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平成27年度奨学金の返還者に関する属性調査結果

I.調査目的等

(目的)
奨学金の延滞者および無延滞者の属性を把握し、今後の奨学金回収方策に役立てることとする。

(調査対象)

  • (1)平成27年11月末において、奨学金返還を3か月以上延滞している者(以下「延滞者」という。)を延滞年数および性別で層化し、無作為抽出した19,658人。
  • (2)平成27年11月末において、奨学金返還を延滞していない者(以下「無延滞者」という。)を学種および性別で層化し、無作為抽出した9,659人。

(調査方法)
インターネットにより質問への回答を求め、回答のない者に対しては、質問を記入した調査票送付のうえ、返信用封筒により返送を依頼した。

(調査時期)
平成28年1月

(回答受入状況)

抽出人数 回答人数 回答率 参考母数
(平成27年度末)
延滞者 19,658人 2,941人 15.0% 164,635人
無延滞者 9,659人 3,118人 32.3% 3,483,982人
※回答人数には無回答・不明回答を含まない。

(参考)平成27年度末現在の状況

  • 返還を要する者(返還期日到来分のみ):3,811,494人
  • 返還している者:3,483,982人
  • 1日以上の延滞者:327,512人
  • 3か月以上の延滞者:164,635人

II.結果の概要

1.奨学金申請について

(1)奨学金申請時の書類作成者

奨学金申請時の書類作成者は、延滞者では「親(または祖父母等の家族、親戚)」が39.7%と最も高く、奨学生本人が書類作成に関わっている比率は「奨学生本人」31.9%、「本人と親等」20.0%で、合計51.9%と半数程度である。「書類作成者はわからない・その他」との回答も8.4%みられる。一方、無延滞者では書類作成は「奨学生本人」が56.1%と半数以上で、「本人と親等」の22.5%を加えると合計78.6%となり、8割近くが書類作成に関わっている。

図1-1 奨学金申請時の書類作成者(択一)

図1-1 奨学金申請時の書類作成者グラフ;延滞者(2,913人)奨学生本人31.9%、本人と親等20.0%、親39.7%、わからない・その  他8.4%/無延滞者(3,103人)奨学生本人56.1%、本人と親等22.5%、親19.4%、わからない・その他2.0%

(2)奨学金申請を決めた時期

大学、短期大学、専修学校(専門課程)で奨学金の貸与を受けた者に、奨学金申請を決めた時期を質問した。
延滞者、無延滞者とも「高校3年生の時点」と回答した者の比率が最も高い。「高校2年生以前」を合計すると、延滞者9.4%に対し、無延滞者15.5%となり、無延滞者の方が、早い時期に奨学金申請を決める者がやや多くなっている。

図1-2 奨学金申請を決めた時期(択一)

図1-2 奨学金申請を決めた時期グラフ;延滞者(2,442人)高校入学より前3.6%、高校1年生の時点2.6%、高校2年生の時点3.2%  、高校3年生の時点41.4%、高校卒業後33.3%、わからない15.9%/無延滞者(2,984人)高校入学より前6.2%、高校1年生の時点2.9  %、高校2年生の時点6.4%、高校3年生の時点46.3%、高校卒業後32.5%、わからない5.6%

(3)返還義務を知った時期

「申込手続きを行う前」に返還義務を知った者は、無延滞者では88.6%と9割近いのに対し、延滞者では51.2%と約半数にとどまり、申込手続きまでの返還義務の認識が十分ではないことがうかがえる。また延滞者では、貸与終了後に返還義務を知った者の合計は20.4%で、その半数の10.9%は「延滞督促を受けてから知った」と回答している。

図1-3 返還義務を知った時期(択一)

図1-3 返還義務を知った時期グラフ;延滞者(2,887人)申込手続きを行う前51.2%、申込手続き中12.7%、貸与中6.4%、貸与終  了時3.0%、貸与終了後から返還開始前4.0%、返還開始から督促前5.5%、延滞督促を受けてから10.9%、その他6.3%/無延滞者  (3,105人)申込手続きを行う前88.6%、申込手続き中5.8%、貸与中2.4%、貸与終了時0.6%、貸与終了後から返還開始前0.6%、返  還開始から督促前0.4%、延滞督促を受けてから0.1%、その他1.3%

