事例No.74(盲、病弱・虚弱)授業資料の点字化の遅延について

【事例紹介】

事例が起きた時期

過去5年以内

事例が起きた学校

私立大学、学校規模:2,000から4,999人

対象学生

学科(専攻):人文科学、1年次、重複(盲、病弱・虚弱)

相談、不満・不服の申し立て、または支援の申し出

1.場面等

授業・研究指導

2.内容

(盲・喘息)
授業資料の点字化の遅延に関する不満。点字化された資料が遅く届くため、授業の準備ができない。体力的に持たない。自分用の作業スペースの環境が悪い。

学校の対応

1.関わった部署

学生生活支援担当部署(学生課等)、教務担当部署、施設・設備担当部署、教育部門(学部、学科等)、保健管理センター等

2.対応内容

学生の不満、健康状態、メンタル状況、対応した状況を関連部署で共有し、対応方法(学内でのルール等)をまとめた。文書化したものを学生(家族)に渡し了解を取った。授業担当者には、改めて授業資料提供のルールを理解してもらい、協力を求めた。テキストは授業に間に合うように点訳した。入学後に持病(喘息)があることがわかり、盲の対応以上に健康面、メンタル面のケアが必要となり、本人、母親との面談を行なった。
学生は、点訳やチューターなどの大学の金額的支援範囲がわからなかったので、大学側が金額的支援範囲を明示した。これにより学生は卒業までの自己負担分がある程度わかるようになった。専用作業スペースの環境については、空調点検、加湿器、掃除など定期的に点検し環境維持に努めた。日ごろの健康状態について、年間を通して保健室が状況を観察し相談に乗った。

学生等の反応

  • 納得して、問題なく修学している

授業資料の準備は、教員・学生・教務課・研究室で常に確認をとり、状況確認を行なっている。入学当初は要求したい支援はもっとあったようだが、最終学年になり自分自身のやりたいことと、できること、できないこと、体力的限界を客観的に考え整理するようになった。

その後の経過

入学前の面談で大学側の支援範囲をできるだけ明確に伝え、相互で理解する必要があるが、入学後に表面化する問題も多くあるので、必要に応じて面談を行ない対応方法をさらに検討する必要がある。

【参照】