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2011年10月作成

スイス大学留学の手引き

1. はじめに

この手引きは、スイスの高等教育機関に留学を希望する方々のために書かれたものです。各情報・データは作成時(2011年10月)における一般的な状況で、学校・地域により、また、時期により異なる場合もありますので、最新・個別の情報については必ず教育機関およびこの資料の中でご紹介している「国内の公的な情報提供機関」「関連ホームページ」でご確認ください。
なお、この手引きの中で、例としていくつかの教育機関を取り上げていますが、あくまで一例示であり、特にそれらを推薦する趣旨ではありません。
※スイスにおけるドイツ語研修については、別資料「ドイツ語研修の手引き」をご覧ください。

 

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2. 留学概要

費用のレート計算は外国為替情報ページ(例:http://jp.reuters.com/investing/currencies)で参照できます。レートは常に変動していますのでご注意ください。

学校の種類
総合大学:10校、連邦工科大学:2校、専門大学:9校、その他、教員養成大学など
在学期間 学士課程:3年
修士課程:1.5〜2年
博士課程:2〜5年程度 
学年度 2学期制 (2011/2012年度の例)
秋学期:2011年9月19日〜12月23日
春学期:2012年2月20日〜6月1日
※CRUS(「12. 関連ホームページ」参照)の指針としては上記の通りだが、大学により異なる場合あり
応募資格 学士課程:日本の大学入学試験に合格、現地で行う入学試験に合格など。各大学が個別に設定(「5.留学条件・資格、語学力」参照)
修士課程:学士号取得
博士課程:修士号・Lizentiat/Licence・Diplom/Diplome取得
※大学や専門分野により入学制限あり
必要な語学力 地域によりドイツ語、フランス語またはイタリア語
課程や専門分野により英語
出願方法・選考方法

一般的な出願書類を提出、入学試験(「5. 1. 入学資格」「6. 留学手続き」参照)

出願期限

総合大学・連邦工科大学:各大学により指定されており、CRUSのホームページに一覧表あり
専門大学:各大学が指定

入国・滞在手続き

3か月以上の滞在は、原則として、スイスへ渡航前に現地のカントン(州)の担当局に滞在許可発行確認書を申請、スイスに入国後当該カントンの担当局で正式な滞在許可を取得

授業料 留学生に対して、スイス人学生よりも高い学費を課す大学もある。
留学生の場合、総合大学・連邦工科大学でおおむね1,000〜8,000スイスフラン/年
生活費

19,000〜29,000スイスフラン/年

滞在先の種類 寮、アパートなど

 

参考資料:

CRUS(Rektorenkonferenz der Schweizer Universitaeten/Conference des Recteurs des Universites Suisses)

在日スイス大使館

UNESCO/IAU Higher Education Systems

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3. スイスの高等教育制度

スイスの高等教育機関には、カントン(州)立の総合大学、連邦工科大学、主に公立の専門大学、その他教員養成大学などがあります。総合大学・連邦工科大学・教員養成大学へ入学するためには、中等教育修了時に、大学入学資格であるgymnasiale Maturaを取得するか、職業教育の修了資格であるBerufsmaturitaetを取得後補足の試験に合格しなければなりません。専門大学に入学するためには、Berufsmaturitaet を取得するか、gymnasiale Matura 取得に加えて1年間の就労経験が求められます。

大学の学年は、2学期制をとっています。CRUS(「12. 関連ホームページ」)の指針により、秋学期は38〜51週目(2011/2012年の秋学期は2011年9月19日〜12月23日)、春学期は次の年の8〜22週目(2011/2012年の春学期は2012年2月20日〜6月1日)となっていますが、大学により日程が異なる場合もあります。

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4. 大学の種類と学位

  1. 種類
    スイスには総合大学が10校、連邦工科大学が2校、専門大学が9校、教員養成大学が14校あり、その他にも公私立の教育機関が存在します。
    地域によって使用言語が異なるという国の特性(国民の63.7%がドイツ語を、20.4%がフランス語を、6.4%がイタリア語を、残りがロマンシュ語を含むその他の言語を使用)から、高等教育機関でも、所在する地域によって、教授言語が異なります。
  1. 総合大学、連邦工科大学
    スイス国内で博士号を授与することができる教育機関で、幅広い種類の専門分野を学ぶことができます。それぞれの大学が提供する課程はCRUSのホームページ(「12. 関連ホームページ」)から確認することができます。

