【事例紹介】

事例が起きた時期

平成29年度
発生時期:受験時

事例が起きた学校

私立大学、学校規模:5,000から9,999人

対象学生

学科(専攻):人文科学、1年次

支援の申し出

1.支援の申し出の受付

  • ・支援の申し出があった
  • 申し出を受けた部署:入試担当部署
  • 支援の申し出に関する申請書(様式)がある
  • ニーズの聞き取りのための面談を実施した

2.支援が必要とされた場面:受験・入学、授業・研究指導、実習、フィールドワーク等、事務窓口での対応、式典、行事、説明会、シンポジウム等への参加、学生寮への入居、施設等の利用やサービスの提供、学生寮から大学までの通学移動サポート、サークル入部

申し出への対応

1.支援の申し出の受付

  • 配慮の提供について、学内の関係部署による検討・協議を行なった
  • 協議に参加した部署(者) :入試担当部署、学生生活支援担当部署、教務担当部署 、施設・設備担当部署、教育部門、保健管理部門、就職支援部門、寮管理委託機関、管理人
  • 配慮内容の決定は建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった
  • 決定した配慮内容について学内関係部署に配慮依頼書を配付した

2.配慮内容決定後のモニタリング・フォローアップ

  • 当該学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
  • 当該学生に対して、定期面談を行なっている
  • その後の状況に関して、関係部署(者)に聞き取り、情報共有等を行なっている

申し出内容と配慮の提供

申し出内容1:
・必要に応じて職員、学生にキャンパス内・教室間の移送、登下校時等にサポートを受けたい
・教室の出入口のドアの点字表示、歩行訓練を希望する

決定した配慮内容:申し出通りの配慮の提供を決定した
配慮内容決定時点での合意形成:できた
合意形成できたと考える根拠:こちらの提案を受け入れた
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:入寮を希望したため、寮から大学までの通学(徒歩)の移動もサポートすることに決定した。本学には障害学生支援の学生ボランティア体制がないことを本人に説明した上で、学生課で関係部署と協議し、寮監の教員から寮生に協力を求める等実施。またボランティアセンターが初めて移動サポーター学生の支援を担当することになり、支援学生の募集・担当割・サポートマニュアル作成・歩行ルートの提案・歩行訓練等を行なった。通学路の安全確保は学生課が掲示や協力を求める等対応した。移動時の安全と自立歩行のためキャンパス内・建物内の点字ブロックの設置を検討し障害学生本人に提案。本人と移動ルートを確認し、学生課・施設課等と協議の上、段階的に設置した。


申し出内容2:学生寮に入寮して生活したい

決定した配慮内容:申し出通りの配慮の提供を決定した
配慮内容決定時点での合意形成:できた
合意形成できたと考える根拠:こちらの提案を受け入れた
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:当該学生・保証人、学生課長、学生課寮担当職員、寮監の教員、寮長等の寮生代表者、大学関連の寮運営会社、寮管理人で打合せを行ないできるところから対応を進めた。寮監からの寮生への説明、動線を考えた部屋の指定(当面変更しない)、玄関とチャイム付近、寮内エレベータ―前の点字ブロックの設置、シャワー室の利用方法等施設課に協力を求め改善した。入寮後数週間は保証人が付き添い生活に慣れるようにサポートしてもらった。


申し出内容3:授業関係教材の点訳、図等の点訳、板書の読み上げ、ブレイルメモの持込許可

決定した配慮内容:申し出通りの配慮の提供を決定した
配慮内容決定時点での合意形成:できた
合意形成できたと考える根拠:こちらの提案を受け入れた
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:学生課・教務課で支援希望内容を事前に聴取・障害学生本人・保証人との面談により確認、所属学部・学科の学科主任・学生主任等の教員で具体的支援内容を打合せた。また点訳を依頼する学外の点訳ボランティア機関に本人も含めて教務課が詳細を打ち合わせた。費用は大学負担。点訳機関との連絡調整は教務課が担当し、試験・課題、その他の就職行事・学生生活支援で必要な資料等も含めて点訳依頼を行なった。授業担当教員には「支援依頼書」を本人・教務課・保健管理室で作成・配信した上で、教務課が各教員・本人と具体的な対応事項を打ち合わせながら実施した。


申し出内容4:サークルに入りたい

決定した配慮内容:申し出通りの配慮の提供を決定した
配慮内容決定時点での合意形成:できた
合意形成できたと考える根拠:こちらの提案を受け入れた
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:学生課から事前に希望するサークルの指導者に障害状況や支援体制を伝え理解を求めた。障害学生が入った寮に同じサークル部員がおり、適宜、帰寮までの移動サポートを受けた。発表等のイベントは本人が参加の是非を決めていた。


申し出内容5:持病があり定期通院する・体調不良時には休養したい

決定した配慮内容:申し出通りの配慮の提供を決定した
配慮内容決定時点での合意形成:できた
合意形成できたと考える根拠:こちらの提案を受け入れた
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:保健管理室で定期的に学医面談や保健師面談を行ない、持病の状況や体調不良時の相談に対応し、寮の管理人や学生課寮担当職員にも必要時見守りを依頼するなど連携した。ボランティアセンター内の応接室が障害学生の居場所となり、休養・昼食・支援学生との待ち合わせに活用している。

配慮内容決定後の不服、不満、苦情の申し立て

不服、不満、苦情等の申し立てはなかった

その後の経過、課題等

移動サポートの範囲について、大学までの通学は生活支援と考えている。今回、障害学生が大学の学生寮に入寮し、通学の移動サポートも希望したため、協議の結果、大学でサポート体制をとることになった。当該学生とともに卒業後の自立を目指しつつ支援している。また、障害学生支援のための学生ボランティア体制づくり、紛争発生の備えも含めて、支援決定のルート(会議体・責任の所在)の明確化が課題である。

【参照】