日本語教育機関教員と高等教育機関留学生教育担当者との研究協議会(実施報告)

東京日本語教育センターでは、大学等の情報収集や日本語教育機関と高等教育機関との連携に関する研究協議会を毎年開催しています。

令和5年度実施報告

1.実施概要

日時:令和5年12月17日(日曜日)13時30分~16時30分
テーマ:『ChatGPTの日本語教育への活用』
開催方法:オンライン(Zoomのウェビナーによるライブ配信)
講師:吉田塁氏(東京大学大学院工学系研究科准教授)、藤本かおる氏(武蔵野大学グローバル学部日本語コミュニケーション学科准教授)
報告:小池圭美 東京日本語教育センター主幹補佐
参加者数:652名(311機関) 東京・大阪日本語教育センター教職員含む

2.実施報告

生成AIが行政や教育現場に急速に普及するなか、各教育機関が教育活動への活用の方向性を模索しています。日本語教育の現場においても、学生の不適切な使用に対する懸念など、様々な議論が交わされているところですが、使い方によっては学習者の学びが深められる可能性もあり、また、教員側の視点から見ても、授業準備及び教材開発のサポート等、業務の効率化や新たな取り組みにつながるという期待もあります。
そこで、前向きにこの技術を活用するべく『ChatGPTの日本語教育への活用』と題し、生成AIに精通した先生方から、今回はChatGPTについてお話しいただき、活用方法や懸念点に対する対応策などをお聞きしました。
吉田先生には教育工学の観点から、藤本先生には日本語教育の観点からお話しいただきましたが、ChatGPTの基本的な概念からこの技術との向き合い方・活用の可能性に至るまで知見を深めることができました。また、日本語教育センターからは、生成AIの活用に関するアンケート結果について報告させていただきました。
開催後アンケートでは、「ChatGPTの基本的なことから有用な使い方まで知ることができ、とても有意義なものだった」「ぼんやりとしていた生成AIに対する印象がだいぶ明確になった。とにかく使ってみようという気になれた」「否定するのではなく、活用していく、授業にも取り入れることが可能とわかり、勉強になった」「向き合わなければならないテーマであるにもかかわらず、ずっと後回しにしてきたのだが、しっかり理解して、教育現場での運用を考えるきっかけになった」「目まぐるしく変化していく社会に即した、最先端のテーマを取り上げてもらい、大変勉強になった。とても充実した内容に感謝する」「現場で必要としている課題を取りあげてくれる点がすばらしい」「全体質疑応答では、単なる回答でなく同じ教員、研究者目線で意見も交えてくださったのが私たちも考える雰囲気が生まれて良かった」などの感想がありました。また、オンライン開催に関しては、「遠方でも参加しやすいので、オンライン開催はとても助かる」「オンラインでの開催のほうが無理なく参加できるので、これからもオンラインでの開催を続けてほしい」というご意見を、運営に関しては、「毎回、貴重な情報に接する機会を提供してくれて感謝している」「次の研究協議会も楽しみにしている」という嬉しいご意見をいただきました。

主催者挨拶(吉野理事)の画像

主催者挨拶(吉野理事)

吉田氏の画像

講演1(吉田氏)

藤本氏の画像

講演2(藤本氏)

質疑応答中の画像

全体質疑応答(左:吉田氏、右:藤本氏)

3.資料・動画

■動画

■資料