平成23年度留学生交流実務担当教職員養成プログラム

2012年3月19日更新

1.目的

我が国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校、準備教育施設及び留学生関係団体において留学生交流業務に携わる教職員に対して、我が国への留学生受入れに関する分野の専門的知識を修得させること及び適切な実務研修の機会を与えることにより、我が国における留学生受入れ体制の整備・充実に資するとともに、優秀な留学生の獲得を推進すること。

2.テーマ

「多様かつ多数の外国人留学生に対してどのように対応するのか?」という問題意識を踏まえて、次の2つのテーマにより講演会を行った。
(1)テーマA  『 外国人留学生と震災 』
(2)テーマB  『 帰国留学生のネットワーク構築 』

3.期日

(1)テーマA
東京 : 平成24年2月13日(月曜日) 13時30分~17時
大阪 : 平成24年2月14日(火曜日) 13時30分~17時
(2)テーマB
東京 : 平成24年3月5日(月曜日) 13時30分~17時
大阪 : 平成24年3月2日(金曜日) 13時30分~17時

4.会場

(1)テーマA                             
東京 : 日本学生支援機構東京国際交流館プラザ平成3階 国際交流会議場
大阪 : 日本学生支援機構大阪日本語教育センター3階 311教室
(2)テーマB
東京 : 東京ガーデンパレス2階 高千穂A
大阪 : チサンホテル新大阪4階 No.3A

5.受講者数

(1)テーマA                             
東京会場 : 108名、 大阪会場 : 39名
(2)テーマB
東京会場 : 91名、 大阪会場 : 65名

6.内容

(1)テーマA

  • 講演1 
       『 留学生と大震災 -二つの大震災から学び考える- 』
        神戸大学名誉教授・留学生センター顧問   瀬口 郁子
  • 講演2
       『 東日本大震災の教訓 -宮城教育大学の事例- 』
        宮城教育大学国際理解教育研究センター准教授   高橋 亜紀子
  • 講演3
       『 3・11、外国人留学生と千葉科学大学との関わり 』
        千葉科学大学国際交流室長   大月 史嗣
  • フロアディスカッション

(2)テーマB

  • 講演1 
      『 政策研究大学院大学(GRIPS)の帰国留学生ネットワーク 』
       政策研究大学院大学国際交流・広報課参事   河合 恒二
        政策研究大学院大学同窓会支援室長   カリン・ヒレン(東京会場のみ)
  • 講演2
       『 「帰国留学生ネットワーク構築」について  
        ~ 構築、フォローから相互交流、そして共同事業展開へ ~ 』
        福井大学留学生センター副センター長・教授   中島 清
  • 講演3
      『 南山大学留学生同窓会 Nanzan University International Students Alumni      Networkについて 』
        南山大学名誉教授   伴 紀子
    南山大学国際教育センター主事   松井 通生
  • フロアディスカッション(敬称略)

7.概況

 テーマAにおいては、阪神・淡路大震災、東日本大震災の直接の被害を蒙った3大学から、当時の対応状況等が紹介された。
神戸大学からは、情報弱者としての留学生に対する共助の観点から、地域住民として普段のコミュニケーションの必要性と学校等からの継続的な防災(減災)教育の必要性を、宮城教育大学からは、地震多発地域の宮城県にある学校として、防災オリエンテーションのより一層の強化と留学生と教職員の「顔の見える関係」の構築を、千葉科学大学からは多言語による正確な情報発信の必要性と、困難な状況下にあっても、入学式等学校行事を普段どおりに実施することの重要性が指摘された。
どの大学からも、日頃から厳しさと愛情を持って留学生と密に接することで、震災後の意識が変化し、大学とより一層「絆」が芽生えることが報告された。研修終了後の受講者のアンケートからは、「実際に被災した大学の生の声を聴けて良かった。」、「今後の防災オリエンテーション等に役立てたい。」等の意見があった。
 テーマBにおいては、今後、外国人留学生の卒業・修了後のフォローアップの整備・拡充がますます必要となることから、帰国留学生のネットワーク(同窓会)について3大学から取組事例が紹介された。
政策研究大学院大学は、在学生のほとんどが現職の若手行政官であるため、帰国留学生相互のネットワークが行政官としての職務に有益であることや、同窓会が海外の学生のリクルーティングに当たって重要なツールとなっていることが特色であり、大学の同窓会支援活動がFacebook等のITを活用することにより円滑に行われていることが紹介された。福井大学は、在籍留学生や帰国留学生との密接かつきめ細やかなコミュニケーションを軸に、地域社会を巻き込んだ交流が必要であり、同窓会ネットワークが大学の貴重なインフラとなっていることが紹介された。南山大学では、大学が帰国留学生を「管理」するのではなく、大学・帰国留学生が双方向に交流できる体制を作ることが重要であるとの考え方に基づき、各都市に設置する留学生南山会を教職員の出張時等に開催して親睦を深めるとともに、大学からもそれを通じて日本留学フェアの際のブース通訳を依頼する等の相互交流の様子が紹介された。

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