概要
- テーマ
- 発達障害学生の就労を実現するための支援の在り方~意思表明支援とセルフアドボカシーを中心に~
- 目的
- 本セミナーでは、平成29年3月に文部科学省がとりまとめた「障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)」でも課題とされている「大学等から就労への移行(就職)」の中から、「発達障害学生」に焦点を当て、修学支援体制の充実・強化を図ります。
- 内容
-
- 平成29年4月に、文部科学省から「障害のある学生への修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)」が公開され、各大学等が取り組むべき主要課題とその内容の中に、大学等から就労移行(就職)についての重要性が明記されました。具体的には、就労支援のための取組や学内外の関係機関(就労支援部署やハローワーク等)との連携を強化すること等があげられ、その際の留意点として、支援情報の共有・引継ぎにおいては障害のある学生本人の意向を最大限尊重すること等が示されました。
富山大学では修学支援に引き続き、就職活動支援、卒後フォローアップ支援を一体的に行い、それらを社会参入支援と位置づけています。その際、障害学生が、自らの障害特性に気づき、適切な配慮を要請できるよう支援者が意思表明を支えることが、障害学生のセルフアドボカシーの成長にもつながると考えています。そこで、本セミナーでは発達障害学生の就労を実現するための支援の在り方をテーマとし、支援者に求められる意思表明支援やセルフアドボカシーの育成について考えていきたいと思います。また、分科会では、大学を卒業して働いている発達障害のある社会人からの話をもとに、安定的なキャリアを得るためのプロセスについて参加者の皆様とともに検討したいと考えています。
- 平成29年4月に、文部科学省から「障害のある学生への修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)」が公開され、各大学等が取り組むべき主要課題とその内容の中に、大学等から就労移行(就職)についての重要性が明記されました。具体的には、就労支援のための取組や学内外の関係機関(就労支援部署やハローワーク等)との連携を強化すること等があげられ、その際の留意点として、支援情報の共有・引継ぎにおいては障害のある学生本人の意向を最大限尊重すること等が示されました。
- 主催
- 独立行政法人日本学生支援機構、国立大学法人富山大学
- 開催日時
- 平成30年12月5日(水曜日)10時00分から16時00分まで(9時30分受付開始)
- 会場
- CIVI研修センター日本橋(東京都中央区日本橋室町4丁目1-6クアトロ室町ビル)
- 参加対象
- 障害学生支援に携わる高等教育機関(大学・短期大学・高等専門学校)の教職員および企業、団体、公共機関の障害者雇用または就労支援担当者
- 参加費:無料
プログラム
- 9時30分受付開始
- 10時00分:主催者挨拶(10分)
日本学生支援機構、富山大学 - 10時10分:基調講演(35分)
「発達障害学生の就労を実現するための支援の在り方」
西村優紀美(富山大学教育・学生支援機構学生支援センター副センター長) - 10時45分:話題提供1(30分)
「発達障害のある学生の就労とセルフアドボカシー~米国の例を参考に日本の課題を考える~」
ピーター・バーニック(長崎大学障がい学生支援室助教) - 11時15分:休憩(5分)
- 11時20分話題提供2(30分)
「発達障害学生支援におけるセルフアドボカシー・アプローチ」
桶谷文哲(富山大学学生支援センター特命講師) - 11時50分:質疑応答(10分)
- 12時00分:昼食休憩(60分)
- 13時00分:分科会(180分)
分科会1「意思表明支援とセルフアドボカシー」
ファシリテーター:西村優紀美(富山大学)
コメンテーター:ピーター・バーニック(長崎大学)
話題提供1「修学支援における意思表明支援とは」
西村優紀美(富山大学)
