独立行政法人日本学生支援機構のサイトです。

「学生生活支援」カテゴリのコンテンツです。

独立行政法人日本学生支援機構のサイト

ここからヘッダーです。サイトタイトルや閲覧に役立つ補助的機能を含むリージョンです。

第4回 聴覚障害学生への修学支援方法(宮城教育大学)

質問コーナー

著者紹介

松崎 丈
【宮城教育大学 特別支援教育講座 講師】
専門は、聴覚障害児教育、障害学生支援(聴覚障害学生支援技術の開発・大学コンサルテーションの実践等)
宮城教育大学障害学生支援プロジェクトでは、聴覚障害学生支援に関わる運営・活動の統括を担当している。
最近は、障害学生支援プログラムが学生支援GPに採用され、音声認識技術や遠隔地通訳等を活用した新たな教育支援システムの開発を進めている。

松崎先生 顔写真

Q.質問

 聴覚障害学生が入学する事になりましたが、本学では今まで聴覚障害学生を受け入れた経験が無いため、支援方法を教えて下さい。

A.回答

(1)聴覚障害学生のニーズを把握しておきましょう。
 入学前の段階で、聴覚障害学生とどのような支援が必要か話し合いします。聴覚障害学生は、支援経験がないことや大学生活について理解していないことが多いので、履修方法や支援内容等を詳しく説明した上で要望を引き出してみましょう。

(2)学内で聴覚障害学生支援を担当する部署・担当者を決めましょう。
 聴覚障害学生支援に係わる様々な立場の教職員が集まって、障害学生本人の要望や支援関係の情報を共有し、全学的にどのような支援体制を作るのか、部署のどこがどのような役割を持つのかを検討しましょう。特に、支援コーディネーターのような専門職員の配置は重要です。

(3)聴覚障害学生支援に関する専門教員及び専門機関に相談しましょう。
 日本学生支援機構障害学生修学支援ネットワークの拠点校では、聴覚障害学生支援体制を構築し、先進的な取り組みを展開しています。遠慮せずにご相談ください。

(4)手書きノートテイクによる支援を行う場合
 手書きノートテイクの質を維持・向上させるためには、支援者の確保や円滑な派遣を行うだけでなく、支援者の養成・研修の体制作りについても取り組む必要があります。初心者対象の講座、経験者対象の練習会・反省会などがありますが、手書きノートテイク関連の文献でたくさん紹介されているので、有効活用しましょう。

宮城教育大学の障害学生支援

全学的な支援体制

 本学では、特別支援教育総合研究センターが設置され、全国有数の全ての障害領域(視覚障害領域・聴覚障害領域・知的障害領域・肢体不自由領域・病弱領域)に対応できる特別支援教育を専門とする教員が揃っています。この専門教員の専門性を発揮させ、かつ学生との相互協力で弾力的で速やかな対応を実施できるような支援体制を作っています(図1 ※クリックすると大きな図が出ます)。

(1)障害学生支援プロジェクト
 障害学生支援プロジェクトの本部(ワーキンググループ)は、副学長・学務主幹・教務支援室長・学生支援に関わる委員等で構成されています。障害学生支援全体に関わる事柄の意思決定及び全学的な相談窓口を担当します。

(2)障害グループ
 本部の下に、障害別に支援するグループを設置して、障害グループ代表教員(その障害の専門教員または障害学生が在籍する専攻教員が担う)が障害学生・支援学生とともに障害学生支援に関わる企画立案・運営を進めます。現在(平成19年度)は、本学に在籍している障害学生で聴覚障害5名、肢体不自由2名、視覚障害1名の計8名が在籍しており、障害学生全員からの支援申請を受けて、「聴覚障害グループ」、「肢体不自由グループ」、「視覚障害グループ」の3つを設置しています。

(3)障害学生支援コーディネーター
 障害学生支援コーディネーターを2名配置し、障害グループの実質的な支援業務をサポートします。主に障害学生及び支援学生の相談窓口、支援学生の確保と養成・派遣調整を担当します。2名とも宮城教育大学卒業生で、学生時代にノートテイク活動を経験しています。

聴覚障害グループの取り組み
(1)聴覚障害学生のニーズ把握とエンパワメント
 聴覚障害学生のニーズは個々さまざまです。聴覚障害学生のニーズ把握では、学生自ら申請できるニーズだけでなく、聴覚障害領域の専門教員からみて潜在的に持っていると思われるニーズも捉えて個々に応じた支援の方針やプランを検討します。例えば、聴覚活用が可能な場合は、聴覚障害学生の聴覚活用の程度をヒアリングし、補聴器だけでなく他の機械も用いた聴覚補償支援について説明し、実際に聴覚補償支援を経験させることで、自らのニーズや支援方策を見出すように支援します。

(2)支援学生の確保・養成
 聴覚障害学生に対する情報保障では、ノートテイク、OHCによるノートテイク、手話通訳を実施しており、支援学生はノートテイクとOHCノートテイクの両方を実施し、手話通訳は地域の手話通訳者を派遣してもらっています。支援学生の確保・養成では、障害グループ担当教員、支援コーディネーター、学生が分担して行います。特に養成に関しては、障害学生と支援学生の主体性と相互協力を促す絶好の場なので、学生主体の活動と位置づけ、教員と支援コーディネーターは学生をサポートする立場で進めています。

(3)教職員・学生の啓発・研修
 聴覚障害グループで「聴覚障害学生支援:教職員のための手引き」を開発・配布しました(関連URL参照)。また、大学の業務の一環である総合防災訓練で障害学生の緊急避難時の訓練も併せて行いました。全学生に対しては、「特別支援教育概論」を全課程1年次の必修科目として設置し聴覚障害も含む全ての障害領域に関わる講義やキャップハンディ体験をしたり、障害学生支援プロジェクトのパンフレット配布やポスター掲示を行うことで、支援学生を確保しています。
平成20年1月掲載

ピックアップ

  • イベントカレンダー
  • 教職員のための障害学生修学支援ガイド