    ドイツ語圏: Universitaet Basel、Universitaet Bern、Universitaet Luzern、Universitaet St. Gallen、Universitaet Zuerich、ETH Zuerich(Eidgenoessische Technische Hochschule Zuerich)
    フランス語圏: Universite de Geneve、Universite de Lausanne、Universite de Neuchatel、EPFL Lausanne(Ecole Polytechnique Federale de Lausanne)
    ドイツ語圏・フランス語圏: Universitaet Freiburg(ドイツ語名)/Universite de Fribourg(フランス語名)
    イタリア語圏: Universita della Svizzera italiana/University of Lugano(英語名)
  2. 専門大学
    学生や雇用状況のニーズに対応した、より実践的な教育を行う高等教育機関で、工学、IT、建築、ビジネスといった専門分野に加えて、音楽や芸術を学ぶことも可能です。また、それぞれの専門大学は、複数の学校(Hochschulen/Hautes Ecoles)や学部から成ります。ほとんどの専門大学が提供する課程は、KFH(Rektorenkonferenz der Fachhochschulen der Schweiz:スイス専門大学学長協議会)のホームページ「12. 関連ホームページ」)から確認することができます。

    ドイツ語圏: Berner Fachhochschule、Fachhochschule Nordwestschweiz、Fachhochschule Ostschweiz、Hochschule Luzern、Zuercher Fachhochschule、Kalaidos Fachhochschule
    フランス語圏: Haute ecole specialisee de Suisse occidentale、University of Applied Sciences Les Roches Gruyere
    イタリア語圏: Scuola universitaria professionale della Svizzera italiana
  3. 教員養成大学
    全14校のうち、12校が独立した機関で、2校は専門大学の一部分として位置づけられています。COHEP(Schweizerische Konferenz der Rektorinnen und Rektoren der Paedagogischen Hochschulen/Conference suisse des rectrices et recteurs des hautes ecoles pedagogiques:スイス教員養成大学学長協議会)のホームページ「12. 関連ホームページ」)で、それぞれの教員養成大学が提供する課程を確認することができます。
  4. その他
    以上に加えて、特定の専門分野に特化した課程を提供する公的な教育機関(GeneveにあるIHEID: Institut des hautes etudes internationales et du developpement、LausanneにあるIDHEAP: Institut de hautes etudes en administration publique、SionにあるIUKB: Institut Universitaire Kurt Boesch、BrigにあるStiftung Universitaere Fernstudien Schweiz)があります。
    その他、スイスには多くの私立のカレッジも存在しますが、そこで取得した単位や学位は、スイス国内で認められないこともあります。このようなカレッジに入学を希望する場合は、単位や学位の認定について事前に十分確認してから留学手続きを進めるようにしてください。
  1. 学位
    他のEU諸国同様、スイスでもボローニャ宣言(詳しくは欧州評議会のホームページ:「12. 関連ホームページ」参照)による大学改革が進められました。新しい制度下では、ECTSという単位制度が導入され、学位課程は学士課程(180単位を取得して修了)、修士課程(90単位または120単位を取得して修了)、博士課程の3段階に分かれます。  
    博士課程には、上記の修士号を得てはじめて進むことが可能となります。
    大学院レベルのその他の課程で、MAS(Masters of Advanced Studies、60単位を履修するか、1年間のフルタイムの学業を修了)なども取得することができますが、このMASの取得のみでは博士課程に進むには不十分です。

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5. 留学条件・資格、語学力

  1. 入学資格
    総合大学と連邦工科大学への留学条件・資格は、各大学が出願者の出身国別に設定しており、CRUSのホームページ(「12. 関連ホームページ」)から確認できるようになっています。以下、日本人向けに提示された入学資格例を挙げます。

    Universitaet Basel: 日本の高校を5段階評価で3以上の成績で卒業し、Universitaet Baselでの専攻分野と同じ分野の学部で日本の大学の入学試験に合格、さらにVKHS/CIUSがFreiburg/Fribourgで実施する統一試験(後述)に合格
    Universitaet Fribourg: 日本の高校を5段階評価で3以上の成績で卒業し、日本の大学の入学試験に合格、さらにVKHS/CIUSがFreiburg/Fribourgで実施する入学試験(後述)に合格
    EPFL Lausanne: 日本の高校を卒業し、EPFL Lausanne独自の入学試験に合格

    専門大学では、通常、それぞれの大学の学校・学部が入学資格を設定しています。ソーシャル・ワークや芸術といった専門分野の場合、大学独自の入学試験に合格しなければなりません。

