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支援ガイド_聴覚_入学準備

入学前相談の実施
(ニーズの把握、関係機関への周知)

 聴覚障害のある学生の入学が決まったら、いよいよ本格的な支援内容の検討に入ります。支援内容の決定には、まず本人のニーズ把握が重要です。また、入学前相談の場は本人の障害状況を知り、今後の支援について意識統一を図る良い機会にもなりますので、必要な関係者を招集し、支援体制構築のための良いスタートとしたいところです。

【事前準備】

入試課からの引継ぎ
聴力の程度やコミュニケーション方法、入試における配慮事項等、すでに得ている情報を引き継ぎ、関係者で共有する。
相談事項の把握
高校までの教育環境や大学で受けたいと思っている支援の内容があれば、インテークシート等を用いて事前に把握し、ある程度対応を検討しておく。

学部へのヒアリング
教育カリキュラム上、聴覚障害があることで大きな障壁になる科目がないかを事前に確認し、必要であれば対応を検討しておく。
他大学の情報収集
本人がなんらかの支援を希望している場合、他大学での対応状況などを調査。障害学生支援の方法について情報発信している機関などの情報も参考にできる。

2週間前

出席者の決定と依頼
ある程度状況が把握できたら、相談に参加する出席者を検討。本人の様子を理解し、入学後の支援にスムーズに乗り出せるよう、教員側・事務側双方に意思決定のできる立場にある方の同席を求め、意識形成を図る。
<一般的な参加者>
職員:学生課(課長、担当職員)、教務課(課長、担当職員)
教員:学部・学科長、学生担当、クラス担任等
(この他、必要に応じて保健管理センター担当教員、教務主任、語学担当教員、 ボランティアサークル代表、障害学生支援担当者、障害専門の教員、障害学生支援に関する専門家、外部の専門家等)
コミュニケーション手段の確認
補助者・情報保障者の手配
必要な用具・機材の準備(紙・ペン・ホワイトボード等)
相談時のコミュニケーション手段を確認し、情報保障者を確保するなどの準備を行なう。

当日

コミュニケーションに配慮して面談の実施
双方の話が確実に通じているか確認しながら面談を進める。
本人のニーズの把握
必要な支援内容の確認
支援手段ごとの担当者決定
実際の相談場面では、本人のニーズを把握するとともに、支援にあたって何をどのように進めていくかを話し合う。支援手段ごとに責任の所在をはっきり決め、誰を中心に支援体制を作っていくのかを明らかにすることが重要。
今後の対応窓口について確認
この時期の学生はまだ大学の授業そのものに対するイメージを持っていないため、入学後、授業に出て初めて具体的なニーズが出てくることも少なくない。何かあったときに相談をもちかけやすいよう、対応窓口を明確にしておくと良い。

面接終了後

具体的な実施方法についての話し合い
関係部局との連絡調整
支援実施に向けた取組

支援の必要性は、障害の程度や場面によって変わってきます。1対1の会話ではきき取りに問題のない学生であっても、ゼミやビデオの音声になるときき取りづらい場合もあるので、状況に応じたきめ細かな支援が求められます。

こんな工夫もできます
聴覚障害のある学生の多くは、高校まで必要な支援を受けずにきているため、自分に必要な支援の内容を明確に話すことができないことがあります。そのため、できれば事前に大学の授業を見学してもらい、どの程度理解できるのかを確認してもらった上で、相談を実施できると効果的です。また、聴覚障害があると周囲にどの程度の情報があるのかわからないことが多いため、状況が許すのであれば、一度手話通訳やパソコンノートテイク、補聴援助システムなどの支援を試してもらった上で、自分に必要な方法を選んでもらうのも良い方法です。

支援体制の構築
(求められる教育体制、支援体制構築の流れ、支援コミュニティの形成)

 聴覚障害のある学生への支援体制を構築し、機能させていくためには、教員、職員、聴覚障害のある学生、支援学生の四者がそれぞれの役割を果たし、うまく力を合わせていく必要があります。個々の役割や支援体制の在り方は、大学によって異なりますが、一般的な組織では概ね以下のような役割分担がなされています。

