王醒さん(中国)

2010年3月卒業、明治大学大学院へ進学

卒業生の王醒さん(中国)の写真

私は2009年4月に東京日本語教育センター、大学院一年コースに入学しました。一年間の勉強を経て、無事に明治大学大学院情報コミュニケーション研究科に進学を決めました。
東京日本語教育センターでの一年間の勉強と生活は私にとって、決して一言で表せるものではありません。
その間、多くの先生方からご指導と支えをいただきました。勉強における問題だけでなく、進学や日常生活の悩みなど、数多くの細々とした面においても、先生方に相談にのっていただき、ご意見を伺いました。今、この一年の生活を振り返ってみると、豊かで楽しい一年でした。
私のクラスは、全員大学院を目指しているクラスでした。授業は基礎と応用があり、毎日のスケジュールは大体以下のようでした。
朝、一限目の授業の初めは日本語の小テストです。テストの内容は前の日勉強したことの復習でした。そのあと、午前中の授業は全部日本語の基礎、主に語彙、文法、作文を中心として行っていました。午後は日本語の応用の授業が多かったです。たとえば、日本語の聴解の授業、会話の授業です。実は外国人の私達にはこのような二つの種類の授業があるのが一番よいと思います。
なぜかというと、外国語を勉強する人の多くはみんな共通の悩みがあると思うからです。それは書くことは上手ですが、話すことや聞くことが苦手ということです。どうしたら自由に日本語でコミュニケーションができるか、どうしたら相手の日本語がよく理解できるのか、このような問題を解決するには、よく話す、よく聞く練習をこなすしかありません。
東京日本語教育センターの授業ではこれらの能力を重視し、少人数クラスで、先生方は学生一人ひとりの日本語の発音をしっかり訂正し、場面を設定しながら、グループを作って、日本語会話の練習をたくさんさせました。この練習のおかげで大学院生活で必要な聞く力、話す力を高めることができました。
また、私が大好きな授業は作文の授業でした。毎回、様々な分野の違う種類のテーマで書くのです。この授業は大学院受験の小論文対策として非常に役に立ちました。授業はまず日本語で小論文を書くときの書き方を学び、その後10分くらい、テーマについて、クラス全員が意見を自由に述べ、最後に制限時間内で、800字程度の文章を書く、という流れで行っていました。
普通の作文の授業と比べ、クラス全員の意見などを聞くことで、視野が広がります。そして、時間制限があるため、毎回、試験本番のような緊張感がありました。半年の練習で大学院を受験するとき、自分の能力がいつも通り発揮できるようになります。
また、大学院受験のため、英語の授業もありました。実は、英語の授業があったことは大学院受験に役立っただけでなく、あとの大学院の授業にも大変役に立ちました。私の専攻は異文化間コミュニケーションですが、教科書や論文、資料などが日本語のものより、英語のものほうが圧倒的に多く、英語力が十分ないと、大学院での授業が大変だと思います。
また、研究計画書の書き方の授業や、個別指導、面接時の模擬練習などの授業もあったので、試験の本番に、大変役に立ちました。
一年間、東京日本語教育センターでの豊かな勉強と生活のおかげで、かなりの日本語能力を身に着け、私は大学院での勉強に不便や困難など感じたことはありません。東京日本語教育センターに来てよかったといつも思っています。