2.延滞者の状況

(1)延滞が始まった理由(きっかけ)

延滞が始まった理由(きっかけ)は、「家計の収入が減った」が76.1%(複数回答)で最も高い。次いで「家計の支出が増えた」50.9%、「忙しかった」23.1%、「入院、事故、災害等にあったため」22.6%である。「返還を忘れていた、口座残高をまちがえていたなどのミス」と回答した者も17.9%いる。

図2-1 延滞が始まった理由(きっかけ)

図2-1 延滞が始まった理由(きっかけ)グラフ;家計の収入が減った76.1%、家計の支出が増えた50.9%、忙しかった23.1%、入院・事故・災害等22.6%、返還を忘れていたなのどミス17.9%、返還するものと思っていない4.5%、その他22.6%
平成25年度までは2つまで選択、平成26年度以降はあてはまるものを全て選択。

(2)延滞が継続している理由

延滞が継続している理由については、「本人の低所得」と回答した者が67.2%で最も高い。次いで「奨学金の延滞額の増加」53.8%となっている。
※「親の経済困難」について、平成25年度以降は「本人が親への経済支援をしている」と「親が返還の約束をしている」の2肢の合計(両方選択者分はマイナス調整)を記載している。

図2-2 延滞が継続している理由

図2-2 延滞が継続している理由グラフ;本人の低所得67.2%、奨学金の延滞額の増加53.8%、本人親の経済困難43.0%、本人の借入金の返済34.8%、本人が失業中・無職17.7%、家族の病気療養13.0%、忙しい(金融機関に行けない等)9.7%、本人の配偶者の経済困難9.1%、本人が病気療養中7.1%、本人が学生1.4%、奨学金は返すものだとは思っていない1.5%、その他7.3%
平成25年度までは2つまで選択、平成26年度以降はあてはまるものを全て選択。

3 返還期限の猶予制度について

(1)返還期限猶予制度の認知状況

昨年の調査から、「知っている」を「奨学金に申し込む前から知っていた」、「返還が始まる前までには知っていた」、「返還が始まってから知った」、「延滞督促を受けてから知った」の4種類に分割し、「知らない」と併せて5肢の選択回答とした。
返還が始まる前までに認知していた者は、無延滞者では合計で32.8%であるのに対し、延滞者では合計で4.4%と、延滞者と無延滞者では認知時期に大きな差がみられる。延滞者では「延滞督促を受けてから知った」と回答した者が46.7%で最も高く、貸与の早い段階での制度認知と延滞状況が密接に関係していると認められる。

図3-1 返還期限猶予制度の認知状況(択一)

図3-1 返還期限猶予制度の認知状況グラフ;延滞者(2,920人)奨学金に申し込む前から知っていた1.7%、返還が始まる前までに  は知っていた2.7%、返還が始まってから知った16.3%、延滞督促を受けてから知った46.7%、知らない32.6%/無延滞者(3,109人  )奨学金に申し込む前から知っていた12.0%、返還が始まる前までには知っていた20.8%、返還が始まってから知った24.5%、延滞  督促を受けてから知った2.2%、知らない40.5%

(2)返還期限猶予制度をどこから知ったか

延滞者は「機構(旧日本育英会)からの通知で」、「相談センターに電話して」、「債権回収会社から」猶予制度を知ったと回答した者が無延滞者よりも多い。一方、無延滞者は「奨学金申請時・採用時の資料で」、「返還のてびきを読んで」、「学校の説明会で」等と回答した者が延滞者よりも多い。

図3-2 返還期限猶予制度をどこから知ったか(あてはまるものを全て選択)

図3-2 返還期限猶予制度をどこから知ったかグラフ;延滞者(平成27年度)機構からの通知で41.7%、相談センターに電話して  35.3%、「返還のてびき」を読んで22.0%/無延滞者(平成26年度)「返還のてびき」を読んで61.0%、奨学金申請時・採用時の資  料で42.3%、学校の説明会で17.5%、日本学生支援機構のホームページで17.5%

