採用者のレポート(平成19年度)Englishページへ

●シン・ミン・チョル 准教授

シン准教授(右)、丹羽教授(左)

 

◆◆プロフィール◆◆ 

国籍 韓国
日本留学時の学歴 1992年4月〜1993年2月
四国学院大学文学部 (交換留学)
1996年4月〜1998年3月
名古屋大学文学研究科 (修士)
1998年4月〜2001年3月
名古屋大学文学研究科 (博士)
現在の所属/職位 韓南大学校 / 准教授

 写真: シン准教授(右)、丹羽教授(左)

 

 

◆◆研究報告◆◆

受入れ期間 2007年12月19日〜2月27日 (71日間)
受入れ大学 四国学院大学
専攻分野 日本語学
研究課題 日韓両言語の語彙における漢語の影響
近況(研究活動、
研究者交流など)
私の研究テーマは、日本語と韓国語の比較語彙研究です。比較語彙研究は、名古屋大学の指導教官である田島毓堂先生(2004年定年退官。現在は愛知学院大学教授)が提唱されているもので、語彙の比較を通して文化の差まで見ることを目指しており、言語内事実だけでなく言語外事実にも視野を広げた新たな研究方法です。2001年2月に帰国してからも語彙研究会(代表田島毓堂)主催のシンポジウムなどに積極的に参加して研究成果を発表したり、研究者間の交流を深めたりしています。今回の短期研究では新聞社説の語彙を用いた比較を行っていますが、特に日韓両言語の漢語の影響の度合いの差とその原因について考察しています。研究指導者の丹羽章先生には色々な貴重なご意見を頂きました。
本制度の印象と貢献 留学が終わって帰国した後は色々な理由で時間的な余裕をもって研究に取り組むのはなかなか難しいと思います。そのような中で、経済的支援を受けながらじっくり研究に専念できる大切な時間を頂いて心から感謝しています。特に、四国学院大学と韓南大学校が姉妹関係を結んで今年でちょうど30周年を迎えますが、そのような記念すべき年に、交換留学でお世話になった四国学院大学に再び短期研究で来させていただき、色々な方と交流できたことは、これから両校の交流をますます深めていく上で非常に役に立つと思います。71日間という短い期間ではありますが、研究だけでなく色々な意味でとても有意義な時間であったと思います。

 

◆◆日本への留学について◆◆

日本留学の動機・印象・思い出、帰国後の日本との関わり合いなど 交換留学生の時は丹羽先生のゼミで日本文学について色々なことを教えていただき興味もありましたが、学問的な研究としては日本語学の方にもっと興味があり、自分にもそれが向いていると思われたので、大学院は日本語学の方に進みました。日本語学はいくつかの分野に分かれますが、そのうち、語彙研究に最も関心と興味がありました。しかし、単に語彙のみの研究に留まらず、その研究を通じて言語を取り巻く色々な面も見たかったので、名古屋大学の田島先生のもとで、それに適した比較語彙研究を始め、現在に至っています。帰国後も語彙研究会の会員として活動しており、今まで語彙研究会の主催で日本、韓国、中国、台湾、インドネシアなどの国で行われた国際シンポジウムにも積極的に参加しています。今後もこのような日本との関わりをずっと持ち続けていきたいと思います。

 

 

 

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●ポンポーンピシット・アランヤ 准教授

ポンポーンピシット・アランヤ博士

 

◆◆プロフィール◆◆ 

国籍 タイ
日本留学時の学歴 1998年4月〜2001年3月
鹿児島大学大学院連合農学研究科
(博士)
現在の所属/職位 チュラロンコン大学/准教授

 

 

 


◆◆研究報告◆◆

受入れ期間 2008年1月2日〜3月31日 (90日間)
受入れ大学 東京海洋大学
専攻分野 魚病学、環境毒性学
研究課題 豆乳に含まれる植物性エストロジェンがメダカの生殖に与える影響
近況(研究活動、
研究者交流など)
現在私は、タイのチュラロンコン大学の獣医科学部獣医学科で准教授をしています。観賞魚の健康へ環境がおよぼす影響のほか、観賞魚の疾病の診断や治療と管理に関する研究に携わっています。私は以前の研究で、インドのアーモンドの葉から取り出した抽出液を作用の穏やかな収れん剤として使い、観賞魚の皮膚の傷を治療できることを発見しました。現在は、大豆のイソフラボンによるゼブラフィッシュの性分化阻害作用に興味をもっています。この研究の結果が出れば、大豆の別の側面を指摘することができ、大豆の摂取によるマイナスの影響について人々に注意を促すことができるようになるでしょう。
本制度の印象と貢献 JASSOの援助により、研究者は資金と自由な時間を得ることができます。私は3ヶ月間という期間中、すべての活動を行うのに十分な資金と時間をいただくことができました。私自身の研究を計画し実行するのみならず、興味のある場所には野外調査に行くこともできました。けれども最も印象に残っているのはそのような恩恵のことではなく、JASSOと私の担当教授から教わった倫理観でした。私は自分の時間を何の制約もなく過ごすことができました。東京での3ヶ月間、JASSOと担当教授の信頼があったからこそ、私はベストを尽くすことができました。

