事例No.2516(難聴)手話通訳の配置、グループワークのメンバーにフェイスシールド等をつけてほしい

事例紹介

事例が起きた時期

令和3年度
発生時期:授業開始後

事例が起きた学校

私立大学、学校規模:5,000から9,999人

対象学生

学科(専攻):社会科学、年次:2、障害種:聴覚・言語障害(難聴)

支援の申し出

1.支援の申し出の受付

  • 支援の申し出:有
  • 申し出を受けた部署(者)教育部門(学部・学科、担当教員等)
  • 支援の申し出を受け付ける申請書(様式):無
  • ニーズ聴き取りのための面談:実施なし

2.支援が必要とされた場面

授業・研究指導

申し出への対応

1.配慮内容の決定について

  • 配慮の提供に関する学内関係部署の検討・協議:実施した
  • 検討協議に参加した部署(者):障害学生支援部署 教育部門
  • 配慮内容の決定過程:建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった
  • 学内関係部署への配慮依頼文書の配付:実施なし

2.配慮内容決定後のモニタリング・フォローアップ

  • 当該学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
  • 当該学生に対して、定期面談を行なっている
  • その後の状況に関して、関係部署(者)に聴取、情報共有を行なっている

相談内容

記入なし

申し出内容と配慮の提供

申し出内容1:グループワークが主な授業で、同じグループのメンバーにフェイスシールドやマウスシールドの着用をお願いしたい。また全ての授業に手話通訳を配置してほしい。

提供した配慮:学校が提案した配慮=グループの学生全員にフェイスシールドやマウスシールドの着用を求めることはできないが、代替案として、補聴支援機器の活用やグループワーク時のルール決めをした。
配慮内容決定時での合意形成:できた
合意形成できたと考える根拠:こちらの提案を受け入れた
提供した配慮の具体的内容:

事後評価:ニーズを満たせなかったが、学生は理解し、我慢している
事後評価の理由・詳細:できる限り目立ちたくないという当該学生の希望に沿った配慮内容の提供ができなかったため。

申し出内容2:全ての授業に手話通訳を配置してほしい。

配慮の不提供を決定した
不提供の理由:E.過重な負担(実現可能性の程度)
不提供の経緯、具体的理由:手話通訳側の人材の確保や講義資料の提供を事前に行なうことが難しい点、また学内予算の確保が現状困難なため断念せざるを得ない状況。
配慮内容決定時での合意形成:できなかった
提供した配慮の具体的内容:代替として、ノートテイカーを付ける、学生サポーターを派遣する、教員がマスクではなくマウスシールドを付ける、等の支援を実施している。また、同じグループの学生が筆談での支援を実施している。
事後評価:ニーズは満たせず、学生は納得していないと思われる
事後評価の理由・詳細:学生本人は学生サポーターをつけることに抵抗があり、筆談についても教員の発話内容の全てではなく決定事項だけが示されることに不満を持っている。本人としては、「仕方ないかもしれないがその辺りがちょっと」という感じを持っている。障害学生支援担当の窓口で手話通訳配置について相談されることが多い。

配慮内容決定後の不服、不満、苦情の申し立て

不服、不満、苦情等申し立て:なかった

その後の経過、課題等

不服、不満、苦情等申し立て:なかった

その後の経過、課題等

当該学生からその後大きな問題があったというような報告はなかった。
グループワークへの参加やグループ発表も行なえ、無事に単位も取得できた。
本人の希望する配慮をなるべく提供できるようにするため、教職員の理解促進が課題。

【参照】