所得連動返還方式とは、前年の課税総所得金額(以下、「所得」といいます。) に応じて返還月額が決まる返還方式です。平成29年度以降に第一種奨学金に採用され、この方式を選択した方が対象です。
※平成24年度に創設した「所得連動返還型無利子奨学金」は、奨学金申込時の家計支持者の所得に応じて返還期限猶予制度についての特例を認めるものであることから、今回導入した所得連動返還方式との誤用を避けるため、平成29年度採用者以降は「猶予年限特例」とよびます。平成30年度は、所得に応じた返還月額を算出するために課税証明書等の提出が必要です。

1.制度の特徴

所得連動返還方式は、返還者の所得に応じて返還月額が決まる仕組みにより、無理なく返還ができるよう設けられた制度です。
所得に応じた返還月額となるため、所得が少ない場合は少ない返還月額となります。一方、所得が多い場合は多い返還月額となります。所得が一定程度となるまでの間は、定額返還方式よりも返還月額が少なくなりますが、所得が一定程度を超えると定額返還方式よりも返還月額が多くなります。
返還が必要な総額は決まっているため、返還月額が変わることで、返還期間も変わります。少ない月額で返還していくと返還期間は長くなり、多い月額で返還していくと返還期間は短くなります。なお、返還月額やそれに伴う返還期間の変化はありますが必要な返還総額は所得連動返還方式を選択しても定額返還方式を選択しても変わりません。

2.返還月額

毎年、前年の所得に応じて10月から翌年9月までの返還月額が決まります。
※所得連動返還方式を選択した場合、割賦方法は月賦返還のみとなります。月賦・半年賦の併用返還はできません。

(1)返還初年度(返還開始から最初の9月まで)の返還月額
原則として、定額返還方式により算出した返還月額の半額(1円未満の端数は切り捨て)です。
算出された額が2,000円未満の場合は、最低返還月額の2,000円での返還になります。
なお、定額返還方式で算出した返還月額の半額での返還が困難な場合は、申請により2,000円での返還が可能です(最低返還月額申請)。
なお、マイナンバー等、機構の定める書類を提出していない場合、これらの制度は適用されず、定額返還方式により算出した返還月額で返還していただきます。

(2)返還2年目以降の返還月額
最初の返還月額の見直しを返還開始翌月以降の10月に行い、その月から前年の所得に応じた返還月額での返還となります。
(3)返還月額の算出方法
返還月額=(課税総所得金額×9%)÷12

3.返還者が被扶養者である場合

返還者(奨学生本人)が被扶養者である場合は、返還者と扶養者の課税総所得金額の合計に基づき返還月額を算出します。そのため、扶養者のマイナンバーを提出していただきます。
合算して算出した返還月額が、定額返還方式の返還月額以下の場合はその金額で返還となります。定額返還方式の返還月額を超える場合は、定額返還方式の返還月額で返還となります。

※所得連動返還方式の被扶養者とは、地方税法(昭和25年法律第226号)第292条第1項第7号に規定する控除対象配偶者および同項第8号に規定する扶養親族(ただし、平成31年1月1日以降は、同項第7号に規定する同一生計配偶者および同項第9号に規定する扶養親族)をいいます。
例えば、返還者が、税法上、配偶者控除または扶養控除の対象者となっている場合には、返還者は被扶養者として扱われます。この場合、返還者を配偶者控除または扶養控除の対象としている方は、返還者の扶養者となります。

扶養者のマイナンバー提出の流れは次のとおりです。
1.返還月額の算出が必要な時期(平成31年以降、毎年6月~7月頃)に、対象となる方に、本機構から扶養者のマイナンバーの提出をお願いする旨の通知をお送りします。
2.本機構へ扶養者のマイナンバー関係書類等本機構が求める書類を指定する宛先に簡易書留により提出します。(簡易書留に係る郵便料金は返還者の負担となります。)

4.返還月額が所得に連動しない場合

次のアからエの場合は、所得連動返還方式を選択していても、定額返還方式により算出した返還月額相当額での返還になります。

ア.海外長期滞在等により、機構が返還者の所得を把握できなかった場合
イ.返還者が課税証明書等書類の提出を求められたにもかかわらず、提出しなかった場合
ウ.返還者が被扶養者となった際に、返還者と扶養者の課税総所得金額の合計を元に機構が算出した返還月額が、定額返還方式により算出した返還月額を超える場合
エ.返還者がマイナンバーもしくは機構の定める書類を提出していない場合
※10月に決定した返還月額は、その後ア~エが解消されたとしても、翌年の返還月額見直しまで変更しません。

5.返還が困難な場合

返還が困難な場合は、返還期限猶予を願い出ることができます。
※所得連動返還方式では所得に応じて返還月額が設定されるため、減額返還制度の適用はありません。