第20回(令和6年度)日本語教育機関教員と高等教育機関留学生教育担当者との研究協議会
日本語教育センターでは、大学等の情報収集や日本語教育機関と高等教育機関との連携に関する研究協議会を毎年開催しています。
令和6年度は令和7年2月23日(日曜日)に開催しました。
1. 第20回(令和6年度実施)の概要
プログラム
時間 | 内容 |
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13時00分~13時30分 | 受付 |
13時30分~13時35分 | 開会挨拶 |
13時35分~15時50分 | 第一部 講演 講演1(45分) NANG MYA KAY KHAING(ナンミャケーカイン)氏(京都精華大学国際文化学部グローバルスタディーズ学科 特任准教授) 「ミャンマー人は渡日をどのように選択し、準備しているのか―ミャンマー人の視点から―」 講演2(45分) 三輪 仁志氏(立命館アジア太平洋大学アドミッションズ・オフィス(国際)留学募集担当) 「ミャンマー人留学生受け入れの特徴と課題ー受け入れ側の視点からー」 ※途中休憩あり |
15時50分~16時30分 | 第二部 第一部講師との全体質疑応答・意見交換等 ※大阪日本語教育センターからの発表を含む |
16時30分 | 閉会 |
2.第20回(令和6年度実施)の報告
近年、ミャンマーでの日本への留学熱が高まる中、学生や受け入れ機関がさまざまな課題に直面することが多くなっています。ミャンマー人留学生は母国の教育制度や国内情勢の影響を受け、他の国とは異なる課題を有しており、これらの課題は、多くの受け入れ機関にも共通するものであると考えられます。そこで、ミャンマー人留学生の教育的背景や受け入れ体制の現状を理解し、教員や事務職員が抱える問題の解決への糸口を探るため、ミャンマー人留学生への知見が豊富なお二人を講師に招き、講演していただきました。なお、今回はテーマの特性上、集合方式による開催がふさわしいと考え、集合方式での開催といたしました。
第1部では、まず冒頭、大阪日本語教育センターからミャンマー人留学生の推移について報告いたしました。そして、ナンミャケーカイン先生に、ミャンマーの教育制度とその特徴、現在の国内情勢下でのミャンマー人学生の動向等についてご講演いただきました。続いて、三輪仁志様からは、大学でのミャンマー人留学生募集の取り組みや入学資格と審査の取り扱い、国内情勢を考慮した対応等についてご講演いただきました。
第2部では質疑応答・意見交換として、参加者から事前にいただいた質問を「教育」「事務」「事情理解」の3つのカテゴリーに分け、ナンミャケーカイン先生、三輪仁志様にご回答いただきました。質問には「発音指導について」、「EJUの数学、総合科目の国における学習範囲について」、「証明書類の作成について」などといったものがありました。
開催後のアンケートでは、第1部の講演に関して「ミャンマーの教育制度や背景がよくわかった」「受け入れの留意点の説明が分かりやすかった」「今後の支援や募集活動において非常に有益だった」「入学資格や出願書類についてこれまで知らなかった内容を知ることができた」「正に知りたいと思っていた内容が非常に多く盛り込まれていた」「学校に持ち帰り、教職員全員に共有したい」といった意見が寄せられました。また、第2部の質疑応答に関しても、事前に質問を受け付けていたこと、配付資料に質問内容が示されていたことへの評価とともに、「講演の内容をさらに深く理解することができてよかった」「様々な角度からの質問があり、有益だった」といった意見が寄せられました。今後の開催に関しては、「ネパールやスリランカ、バングラデシュ等、近年学生が増加している他の国についても取り上げてほしい」といった要望が多数寄せられました。
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報告資料
3. 第1回~第19回のテーマ
- 第19回(2023年度):ChatGPTの日本語教育への活用
実施報告はこちらをご覧ください。 - 日本語教育機関教員と高等教育機関留学生教育担当者との研究協議会(実施報告)
- 第18回(2022年度):日本語学習者の自学習の方法から考えるこれからの日本語教育~日本語教師にできること~
- 第17回(2021年度):オンライン授業~工夫と課題~
- 第16回(2020年度):留学生のための基礎科目教育を考える~日本と諸外国の学習項目を比較する~
- 第15回(2019年度):これからの日本語教育
- 第14回(2018年度):留学生に求められるプレゼンテーション能力とその指導
- 第13回(2017年度):支援を必要とする留学生への対応~発達障害を中心として~
- 第12回(2016年度):日本語教育の現場の取り組みと展望~求められる教育と教員~
- 第11回(2015年度):ICTを活用した日本語教育の実践について~教室活動を中心として~
- 第10回(2014年度):メンタルヘルスに問題を抱えた学生及び発達障害の学生への対応について
- 第9回(2013年度) :留学生の災害時におけるリスクマネジメント及びメンタルケア
- 第8回(2012年度) :理科系の大学院に進学する留学生への指導
- 第7回(2011年度) :大学院に進学する留学生への指導
- 第6回(2010年度) :大学院に進学する留学生への指導
- 第5回(2009年度) :変化する大学 今、留学生に求められているもの
- 第4回(2008年度) :留学生の大学への編入における現状と課題
- 第3回(2007年度) :異文化教育に携わる教員に求められるもの
- 第2回(2006年度) :大学院に進学する留学生に求められる能力と知識
- 第1回(2005年度) :専修学校進学生に求められる日本語能力及び基礎知識