日本学生支援機構では障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の成立によって、今後高等教育機関に求められる取組の促進の障害学生の理解啓発のため、全国障害学生支援セミナーを平成26年度から継続して開催しています。このセミナーでは、支援体制の整備や合理的配慮等の基本的事項の理解啓発を目的とする「体制整備支援セミナー」と、発達障害への支援や地域連携体制の構築、高等学校との支援の接続、就労移行支援などの、近年特に対応の必要性が高まっている専門性のある支援等について検討する「専門テーマ別セミナー」の2つのカテゴリーがあります。
平成29年度は次の4つのテーマを取り上げました。

専門テーマ別セミナー【1】「障害者差別解消法」の基本的な考え方と大学等における合理的配慮の提供をめぐる主な課題について

専門テーマ別セミナー【1】では障害者差別解消法施行後における障害のある学生の合理的配慮に関することで、紛争となり得る事例に焦点を当てました。
まず、岡山理科大学の川島聡准教授から「障害者差別解消法と紛争概念について」をテーマに講演いただき、不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の不提供の禁止について、その考え方が具体例を交えての説明、合理的配慮の提供を行なう上で起こり得る紛争と、その紛争を避けるための建設的対話(大学、学生の双方が互いの事情を理解しあい、合意形成に至るプロセス)の必要性を示しました。
この後、5つの分科会に分かれて議論を深め、最後に講演会場に戻って、分科会での議論内容を情報共有しました。
参加者は135名で事後のアンケートでは「これまでは理想に近い事例がほとんどだったが、今回は参考になる内容でよかった」「障害者差別解消法とそれと付随する事例等を幅広く紹介していただき、知見・思考等大変参考になった」「他大学の抱える問題を共有でき、就労まで見据えたうえで学生をどのように受け入れるか考えるきっかけになった」などの意見が寄せられ参加者の満足度は97.5%でした。

実施要項

配付資料

掲載資料は著作権により保護されています。各掲載資料の著作権は資料作成者に帰属し日本学生支援機構は資料作成者の利用許諾に基づき掲載しております。著作者に無断で掲載資料の転載、二次利用を行なうことは禁じられています。また、参考文献、引用部分については出典元に著作権が帰属します。

専門テーマ別セミナー【2】しょうがい学生支援のこれからを切り拓くキーワードを求めて

専門テーマ別セミナー【2】は「しょうがい学生支援のこれからを切り拓くキーワードを求めて」をテーマに取り上げ、しょうがい学生支援の実現において重要となる「教育的支援」(実際の支援がしょうがい学生一人ひとりの発達に即した内容となっているのか)「地域連携」(地域連携を踏まえた上での支援内容となっているのか)の2つの切り口から当事者とともに考えていく内容となりました。
はじめに基調講演として、宮城教育大学の藤島省太教授から、「しょうがい学生の成長を促す教育的支援活動」と「ご近所ネットワークの確立」をめざして~宮城教育大学の事例を通して~」をテーマに宮城教育大学での障害学生の支援体制と実際の取り組み事例などを取り上げての講演がありました。続けて「しょうがい当事者が語る“私、困っています”」と題して、障害当事者の学生等が各障害領域の社会的障壁の訴えや障害者との共生における課題点について発表しました。
午後から視覚障害、聴覚障害、発達障害、肢体不自由・病弱・虚弱の各障害領域に分かれて分科会を設け、当事者らと参加者が意見交換やグループでの議論を行ないました。
最後に参加者が一堂に会して、各障害領域分科会の内容について情報共有しました。
セミナーの参加者は81名でセミナー全体の満足度は「十分満足した」が37.5%、「概ね満足した」が57.1%で総合満足度は94.6%となり、「障害者の具体的な悩みや問題点を知ることができた」「他大学の支援体制、取組など参考になることがあった」「5領域の障害者の話を同時に聞く事のできる機会はめったにないので良かった」といった感想が寄せられました。

実施要項

配付資料

掲載資料は著作権により保護されています。各掲載資料の著作権は資料作成者に帰属し日本学生支援機構は資料作成者の利用許諾に基づき掲載しております。著作者に無断で掲載資料の転載、二次利用を行なうことは禁じられています。また、参考文献、引用部分については出典元に著作権が帰属します。

