開催報告

日本学生支援機構は11月14日(木曜日)に筑波大学と共同主催で「ニューロダイバーシティ」(脳の多様性)を取り上げたセミナーをAP日本橋(東京都)で開催しました。
諸外国では障害のある当事者を中心とした社会運動として、発達障害等について、その障害を社会モデルの観点から捉えるニューロダイバーシティ(脳の多様性)という考え方が提唱されています。発達障害のある学生においては、医学的診断名からは多くの教職員にとって学生が必要とする配慮内容が分かりにくく、加えて学生自身が周囲に障害の状況を明かしたくない場合もあり、合理的配慮の調整のみでは学生当事者から見て十分な修学環境とならない場合もあることから、発達障害当事者の考え方や物事の捉え方を取り入れ、包括的な修学環境設計に取り組む必要性が高まっています。
本セミナーでは障害の有無によらず学びやすい環境をデザインする「学びのユニバーサルデザイン(UDL)」の考え方に関する基調講演と筑波大学の教育関係共同利用拠点事業の成果を踏まえた話題提供、発達障害当事者を交えてのパネルディスカッションを行ない、大学等の障害学生支援についての更なる充実を目指すことを考えました。
主催者の日本学生支援機構吉田真理事と筑波大学の竹田一則人間系教授の挨拶に続き、基調講演では米国ニューヨーク州公認サイコロジストのバーンズ亀山静子氏から「学びのユニバーサルデザイン 自分の学びを舵取りする」をテーマに、日米間で多数の児童、生徒、学生と保護者らとの対話を通じて多様な学び方の要望があることを知り、教育にその多様な学び方を受け止める仕組みづくりが必要だと考えているという内容のお話しがありました。そして、その仕組みとしてユニバーサルデザインを教育に取り入れることで、学習者側が自分にとって学びやすい学び方を選択できるようになり、こうした多様な学び方の要望に応えていけるのではないかと述べました。
話題提供の前半は筑波大学の佐々木銀河准教授から発達障害学生が大学生活での経験を活かして社会に接続するための本人のニーズや特性を踏まえた修学支援の取組について、特にICTツールを活用した最新の取組を紹介しました。後半は株式会社エンカレッジの窪貴志代表から就労支援における取組の紹介の他、実践事例とその結果にも触れ、窪代表の考察が示されました。パネルディスカッションには発達障害当事者も参加し、大学生活において発達障害の特性により困難を感じた課題について参加者と共有した上で、障害学生支援に対する期待等についてフロアの参加者を含めて掘り下げ、意見交換を行ないました。パネリストの1人として登壇した京都大学の村田淳准教授からは「(合理的配慮における合意形成までの建設的対話の場面では)支援者側は障害学生の支援ニーズを知りたいと考えてしまうが、障害学生当事者と支援者が当事者の課題について共感し、一緒に支援ニーズを検討できることが重要である」とのコメントがありました。
本セミナーの参加者は253名で、事後アンケートの満足度は99.1%でした。「障害支援に従事する中で改めてUDLの重要性を認識できました」「今、就活に不安を抱いている発達障害学生がどんな気持ちでいるのか、当事者の話で気づかされた」などの意見がありました。

開催概要

テーマ

発達障害学生支援がめざすもの ー支援者視点から当事者視点へー

主催

独立行政法人日本学生支援機構、国立大学法人_筑波大学

開催日時・会場

令和元年11月14日(木曜日)10時30分から16時30分まで(10時受付開始)

募集要項

  • 参加対象者:障害学生支援に携わる大学等の管理者及び教職員
  • 参加費:無料(参加に伴う旅費等は各所属機関にてご負担願います。)
  • 参加定員:200名

プログラム・配布資料

掲載資料は著作権により保護されており、各掲載資料の著作権は資料作成者に帰属し日本学生支援機構は資料作成者の利用許諾に基づき掲載しております。著作者に無断で掲載資料の転載、二次利用を行なうことは禁じられています。また、参考文献、引用部分については出典元に著作権が帰属します。

「支援とは?〜発達障害当事者と支援者との建設的対話〜」
パネリスト:発達障害当事者(在学生・卒業生)、村田 淳(京都大学学生総合支援センター)、窪 貴志(株式会社エンカレッジ)
ファシリテーター:佐々木銀河(筑波大学 DACセンター)
協 力:大学生発達障害当事者コミュニティBeU


障害学生支援専門テーマ別セミナー【ニューロダイバーシティ】に関する問合せ先

日本学生支援機構学生生活部障害学生支援課障害学生支援計画係
  • 東京都江東区青海2-2-1
  • 電話03-5520-6173
  • FAX03-5520-6051
  • E-mail tokubetsushien【@】jasso.go.jp
  • メールを送る際は@の前後の【】を取ってご利用ください。