 

◆◆日本への留学について◆◆

日本留学の動機・印象・思い出、帰国後の日本との関わり合いなど 私は日本の自然や文化、日本の作法が好きです。日本には美しい自然がたくさんあります。食事は美味しいですし、日本人は礼儀正しく、また生活水準と高度な技術にも心を惹かれます。
私は日本との関わり合いを3つの方法で続けています。まず1つ目として、研究の実施と日本学術振興会・タイ学術研究会議(NRCT)合同シンポジウムへの参加を通じて、教授陣との連絡を取り続けております。このシンポジウムはタイと日本の水産学者に向けてタイで毎年開催されているため、私は幅広い分野の知識を新たに仕入れたり交換したりすることができます。2つ目として、私はタイの日本教育フェアに参加いたしました。毎年恒例のこのイベントは日本国際教育協会(2006年度よりJASSOが開催)とタイ国元日本留学生協会(OJSAT)の後援によるものです。私は通訳としてお手伝いしたほか、日本での留学生活について参加者に情報を提供しました。3つ目として、海外の友人たちとEメールや電話で連絡を取り、再会する機会をつくっています。2007年には日本人の友人たちといっしょにベトナムの友人たちを訪ねてハノイに行きました。今回私が東京にいる間には、昔の友人に会うとともに新たな友人をつくる機会にも恵まれました。

 

研究活動中(メダカ孵化の観察)のポンポーンピシット・アランヤ博士受け入れ教員夫妻と(真ん中:ポンポーンピシット・アランヤ博士)

 

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●デデレス・ジーナ・リオ 准教授

デデレス・ジーナ・リオ博士

 

◆◆プロフィール◆◆ 

国籍 フィリピン
日本留学 経歴 1998年4月〜2001年3月
北海道大学大学院農学研究科 (博士)
専攻分野 応用菌学
現在の所属/職位 サント・トーマス大学/准教授


 

 

 

◆◆研究報告◆◆

受入れ期間 2007年11月15日〜2008年2月12日 (90日間)
受入れ大学 北海道大学
研究課題 糸状菌のマンガン過酸化酵素による発酵工業からの廃液の脱色
近況(研究活動、
研究者交流など)
私は、現在、フィリピンのマニラにあるサント・トーマス大学理学部の学部生・大学院生を相手に教鞭をとりながら、バイオレメディエーション(生物による環境修復技術)について研究を続けています。理学部生の中には、卒業論文のために、あるいは更に実習を続けるために、私のもとで共に研究している者もいます。彼らの研究成果は大学で開催されるサイエンスフェアーでポスター発表をしています。また、フィリピン国内の科学フォーラムで研究発表を行っている者もいます。私が現在行っている研究の予備段階の結果は、実は指導学生らとの協力で得られたものです。この研究のデータはすでに十分集まっており、発表できる段階にあります。
本制度の印象と貢献 北海道大学農学部にて調査研究をまとめられる機会に恵まれたことは、私にとって大変ありがたいことでした。と申しますのも、実験に必要な設備および材料がすぐに使える状態にあったからです。また、研究室に備えられた先端的な機器類のほかにも、多くの情報や関連論文の掲載された学術誌を閲覧できたため、より高度な研究ができました。環境に恵まれ、研究に必要なデータをそろえることができ、研究成果を国際的な学術誌で発表できました。フィリピンに帰国してからは、研究室の設備が悩みの種でした。研究室の設備では、思うように結果が出せないのです。もっと研究を進めたいと心から思っていた私にとって、日本で学んだかつての留学生に、このようなチャンスを与えてくれる本制度は、願ってもないものでした。本制度のお陰で調査研究を完成させることができただけでなく、以前学んだ大学を訪ねてフィリピンで在職中の大学との間に交換留学制度を開設することができました。今度は、日本の修士課程で学びたいという学生を、日本へ送り出すことを楽しみにしています。

 