教育組織:聴覚障害に対応した教育体制の整備
教育組織では、聴覚障害のある学生の存在を周知させ、当該学生の教育的ニーズや意思を尊重して授業における配慮を検討します。情報保障者が配置される時も、情報保障者が授業担当教員や聴覚障害のある学生をサポートできるような配慮も考えねばなりません。そこで、個々の教員に対する教育上の配慮の必要性を浸透させるとともに、授業方法の効果的な改善をめざしてFD研修などを実施すると良いでしょう。
事務組織:情報保障体制の構築
授業受講上、情報保障者が必要になる場合には、早急に必要な授業数を把握し、情報保障者の確保を行ないます。こうした人員の確保と養成は、聴覚障害のある学生への支援の中でも最も大きな位置を占める部分で、その中心的役割を担うのが学生課や教務課を中心とした事務組織になることが多いでしょう。学部などの教育組織と連携して、より良い支援体制の構築を進めていきたいところです。
聴覚障害のある学生及び支援学生:主体的態度と支援コミュニティの形成
支援体制の構築には、聴覚障害のある学生の学びと成長、支援学生のモチベーション維持と積極的な関わり、両者による支援コミュニティの形成を促進させていくことも重要な要素です。聴覚障害のある学生本人の意志を尊重しながら、両者が支援を通して同じ目的意識を持つコミュニティを形成し、個々が成長していけるよう働きかけます。

情報保障体制の構築とコーディネート
(人員の確保、養成講座の開講)

 情報保障体制の構築とコーディネートは、中等度から重度の聴覚障害のある学生への支援の中で、最も重要な要素の一つです。これには人材の確保や養成、コーディネートといった内容が含まれており、年間を通して様々な業務が発生するため、明確に担当者を決定して対応していく必要があります。また、年度当初から情報保障を行なうためには、できるだけ早く人材の確保を始め、養成講座開講に向けた準備を行なう必要があります。

入学決定後

人材の確保
情報保障の必要な授業数の割り出し
属性に応じた呼びかけ方法の検討
人材の募集と確保
一般的な授業時間割を元に情報保障の必要な時間数を割り出し、必要な人材の数と属性を検討する。
情報保障者は、同じ授業を受講した経験のある学部の先輩の中から募集するのが効果的だが、場合によってはボランティアサークルに呼びかけたり、他学部や地域住民の支援を募ることもある。

人材確保の方法例
・学内各所へのポスター掲示
・学生向けウェブサイトやメーリングリストへの投稿
・授業における呼びかけ
・教員を通じた呼びかけ
・近隣大学への呼びかけ
・学生会やサークルを通じた呼びかけ
・地域サークルへの呼びかけ
・地域情報誌への掲載
・社会福祉協議会、ボランティアセンターへの依頼

1月から3月

<養成講座の開講準備
開催時期の決定
予算の確保(講師謝礼金、情報保障者謝礼金、消耗品費、テキスト代等)
講師の確保
講座の回数や時間は様々だが、1日から3日の集中講座で最低限の知識と技術を身につけるのが一般的。
講師の確保については地域の社会福祉協議会や聴覚障害者情報提供施設、聴覚障害者協会、聴覚障害のある学生への支援経験がある大学等に相談。
情報保障者の確保
講座に聴覚障害学生が参加する場合には、必要な情報保障手段を相談し、情報保障者を確保する。
地域の派遣制度も利用可能(有料)

教室の確保
必要な備品や消耗品の準備
一般的なプロジェクターや講師が用いる視聴覚教材の再生機の他に、ノートテイクの講座の場合には参加者分の紙とペン、パソコンノートテイクの講座の場合には練習用のパソコンの用意が必要。
詳細は講師と要相談。

3月末~4月上旬

養成講座の開講
情報保障者の登録
聴覚障害のある学生の時間割把握
養成講座が終了したら、支援者ならびに聴覚障害のある学生の時間割に基づきシフトを作成する。
情報保障者の知識や力量を鑑み、できるだけ質の高い支援が行なえるように検討する。

