平成29年3月に文部科学省が取りまとめた「障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)」では、大学等関係者の間で障害のある学生への支援に関する意識が高まる中、関係者間で各大学等の現場に個別に蓄積されてきた知見や経験を共有するためのネットワークが形成され、共通の課題も浮き彫りになってきました。また、課題解決の達成には多くの関係者の共通理解と努力が不可欠であり、そのための手法に関する調査・研究・開発・蓄積が必要と考えられると指摘されているところです。
障害のある学生への支援においては学生と教職員の立場の違いから、教職員が支援者の視点で障害理解を促し、対応方法を伝える取組が多く行われています。一方で、障害のある学生が自分自身で決定するセルフアドボカシーを重視し、社会参加するために支援者ができることを考えることが一層必要とされています。本セミナーでは、特に発達障害に焦点を当て、当事者視点での障害学生支援体制の充実・強化を目的とします。

テーマ

発達障害学生支援がめざすもの ー支援者視点から当事者視点へー

内容

発達障害のある学生においては、医学的診断名から学生にとって必要な配慮が分かりにくく、また、学生自身が周囲に障害の状況を明かしたくない場合もあり、合理的配慮の調整のみでは学生当事者から見て十分な修学環境とならない場合もあります。諸外国では当事者を中心とした社会運動として、発達障害などを障害の社会モデルの観点から捉える「ニューロダイバーシティ(脳の多様性)」という考え方が提唱されています。日本においても、発達障害当事者の考え方や物事の捉え方を取り入れ、包括的な修学環境設計に取り組む必要性が高まっています。そこで、障害の有無によらず学びやすい環境をデザインする「学びのユニバーサルデザイン(UDL)」の考え方を高等教育の現場にも波及させたいという思いから、前半に基調講演を企画しました。UDLのもとでは、柔軟な目標、方法、教材、評価の方法によって、さまざまなニーズに対応できるようなカリキュラムをデザインすることが求められており、高等教育機関での授業設計にも有益な視点が得られると期待されています。
後半は、筑波大学ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター(以下、DACセンター)の教育関係共同利用拠点事業で行われている障害学生支援に関する調査・研究・開発等の成果を踏まえた話題提供とパネルディスカッションを行います。話題提供では、発達障害のある学生が大学生活での経験を活かして社会に接続するために、高等教育機関および就労支援機関の支援者から本人のニーズや特性を踏まえた支援の取組について紹介します。特に、ICTツールを活用した最新の取組を紹介する予定です。
パネルディスカッションでは、大学生活を経験している発達障害当事者が参画し、自身の大学生活において発達障害の特性により困難を感じた課題を参加者と共有した上で、発達障害当事者から障害学生支援に対する期待について、フロアの参加者を含めて建設的対話を行います。特に、支援の意思表明、合理的配慮の捉え方、当事者同士のコミュニティ形成等を話題に取り上げ、当事者視点での障害学生支援のあり方について議論します。

主催

独立行政法人日本学生支援機構、国立大学法人_筑波大学

開催日時・会場

令和元年11月14日(木曜日)10時30分から16時30分まで(10時受付開始)

募集要項

  • 参加対象者:障害学生支援に携わる大学等の管理者及び教職員
  • 参加費:無料(参加に伴う旅費等は各所属機関にてご負担願います。)
  • 参加定員:200名

プログラム

「支援とは?〜発達障害当事者と支援者との建設的対話〜」
パネリスト:発達障害当事者(在学生・卒業生)、村田 淳(京都大学学生総合支援センター)、窪 貴志(株式会社エンカレッジ)
ファシリテーター:佐々木銀河(筑波大学 DACセンター)
協 力:大学生発達障害当事者コミュニティBeU

参加申込み方法

以下の「障害学生支援専門テーマ別セミナー_参加申込みについて」のページにアクセスし、該当する参加申込みフォームから参加登録を行なってください。なお、参加者が定員に達した場合は参加申込みを締め切らせていただきます。