求められる。このため、今後、多様な支援機能を持つ法人の統合等により機構が設置されたメリットを 最大限生かすとともに、関係機関が相互いに連携・協力して留学生関連事業や留学生受入れ体制の整備・充実を図っていくことが求められる。
 このような状況の中で、機構は、留学生支援事業を実施する中核的な機関として、関係省庁・地方公共団体・民間団体等が取り組んでいる留学生関連業務の情 報を収集するとともに、大学等に在籍している留学生の修学、生活、就職等のニーズや実態を的確に把握し、学資の支給をはじめとした留学生支援事業の一層の 拡充を図ることが必要である。
 また、留学生支援事業を効果的に進めるために、事業の成果を的確に把握し、分析・評価を行うための調査・研究機能の強化を図ることが求められる。

2.日本の大学における留学生交流は、第1学年から受入れることが中心となっているが、各大学が主体となって、学生が母国の大学に在籍しながら相互に短期間留学するなどの柔軟な学生交流を積極的に推進していくことが望まれる。
 このため、機構は、国内外の先進的な留学生交流プログラム等の情報を収集し、ホームページや留学生関連の研修等において情報を提供することにより、各大学等の特色を発揮した留学生交流が推進できるよう各大学を支援していくことが期待される。

2.優秀な留学生の確保

1.留学生の「質」については様々な会議等で議論されている。一般的には、真に修学を目的とした意欲のある留学生で、かつ成績優秀であることが求められ、彼らには将来、日本と出身国との橋渡し役になることが期待される。
 このため、機構は、優秀な留学生の確保のため、海外における日本留学フェアの開催などによる留学情報の提供・相談体制の強化、留学を円滑にするための日本留学試験の充実、優秀な留学生への奨学金の支給等の留学生支援事業を総合的に推進していくことが必要である。

2.近年、日本の大学等における教育、研究だけでなく、日本企業への就職に魅力を感じて日本に留学する学生も多く、また、日本企業にとっても、優秀な留学生の人材確保が重要な課題になっている。
 この課題に対処するため、機構は、留学生と企業双方のニーズ等を踏まえて、就職活動の基礎知識や活動方法等の情報提供を更に充実させ、留学生の円滑な就職活動を支援することが必要である。

3.機構の実施する留学生支援事業を充実させ、より優秀な留学生を確保するために、機構は、他の欧米諸国における留学生支援事業に関して調査研究を行うと ともに、アジア諸国からの留学生を多く受入れている現状を踏まえ、その国における学生の意識やニーズを調査研究する体制を強化することが必要である。

3.受入れ体制の充実

1.留学生の受入れ体制の充実については、大学等が主体的に取り組むべきことであるが、平成17年に留学生数が12万人を超えたことから、機構としては、全国的な視点に立った留学生支援事業を通して、留学生数に見合った受入れ体制の充実に寄与していくことが求められる。

2.日本の多くの大学、大学院では、日本語以外の言語による授業や講座が少ないために、留学生が学位を取りにくいことが指摘されている。
 機構として、大学等が先進的に取り組んでいる留学生に配慮した教育プログラムや特色ある教育方法について情報を収集し、提供することが必要である。

3.留学生を受入れる大学等の教職員には、その出身国・地域の社会、文化、宗教、生活習慣等について十分な認識を持つことが求められており、欧米諸国では、すでに留学生担当者の研修及び連絡協議活動が盛んに行われている。
 機構は、大学等における留学生担当者のレベルアップを図るため、この点に十分に配慮して研修プログラムや研究協議の内容等を充実することが必要である。

4.留学生にとって日本語能力は、我が国で学習し生活する上で、極めて重要な要素であるが、機構の運営する日本語教育センター(東京、大阪)は、良質な日本語教育を提供しており、留学生受入れの促進、優秀な留学生の確保を図る観点から、重要な役割を担っている。
 今後、同センターの特徴を生かし、国費留学生や外国政府派遣留学生の受入れ策の充実を図るとともに、教育内容の質の向上を図るため、特に大学院進 学者や非漢字圏の学生に配慮した教材の開発や海外の高等教育機関及び予備教育機関における日本語教員の質の向上に寄与していくことが求められる。

4.留学情報の提供

1.海外における日本留学に関する情報提供や留学相談は、機構をはじめ各大学等において行っているが、欧米諸国が行っているものに比べて十分とはいえない。
 機構は、アジア地域(インドネシア、韓国、タイ、マレーシア)に海外事務所を設置している。今後、この海外事務所の体制を整備し、留学情報の提供、留学 相談、日本留学試験の普及を図るとともに、海外事務所のない国・地域においては、国内大学等の参加を得ながら日本留学フェアや日本留学説明会を積極的・効 果的に開催し、また、在外公館や他機関の海外事務所と相互に連携し、よりきめ細やかに留学情報の提供や留学相談等を行い、日本への留学を支援することが重 要である。