  1. 語学力
    総合大学と連邦工科大学に留学するためには、言語圏により、ドイツ語、フランス語、イタリア語の語学能力が必要です。通常は出願時にそれぞれの大学で求められている語学能力を証明できなければなりません。事前に語学検定試験の結果などで語学力を証明できない場合は、大学独自の語学試験を受験するよう求める大学もあります。ただし、その語学試験に合格するためには、中級レベルの語学力は必要とされます。
    CRUSのホームページ(「12. 関連ホームページ」)の「Sprachliche Anforderungen」に、各総合大学と連邦工科大学が求める語学力の一覧表があるので、ご参照ください。
    なお、専門大学向けにはそのようなリストはありませんので、各大学のホームページで確認してください。
    近年、英語で受講可能なコースも特に修士課程では数多く開講されており、CRUSやKFH(Rektorenkonferenz der Fachhochschulen der Schweiz:スイス専門大学学長協議会)のホームページ(「12. 関連ホームページ」)に、コースのリストがあります。

 

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6. 留学手続き

留学準備に必要な期間は教育機関や留学形態によって異なりますが、大学などへの留学の場合は約1年半前から準備を始めることをお勧めします。

留学を実り多いものにするためには、焦りは禁物です。留学の実現まで無理のない計画を立て、一つ一つのステップを、着実に効率良く進めていきましょう。

留学タイムスケジュール
留学タイムスケジュール

 

  入学資格と大学が求める語学力を満たすことができたら、入学を希望する大学に出願します。オンラインでの出願が可能な大学もあります。総合大学と連邦工科大学の出願締め切りは、CRUSのホームページ(「12. 関連ホームページ」)に大学別・課程別のリストがありますので、そちらで確認してください。専門大学の場合、そのようなリストはありませんので、各自大学のホームページで確認してください。なお、専門大学への入学を目指す留学生は、実際に留学する1年前には、大学とコンタクトをとるほうがよいとされています。

 

以下に、出願時に必要とされる書類の例を挙げます。追加の資料を求められることもありますので、必ず事前に、大学のホームページで確認してください。

  1. 申請書
  2. 大学入学資格(高校卒業証明書、日本の大学の入学試験合格証明書など)
  3. 成績証明書
  4. 履歴書
  5. 語学能力証明書(語学検定試験の結果)
  6. パスポートのコピー
  7. 申請料の支払い証明書

 

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7. 入国・滞在の手続き

3か月以上の滞在を希望する場合は、原則として、スイスへ渡航する前に、留学先の居住地を管轄するカントン(州)の担当局に直接申請して滞在許可発行確認書を得ておき、スイスへ入国後、カントンの担当局で正式な滞在許可を取得することになります。

ただし、留学先の大学がサポートしてくれる場合は日本出発前の申請が不要になることもありますので、必ず事前にカントンの担当局と留学先の大学に確認してください。提出書類については、各カントンのホームページ(「12. 関連ホームページ」)で確認し、疑問点があれば、直接カントンの担当局に問い合わせましょう。

 

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8. 費用

留学生に対して、スイス人学生より高い学費を課す大学もいくつかあります。
留学生の場合、総合大学と連邦工科大学の年間授業料は、おおむね1,000〜8,000スイスフランです。

地域差、個人差はありますが、年間の生活費は19,000〜29,000スイスフランは必要です。なお、基本的に留学生はスイスに半年以上滞在した後、最長15時間/週までアルバイトをすることが可能ですが、アルバイトの収入のみで学生生活を送ることは極めて難しいでしょう。

 住居については、それぞれの大学や都市・地域が、寮やアパートのリストや、検索ができるデータベースをホームページ上で紹介しています。CRUSのホームページでは、そのような情報をまとめて紹介しています(ドイツ語、フランス語のみ)。事前にどういった選択肢があるか、確認してみましょう。

 

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9. 大学間の交換留学

現在日本の大学に在籍している方なら、日本の大学に在籍したまま留学することも可能です。大学により制度が少しずつ異なりますが、大きく分けて次のような方法があります。

【在籍大学の交換/派遣留学制度を利用する】

海外の協定校に1学期〜1学年間程度在籍し、語学研修や正規授業を聴講することができます。留学中に取得した単位を帰国後認めてもらえることが多く、制度によっては留学を含めて4年で卒業することも可能です。