4 無延滞者の状況

(1)延滞経験の有無

無延滞者に対し、過去に延滞の経験があるかどうか質問した。
「延滞したことがある」者は、20.2%いる。

図4-1 延滞経験の有無(択一)

図4-1 延滞経験の有無グラフ;無延滞者(3,107人)延滞したことがない73.4%、延滞したことがある20.2%、わからない6.5%

(2)延滞になったことを知ったきっかけ

(1)で「延滞したことがある」と回答した者に、延滞になったことを知ったきっかけを質問した。
「機構(旧日本育英会)からの振替不能(延滞)通知」が72.3%で最も高く、次いで「口座残高を確認して」が31.5%、「機構(旧日本育英会)からの電話」が29.4%となっている。

図4-2 延滞になったことを知ったきっかけ(あてはまるものを全て選択)

図4-2 延滞になったことを知ったきっかけグラフ;機構(旧日本育英会)からの振替不能(延滞)通知72.3%、口座残高を確認し  て31.5%、機構(旧日本育英会)からの電話29.4%、親・家族等からの連絡11.6%、債権回収会社からの連絡8.0%、連帯保証人・保  証人からの連絡7.5%、その他2.8%

(3)奨学金はどのように役に立ったか

無延滞者に対し、奨学金がどのように役に立ったかを質問した。
「家計の負担を軽減できた」が71.1%で最も高く、次いで「奨学金のおかげで進学可能となった」が58.1%となっている。

図4-3 奨学金はどのように役にたったか(あてはまるものを全て選択)

図4-3 奨学金はどのように役に立ったかグラフ;無延滞者(3,115人)家計の負担を軽減できた71.1%、奨学金のおかげで進学可能  となった58.1%、修学費に充てる金額を多くできた31.5%、アルバイトの時間を減らすことができた22.7%、その他1.8%

5 日本学生支援機構の奨学金制度に対する認知状況等

(1)減額返還制度の認知状況

減額返還制度について、「知っている(「よく知っている」+「だいたい知っている」)」と回答した者は、延滞者20.7%に対し、無延滞者37.1%で、無延滞者の方が16.4%高い。

図5-1 減額返還制度の認知状況(択一)

図5-1 減額返還制度の認知状況グラフ;延滞者(2,888人)よく知っている3.6%、だいたい知っている17.1%、あまり知らない30.3  %、知らない49.0%/無延滞者(3,061人)よく知っている4.3%、だいたい知っている32.8%、あまり知らない25.0%、知らない  37.9%

(2)日本学生支援機構からの情報提供

図5-2-1 日本学生支援機構からの情報提供(択一)

図5-2-1 日本学生支援機構からの情報提供グラフ;延滞者(平成27年度)十分だと思う25.4%、どちらともいえない43.8%、十分と  は思わない30.8%/無延滞者(平成27年度)十分だと思う35.9%、どちらともいえない43.7%、十分とは思わない20.4%

図5-2-2 日本学生支援機構からの送付文書類の閲覧状況(択一)

図5-2-2 日本学生支援機構からの送付文書類の閲覧状況グラフ;延滞者(平成27年度)見る77.6%、見ない18.3%、届いていない・  その他4.1%/無延滞者(平成27年度)見る84.9%、見ない13.6%、届いていない・その他1.5%

図5-2-3 日本学生支援機構のホームページの閲覧状況(択一)

図5-2-3 日本学生支援機構のホームページの閲覧状況グラフ;延滞者(平成27年度)見たことがある29.4%、見たことはない60.0%  、見ることができない・その他10.6%/無延滞者(平成26年度)見たことがある46.7%、見たことはない50.6%、見ることができな  い・その他2.7%

図5-2-4 スカラネット・パーソナルの認知状況(無延滞者のみ)(択一)

図5-2-4 スカラネット・パーソナルの認知状況(無延滞者のみ)グラフ;(平成27年度)よく知っている9.1%、だいたい知っている24.1%、あまり知らない26.8%、知らない40.0%

お問い合わせ

独立行政法人日本学生支援機構 奨学事業戦略部 奨学事業戦略課
  • 〒162-8412 東京都新宿区市谷本村町10-7
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