しょうがい当事者からのアピール「しょうがい当事者が語る“私、困っています”」

専門テーマ別セミナー【3】発達障害学生に必要なキャリア支援とは~自己認識を育成する環境をどのように形成するか~

専門テーマ別セミナー【3】では「発達障害学生に必要なキャリア支援とは~自己認識を育成する環境をどのように形成するか~」をテーマに、大学等で障害学生支援に携わる教職員、就労移行に携わる関係機関等関係者を対象に発達障害学生に必要なキャリア教育と自己実現に焦点を当てました。
午前は富山大学教育・学生支援機構学生支援センター副センター長の西村優紀美准教授による「発達障害学生へのキャリア支援~社会的自立に向けた支援の在り方~」と京都大学環境安全保健機構 健康科学センター精神科医の上床輝久氏による「発達障害学生に対する自己認識の育成と医学的診断」と題した2つの基調講演を行いました。
午後から2つの分科会に分かれて、分科会Aでは「発達障害者にとって就労につながるコミュニケーション支援とは」について、分科会Bでは「発達障害者へのフォローアップ支援~キャリア支援と自己理解~」についてそれぞれの分科会で話題提供と参加者との情報交換を行いました。
セミナーの参加者数は197名で、「富山大学の発達障害学生への支援体制、学内・学外につながるマルチアクセス体制の情報を関係者と共有し少しでも改善していきたい」「具体的なアプローチの仕方など、上床先生の発達障害理解についてなど勉強になった」「就労移行事業所について深く知ることができた」などの感想が寄せられ、「十分満足した」が38.7%、「概ね満足した」が57.7%で全体の満足度は96.4%となりました。

実施要項

配付資料

掲載資料は著作権により保護されています。各掲載資料の著作権は資料作成者に帰属し日本学生支援機構は資料作成者の利用許諾に基づき掲載しております。著作者に無断で掲載資料の転載、二次利用を行なうことは禁じられています。また、参考文献、引用部分については出典元に著作権が帰属します。

分科会A

分科会B

専門テーマ別セミナー【4】初等中等教育機関から高等教育機関への接続、連携について

専門テーマ別セミナー【4】では「初等中等教育機関から高等教育機関への接続、連携について」をテーマに選びました。
近年、障害のある学生の支援について高等教育機関での修学環境整備が急務となっている一方で、初等中等段階における障害のある児童生徒について、高等教育への接続を確実に実施していく取り組みも始まってきています。このような状況を踏まえ、日本学生支援機構では文部科学省と国立特別支援教育総合研究所の協力を得て、この課題点について焦点を当てていくことにしました。
まず、本機構理事長の遠藤勝裕から参加者と御協力いただいた各関係機関に向けて挨拶し、日頃の本機構の事業への御理解、御協力への感謝と、障害のある学生を初等中等教育機関から高等教育機関の修学支援に繋げていく重要性を伝えました。
午前のプログラムでは最初に、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課支援総括係の松下雄一郎係長から「初等中等教育段階から大学等への移行(進学)について」と題して、初等中等段階における特別支援教育やインクルーシブ教育を含めた最近の動向、インクルーシブ教育システム構築支援データベース(インクルDB)の紹介などを行ない、続けて、高等教育局学生・留学生課の小代哲也課長補佐から「各大学等が取り組むべき主要課題について」をテーマに政府の基本計画や提言、障害のある学生の修学支援に関する検討会(第二次まとめ)を解説しながら、大学等が抱えている課題について触れ、最後に合理的配慮の提供の義務と努力義務の考え方を解説しました。
昼食後に「障害のある生徒の個別の教育支援計画等の高等教育機関への引継ぎと課題について」と「発達障害のある生徒、学生支援の連携と課題」の2つのテーマで分科会を設け、テーマに基づいた話題提供と質疑の後、個々の参加者の取り組みや事例を交えながら意見交換をしました。
分科会を終えて、また一堂に集まり、筑波技術大学の白澤麻弓准教授の司会進行で、午前の講演と午後の分科会の内容を元に情報共有と意見交換を図りました。
最後に日本学生支援機構の頼本維樹学生生活部長と国立特別支援教育総合研究所の荒木昌美総務企画課長が本セミナーの感想を述べ、閉会となりました。
セミナーの参加者は98名でセミナー全体の満足度は「十分満足した」が31.5%、「概ね満足した」が63.2%と総合満足度は94.7%となり、「中学の関係者にも企業の方々にも聞いていただきたい内容だった。(地方自治体の)担当者として、学校にも情報を伝えていきたい。」「一人の人間を育て上げるという点から、高校との連携を考えていきたいと強く感じた。」などの感想が寄せられました。

実施要項

配布資料

掲載資料は著作権により保護されています。各掲載資料の著作権は資料作成者に帰属し日本学生支援機構は資料作成者の利用許諾に基づき掲載しております。著作者に無断で掲載資料の転載、二次利用を行なうことは禁じられています。また、参考文献、引用部分については出典元に著作権が帰属します。

行政説明

分科会A

分科会B


PDFファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。

お問い合わせ

独立行政法人日本学生支援機構学生生活部障害学生支援課障害学生支援計画係
  • 〒135-8630 東京都江東区青海2-2-1
  • 電話03-5520-6173
  • FAX03-5520-6051
  • E-mailtokubetsushien【@】jasso.go.jp
  • メールを送る際は@の前後の【】を取ってご利用ください。