【休学して私費で留学する】

学校を自分で選び、各個人で手続きを行って留学します。協定校以外に私費で留学した場合でも、大学への事前申請により単位が認定されることがあります。学校によっては留学を休学理由として認めないところもありますので、留学方法については在籍校の留学担当課と事前によく相談してください。

 

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10. 奨学金

渡航前の方を主な対象者として日本で募集される奨学金として、以下のものがあります。
留学時期の1年以上前に締め切る奨学金もありますので、留学希望先校から正式な入学許可を得るのを待たず、早めに情報を収集しましょう。


【日本学生支援機構の奨学金】

貸与型の第二種奨学金(海外短期留学)、給付型の留学生交流支援制度(長期派遣短期派遣ショートビジット)があります。いずれも日本の学校を通じて申請しますが、応募資格などの概要は日本学生支援機構のホームページで確認できます。


【大学間の交換留学生への奨学金】

スイスの大学と交流協定を締結している日本の大学で、奨学金を出しているところがあります。在籍大学の留学担当課にお問い合わせ下さい。なお、上記第二種奨学金(短期留学)留学生交流支援制度(短期派遣)同(ショートビジット)への在籍大学を通じての応募も可能です。

【スイス政府奨学金】

内容は当機構のホームページで確認できます。このうち、応募者は欧文書類をスイス大使館奨学金係へ、和文書類を当機構へ提出することになっています。募集要項などのダウンロードもできますので、詳しくは当機構のホームページをご参照ください。

【その他】

当機構では、上記の奨学金も含め、日本で募集される各種奨学金の概要をまとめた『海外留学奨学金パンフレット』を発行しており、当機構のホームページ上に掲載しております。ただし、掲載情報は情報収集時点のものですので、最新の募集内容については、各団体に直接お問合せください。

 

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11. 国内の公的な情報提供機関

機関名 住所 TEL/FAX/E-mail
スイス大使館
(ビザ情報)
〒106-8589
東京都港区南麻布5-9-12
TEL : 03-5449-8400
FAX : 03-3473-6090
tok.vertretung@eda.admin.ch
スイス政府観光局
(観光情報)
   

 

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12. 関連ホームページ

スイス高等教育機関学長協議会(CRUS:Rektorenkonferenz der Schweizer Universitaeten/Conference des Recteurs des Universites Suisses)
スイスの高等教育機関への留学情報。[ドイツ語、フランス語、一部英語、イタリア語]
CRUSが提供する大学のポータルサイト

総合大学と連邦工科大学のプロフィールやそれぞれの大学のコースリスト。[英語]
CRUSが作成した、総合大学と連邦工科大学が提供するコースのデータベース

課程、特定の大学、教授言語、専門分野などから検索ができる。[ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語]
Swissuni

継続教育・社会人教育の情報。専門分野、教授言語、地域、コースの種類、特定の大学などでコース検索ができる。[ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語]
スイス専門大学学長協議会(KFH:Rektorenkonferenz der Fachhochschulen der Schweiz/Conference des Rrecteurs des Hautes Ecoles Specialisees Suisses)

それぞれの専門大学が提供するプログラムのリストや英語で行うプログラムのリストあり。[ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語]
スイス教員養成大学学長協議会(COHEP:Schweizerische Konferenz der Rektorinnen und Rektoren der Paedagogischen Hochschulen/Conference suisse des rectrices et recteurs des hautes ecoles pedagogiques)

それぞれの教員養成大学が提供するプログラムリストあり。[ドイツ語、フランス語、一部イタリア語、英語、ロマンシュ語]
欧州評議会(Council of Europe)のボローニャ宣言から始まったボローニャ・プロセスの説明のページ

[ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語など]

スイス連邦移民局(Bundesamt fuer Migration)

滞在許可の申請先である各カントンの担当局のホームページや連絡先を提供。[ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語]

 

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13. 関連資料

『Studying in Switzerland:Universities』(CRUS発行)
スイスの大学情報が記載されている小冊子。最新版はCRUSのホームページ(「12. 関連ホームページ」)からダウンロード可。[英語]
『Studying in Switzerland:Universities of Applied Sciences』(KFH 発行)
スイスの専門大学情報が記載されている小冊子。最新版はKFHとCRUSのホームページ(「12. 関連ホームページ」)からダウンロード可。[英語]
『Studying in Swizerland:Universities of Teacher Education』(COHEP 発行)
スイスの教員養成大学情報が記載されている小冊子。最新版はCOHEPとCRUSのホームページ(「12. 関連ホームページ」)からダウンロード可。[英語]

 

 

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(2011年10月作成:禁無断転載)