シフト作成上の留意点
・上級生や当該科目を履修済みの学生を確保し、必修科目や語学、専門科目等に優先して配置する
・経験者と初心者をペアにして配置したり、得意科目をうまく生かせるような組み合わせにする
・支援に関するルールを設定し、支援学生の負担にならない形を考える

ルールの例
・支援担当は週2コマ、1日1コマまでとする
・担当職員と聴覚障害学生、支援学生を交えたメーリングリストを作成し、日々の連絡に用いる
・休講や本人が欠席する時は、聴覚障害のある学生から担当職員と支援学生の両方にメールをする
・支援学生が欠席する時には、メーリングリストを使って代理を探す
・ただし、代理が見つからない場合や緊急時には担当職員に連絡する

支援学生への連絡
聴覚障害のある学生への連絡
顔合わせ会の実施
支援体制が決定したら、聴覚障害のある学生に連絡するとともに顔合わせ会を実施しておく
この際に支援に関するルールも周知すると良い。
教育組織・授業担当教員への連絡
教員には聴覚障害のある学生の状況と、どの授業にどんな支援がつくことになったのかを知らせ協力を仰ぐ。

授業開始

聴覚障害のある学生・担当教員との顔合わせ
紙やペン・機材等の受け渡
授業における支援
授業前の休み時間に担当教員と聴覚障害のある学生を引き合わせ、挨拶しておく。
支援学生には紙やペンを渡し、実際の支援を行なってもらう。

学期はじめ ・シフトの決定
・支援学生への連絡
授業当日 ・紙やペン・機材等の受け渡し
・聴覚障害のある学生・担当教員との顔合わせ
・授業における支援
授業終了後 ・教員を交えた振り返り
・報告書の提出
一ヵ月後 ・謝金の支払い
学期末 ・懇談会の実施
・スキルアップ講座

授業終了後

教員・聴覚障害のある学生・支援学生による振り返り
報告書提出(支援学生または聴覚障害のある学生)
支援学生・聴覚障害のある学生へのフォローアップ
授業終了後の休み時間には、教員・聴覚障害のある学生・支援学生の三者で振り返りを行ない、次回授業に向けて必要な措置を検討する。学期当初はできるだけ職員も同席すると良い。時間が足りない場合は、定期的に教員と相談の機会を設ける例もある。

4月下旬~5月

支援体制に関するフィードバック
シフトの見直し(必要に応じて)
教員との相談
授業開始から2週間から3週間たったら、一度聴覚障害のある学生とともに支援体制に関する見直しを行ない、必要に応じてシフトを修正したり、教員との話し合いの機会を設ける。

7月末

定期試験に向けた相談
懇談会の開催(支援学生・聴覚障害のある学生・教職員)
面談の実施(聴覚障害のある学生・教職員)
学年末には定期試験に向けて不安な点はないか確認するとともに、試験終了後、支援学生・教職員を交えた懇談会を開催。前期の状況を踏まえ、今後の支援体制について検討するための面談を実施。【入学前相談の実施】参照

スキルアップ講座の実施
コミュニティ形成に向けた支援
懇談会の内容を踏まえ、スキルアップ講座を開講したり合宿を設けるなどして、支援者のモチベーションを維持しながら支援コミュニティの形成にむけた活動を展開。

・支援学生の抱える不安の解消:聴覚障害のある学生を交えた懇談会の開催、日常的な相談
・スキルアップの機会確保:学生のニーズに応じた養成講座の開催、練習教材の整備
・支援学生同士の仲間意識の形成:新入生歓迎会、クリスマス会等のイベントの開催、合宿の企画
・支援を客観視できる機会の提供:支援体制に関するパンフレット作成、他学生に向けた勉強会の企画
・支援学生に対する評価・賞賛:支援学生の表彰、学内ニュースへの掲載、活動成果の公表

9月末

後期に向けた養成講座の開講
後期シフトの作成

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