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地震・火災・爆発・事故等の命に関わる緊急時には、障害のある学生にとっては一層のニーズが生じることとなります。日常の備えこそが、非常時の支援に大きな助けとなります。非常時に特段の支援を必要とする者がいることを十分理解し、障害のある学生一人一人のニーズに配慮した支援計画を立てておくことが重要です。

緊急時の行動に関して教職員は、基本的な学内支援体制整備に向けて、防災・減災意識を高めるために事前に学習するとともに、障害のある学生本人の申告に基づき、定期的な避難訓練の際に、以下の観点から、関係教職員間での情報共有や確認をしておく必要があります。

初動対応

  • 安全確保
  • 比較的安全な避難場所(一次避難場所)の選定
  • 安否確認(発信方法)

安全な場所への避難

  • 一次避難場所から指定避難場所までの避難経路
  • 避難支援方法
  • 避難誘導者
  • 福祉避難所の有無や場所の確認

避難先での対応

  • 帰宅困難時の対応
  • 怪我や体調不調時の対応(家族、緊急連絡先への連絡のサポート等)
  • 日常生活動作の確認(食事、睡眠、排泄の場の確認)
  • 医療情報の把握(学内外の医療機関との連携)
  • 避難設備・機材の配置(準備状態や作動の確認)
  • 安心して話ができる時間と場所の確保(フラッシュバックの有無の確認等)
  • 当該者が要支援者であることの明示

情報伝達及び連絡体制

  • 部局における緊急時の指示命令系統
  • 部局内・災害対策本部への情報伝達ルート及び手段
  • 連絡方法・連絡手段の事前確認(携帯電話等を利用した学内安否確認システムについての周知・研修等)
  • 学外医療機関・支援機関等の連絡先の確認、情報コントロール(慢性疾患や精神障害に必要な薬剤の確保、災害拠点病院との仲介等)
  • ウェブサイトのアクセシビリティを強化

それぞれのニーズに対応した支援体制についても、関係者間で準備・確認が必要です。

動くことに制約がある場合

避難する前に通路確保の確認(通路や道路の障害物の確認、エレベーター使用不可状況での避難行動計画等)

見ることに制約がある場合

  • 音声による当該者への災害発生情報、避難指示、避難経路上の危険情報等の情報伝達
  • 音声による対応が可能な場所又は担当者の明示

聞くことに制約がある場合

  • 視覚的手段(手話・筆談・口話等)による当該者への災害発生情報(聴覚障害者向け火災警報器の設置等)・避難指示・避難経路上の危険情報等の情報伝達
  • 避難場所でのコミュ二ケーション手段の保障(手話・筆談による対応が可能な場所又は担当者の明示等)

臨機応変に行動することに制約がある場合

予期せぬ事柄や通常のやり方の変更に強く不安を感じたり抵抗を示すなどの臨機応変な対応が苦手な場合があります。また、周囲とのコミュニケーションが苦手な場合には避難所を利用することができず孤立していくことで、安全な避難行動が取りにくくなります。そのため、以下の点に留意する必要があります。

  • 被災時の行動の仕方や手順についての日常での確認
  • 避難所等でこれから何をするのかに対して見通しが持てるような説明
  • 怪我や体調の確認(感覚の刺激に過敏あるいは鈍感なため自覚できない場合への対応)

その他

支援要請行動に関する防災・減災教育(学生本人の主体性を育てるなど)


執筆者:田中 真理


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