◆◆日本への留学について◆◆

日本へ留学した理由、日本留学時の思い出、日本の印象、帰国後の日本との関わり合いなど 私は常々、日本の皆さんは礼儀正しく勤勉で何かをやろうとしている者にとても親切にしてくださるという印象を抱いています。4年間札幌で過ごしたことで、私は日本の文化や生活様式が大好きになりました。孤独にさいなまれ、ホームシックにかかってばかりいた私ですが、日本で過ごした数年間は、確かにとても実り多いものでした。私が自信や独立心を持てるようになったのは、日本で勉強したからこそです。帰国後も、指導教員の先生方とは常に連絡を取って参りましたし、とりわけ学会など会議でマニラにいらっしゃる時は必ずお会いしています。このような恒常的な交流を持たせて頂いているからこそ、研究に必要な材料について援助をお願いできましたし、サント・トーマス大学への訪問に応じて頂くこともできました。

 

研究活動中のデデレス・ジーナ・リオ博士研究室にて

 

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●サントス・セウソ・アウグスト・ギマランエス 准教授

サントス・セウソ・アウグスト・ギマランエス 准教授 (京都大学に向かう途中、多々羅大橋にて)

 

◆◆プロフィール◆◆ 

国籍 ブラジル
日本留学 経歴 1992年4月〜1994年3月
愛媛大学大学院理工学研究科 修士
1994年4月〜1997年3月
愛媛大学大学院理工学研究科 博士
専攻分野 水資源
現在の所属/職位 ブラジル連邦立パライバ大学/准教授


 

 

 

◆◆研究報告◆◆

受入れ期間 2007年9月24日〜2007年12月22日 (90日間)
受入れ大学 愛媛大学
研究課題 ウェーブレット変換による降雨・流量時系列の解析
近況(研究活動、
研究者交流など)
私は現在、ブラジル国立パライバ大学(UFPB)で准教授の立場にあり、大学で土質力学、大学院で応用水文学と水文モデルを教えています。都市・環境工学卒業プログラムのコーディネータも担当しております。研究対象は、土壌侵食のモデル化、降雨流出・土壌侵食の予測、水資源に関する国内情報システム、地理情報システム(GIS)、雨水利用、ウェーブレット変換による時系列解析などです。現在これらのテーマに関し、国の研究助成機関 (CNPq:国立科学技術開発審議会、FINEP:科学技術金融公社 等)の支援を受けた複数の研究プロジェクトを私自身が取りまとめています。また、Journal of Urban and Environmental Engineering (都市・環境工学誌) の編集委員の任も担っています。
本制度の印象と貢献 本制度は、以前日本に滞在したことのある留学生に対して、日本の大学の専門家のもとで短期研究を行う貴重な機会を与えるものであり、またその留学生の自国での教育、研究、行政の発展を支えると同時に、日本の大学の科学研究と国際交流の進歩にも貢献する、素晴らしい制度だと思います。特にブラジルの場合には、日本から遠く離れているため、本制度のもと日本に戻って最長3ヶ月間滞在できるなどというチャンスはまずありません。実際、私が6年前に留学を終えてから日本に来るのはこれが初めてです。

 

◆◆日本への留学について◆◆

日本へ留学した理由、日本留学時の思い出、日本の印象、帰国後の日本との関わり合いなど 日本とブラジルがUFPBでJICAを通じ協力プログラムを開始したとき、私は6歳でしたが、私の父はたまたま、ブラジルに1年間滞在した最初の日本人教授と親しい友人になり、その後任の方々とも親しくなりました。この協力プログラムは20年間続いたため、私は日本の文化その他に常に接していました。このため、私が博士課程を修める外国を選ぶ際には、日本以外に思いつきませんでした。私は5年間のつもりで来日しましたが、日本学術振興会の外国人特別研究員に採用され、その後愛媛大学でも准教授になったため、日本に10年間滞在し、ブラジルには2001年に帰国しました。私には可愛い息子が3人いますが、みな生まれは松山です。ですから我が家にとって日本は常に人生の一部であり続けるでしょう。いつの日か、両親の日本留学中に生まれた子どもに対する特別な制度ができるといいですね。

 

 

 

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●マター・メベロ 講師

 

マター・メベロ 講師◆◆プロフィール◆◆ 

国籍 ザンビア
日本留学 経歴 1993年4月〜1995年3月
鹿児島大学大学院農学研究科 修士
1995年4月〜1998年3月
鹿児島大学大学院農学研究科 博士
専攻分野 園芸学
現在の所属/職位 ザンビア大学/講師


 

 

 

 