2.日本語の習得や日本に対する理解を深化させるためには、より若い時期から日本留学を促すことが有効と考えられるので、今後は、海外の中等教育機関やその教員、生徒等を対象とした情報提供の在り方について、考慮することが必要である。
 また、日本への留学に対する興味を持たせるには、単に留学情報だけでなく、広い視点で日本の社会事情や生活習慣、多様な留学生地域交流プログラム等に関する情報の提供が不可欠である。
 機構は、多様なメディアを活用し、多方面に幅広い情報を効果的に発信していくことが必要である。

3. 我が国に最も多くの留学生を送り出している中国には、機構の拠点が整備されていない。今後、拠点の設置に向けて、機構は関係者と協議を行っていくことが必要である。

5.留学生の住居

1.低廉で良質な住居の確保は留学生にとって極めて重要であり、機構は留学生が安心して学生生活を送れるよう、国際交流会館等の宿舎を提供している。しか し、大学等の公的な留学生宿舎を含め量的な問題、また民間アパートへの入居時の保証人確保等、いくつか課題が指摘されている。
 このため、機構は、地方公共団体及び大学等による宿舎提供の取組みの実情等について調査を実施し、低廉で良質な宿舎を留学生に提供できるよう国際交流会館の運営や指定宿舎事業の改善方策を検討していくことが必要である。
 また、保証人については、例えば、福岡県では、県内の大学、地方公共団体、国際交流関係団体等から構成される福岡地域留学生交流推進協議会が中心となっ て、県内の留学生が住宅を賃貸する際の連帯保証を行っている。機構は、このような取組みが各地に広まるよう情報の収集・提供を行うことが重要である。

2.留学生の日本の社会や文化に対する理解を深めるには、留学生が日本人学生や地域社会と交流を持つことが重要である。
 このため、機構は、地域における国際交流の拠点としての国際交流会館の機能をより高めるとともに、大学等、地方公共団体、企業及び各種の民間団体などと連携・協力し、多彩な交流事業を推進することが必要である。

6.地域バランスと戦略的な日本留学の促進

1.留学生に対する奨学金の効果的な使い方として、これまで日本への留学生数が少ない国・地域に重点をおくという戦略的な方法も考えられる。
 機構は、戦略的に国・地域を選び、日本留学フェアの開催などにより留学情報の提供を行うとともに、留学を円滑にするため日本留学試験を実施し、日本留学を促すことが必要である。
 なお、日本留学試験の実施体制を整備し、その公平性・信頼性を高めるとともに、奨学金の受給者の決定に当たって、日本留学試験の成績を一層活用することが必要である。

2.インドをはじめとした南アジアから欧米への留学生数に比べ、当該地域からの日本への留学生が少ない状況にある。機構は、その理由を検証するとともに、日本にひき付けるため必要な施策を検討することが必要である。

7.日本人学生等の海外留学推進

1.我が国の国際競争力の強化やグローバル化した国際社会で活躍できる人材を育成する観点から、日本人学生の海外留学を推進することが必要である。 しかし、留学生の受入れ数が約12万人であるのに比べ、日本人の海外留学者数は約8万人と少なく、欧米諸国に比べても低い水準である。
 このため、機構は、海外留学を希望する者に対して、東京と神戸に設置されている「留学情報センター」における情報提供、相談機能を強化するとともに、大 学等と協力して海外留学フェアや海外留学説明会を全国各地で展開するなど、海外留学に関する情報提供・相談体制の拡充を図ることが必要である。
 また、日本人学生の海外留学を支援するため、海外留学向けの学資金貸与制度や短期留学推進制度のより一層の充実を図るとともに、これらの制度が更に活用されるように、ホームページ等を通して広く普及を図ることが必要である。
 さらに、留学を担当する大学等職員の研修会等において、日本人学生の海外への留学支援についての内容を充実させ、大学側から学生に対して海外留学を促していく体制を整えることが重要である。

2.現在、日本人学生の海外留学先は、欧米諸国が多い。諸外国との相互理解の増進、友好関係の深化、さらには交流促進という視点から、アジア・アラブ・中南米など欧米以外の諸国への留学を促進していくことが必要であろう。
 このため、機構は、日本人学生の海外留学の実態やニーズを把握し、各国、地域の実情に応じた海外への留学支援事業を充実させていく必要がある。