◆◆研究報告◆◆

受入れ期間 2007年9月3日〜2007年11月30日 (89日間)
受入れ大学 鹿児島大学
研究課題 果樹の接ぎ木方法の違いによる穂木の生育と炭水化物含量との関係
近況(研究活動、
研究者交流など)
私は、現在ザンビア大学で、園芸学および植物生理学の講師をしています。研究活動では、施肥量の改善、新規台木と穂木の相互関係、接ぎ木方法の改善などについて明らかにし、それらの成果をもとに果樹の生産性向上技術開発、有用野生植物の多様性評価と栽培化などを行っています。また、現在は「栄養繁殖性作物の繁殖および移植の効率化と安全性」に関する研究開発プロジェクトに着手しています。このプロジェクトの目的は、繁殖材料の生産性や耐病虫害性の評価と繁殖効率の向上や栄養繁殖確立のための「健全母樹の認証プログラムの確立」などです。
本制度の印象と貢献 日本の大学のトレーニングプログラムを受ける研究者を支援する意味で、この制度は有意義だと思います。研究終了後、母国に帰国すると大学院での研究中には分からなかった多くの責任と課題に直面します。交換制度で再度来日する機会があると、知識を深め、新しい技術を身につけ、参考文献(電子ファイルや、他の様式のもの)にアクセスでき、新たな「つて」や知り合いも増えます。

 

◆◆日本への留学について◆◆

日本へ留学した理由、日本留学時の思い出、日本の印象、帰国後の日本との関わり合いなど 日本で勉強しようと思ったのは、学術的な興味と、社会的・文化的な興味があったからです。日本が発展途上国から破竹の勢いで発展したことを考えると、国家が発展していくために、国は何をすべきかを考える良い手本になると考えていました。学術的な観点から見ると、確立された園芸産業と、強力な研究開発というイメージがあり、そこも魅力に感じました。日本に滞在し研究したことで多くのことを学びました。また、国は発展しながらも同時に社会、文化、伝統的な価値、アイデンティティを保持できるのだと分かりました。日本人の礼儀正しさや美しい風景など多くの楽しい思い出があります。もともと読書は好きでしたが、吉川英治、谷崎潤一郎、大江健三郎などの作品も楽しく読むようになりました。日本滞在時代の友人や同僚とは今でも連絡を取っています。

 

 

 マター・メベロ博士(研究活動:現地農家調査)  マター メベロ博士(園芸学会出席)

 

 

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● 程 華 (テイ カ) 准教授

程華博士

 

◆◆プロフィール◆◆ 

国籍 中国
日本留学 経歴 1998年4月〜2002年3月
同志社大学大学院経済学研究科 博士
専攻分野 経済政策
現在の所属/職位 中国人民大学経済学院/准教授


 

 

 

 

◆◆研究報告◆◆

受入れ期間 2007年7月16日〜2007年10月8日 (85日間)
受入れ大学 同志社大学
研究課題 日本における電子マネーと金融業務の電子化
近況(研究活動、
研究者交流など)
中国に帰国後も、同志社大学での研究を継続し、人民大学でその研究に関連する授業を受け持っています。常に感じていることは、同志社大学での研究が私の学究生活で大変重要な役割を果たしているということです。同志社大学在学中は、長期間にわたって研究に集中できただけでなく、日本での研究のおかげで、現在でも、日本や他国の研究者と連絡を取る機会を与えてくれるからです。
本制度の印象と貢献 卒業後、会議や他のプロジェクトの関係で毎年日本を訪れていますが、滞在期間が短いため、情報収集や連絡を取りたい研究者の方と会う機会はありませんでした。このプログラムのおかげで、時間、金銭的なサポート、自由に研究を選択できるという私の希望が叶えられました。とくに、私の研究(電子マネーおよび電子バンキング)が日本で驚くような変化を遂げていますので、この3ヶ月の滞在中、研究が大幅に進歩すると考えています。

 

◆◆日本への留学について◆◆

日本へ留学した理由、日本留学時の思い出、日本の印象、帰国後の日本との関わり合いなど 日本に留学する特別な理由はありませんでしたが、この4年間のおかげで、日本が大好きになりました。現在では、日本のテレビ番組を頻繁に視聴しますし、日本の小説も読んでいます。日本留学中に知り合った多くの人は、今や私の親しい友人となり、私を大いにサポートしてくれています。現在、人民大学と京都大学、早稲田大学、一橋大学などの経済学部とは協力関係にあります。こうした機会を通じて、日本語の実践練習もしていますし、研究者とも頻繁に連絡を取り合っています。

 

 

研究活動(程華博士、同志社大学)

 

 

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