話題提供2「大学と就労の継続的セルフアドボカシー」
横山弘和(京都大学学生総合支援センター障害学生支援ルーム専門スタッフ) - 分科会2「発達障害者の安定的な雇用を考える」
ファシリテーター:桶谷文哲 (富山大学)
話題提供1「インターンシップ等における大学と企業の連携による実践と課題」
工藤陽介(明星大学 ユニバーサルデザインセンターコーディネーター)
話題提供2「就職後のフォローアップ支援から見えてきた本人の成長と今後の展望」
日下部貴史(富山大学 学生支援センターコーディネーター)
富山大学卒業生 - 16時00分:閉会
※各分科会で閉会、解散
開催報告
日本学生支援機構と富山大学は、12月5日に、大学等における発達障害学生の就労支援に焦点を当てた、「障害学生支援専門テーマ別セミナー【発達障害就労支援】」を東京で開催しました。
午前は基調講演として、富山大学の西村優紀美アクセシビリティ・コミュニケーション支援室長による「発達障害学生の就労を実現するための支援の在り方」と題した講演を行ないました。その後、長崎大学のピーター・バーニック助教から、「発達障害学生支援におけるセルフアドボカシー~米国の例を参考に日本の課題を考える~」と題した話題提供を、富山大学の桶谷文哲特命講師から「発達障害学生支援におけるセルフアドボカシー:アプローチ」と題した話題提供を行ないました。
午後は「意思表明支援とセルフアドボカシー」「発達障害者の安定的な雇用を考える」の2つの分科会を実施し、午前に発表のあった3名に加え、京都大学の横山弘和専門スタッフや明星大学の工藤陽介コーディネーター、富山大学の日下部貴史コーディネーターらが話題提供を行ないました。さらに発達障害のある当事者や支援者からの経験談を交えた具体的な事例を紹介し、参加者と意見交換を行なって議論を深めました。
セミナー参加者は大学等の教職員のほか企業関係者を含めて199名。セミナー全体の満足度は「十分満足した」、「概ね満足した」ともに48.5%で合計97%でした。「全てが実現できるわけではないが、発達障害学生の意思表示を促しながら、一緒に支援を考えたり、ボードを使って見える化した会話を整理したりなど、小さいようで重要なことが多く発見できた」「学生本人の自覚がなくとも、(教職員で)見守りつつ対応するヒントが得られた」「(発達障害当事者からの発表を聞いて)支援される側がどのように感じたのかなど知るよい機会になった」などの感想が寄せられました。
配付資料
掲載資料は著作権により保護されています。各掲載資料の著作権は資料作成者に帰属し日本学生支援機構は資料作成者の利用許諾に基づき掲載しております。著作者に無断で掲載資料の転載、二次利用を行なうことは禁じられています。また、参考文献、引用部分については出典元に著作権が帰属します。
- 基調講演「発達障害学生の就労支援を実現するための支援の在り方」
- 西村優紀美氏(富山大学保健管理センター・准教授)
- 話題提供1「発達障害のある学生の就労とセルフアドボカシー~米国の例を参考に日本の課題を考える~」
- ピーター・バーニック氏(長崎大学障がい学生支援室・助教)
- 話題提供2 「発達障害学生支援におけるセルフアドボカシー・アプローチ」
- 桶谷文哲氏(富山大学学生支援センター・特命講師)
分科会1「意思表明支援とセルフアドボカシー」
- 話題提供1「「修学支援における意思表明支援とは」」
- 西村優紀美氏(富山大学保健管理センター・准教授)
- 話題提供2「大学と就労の継続的セルフアドボカシー」
- 横山弘和氏(京都大学学生総合支援センター障害学生支援ルーム
※配付資料は当日配付のみとなります。
分科会2「発達障害者の安定的な雇用を考える」
- 話題提供1:「インターシップ゚等における大学と企業の連携による実践と課題」
- 工藤陽介氏(明星大学ユニバーサルデザインセンターコーディネーター)
- 話題提供2:「就職後のフォローアップ支援から見えてきた本人の成長と今後の展望」
- 日下部貴史氏(富山大学学生支援センター・アクセシビリティ・コミュニケーション支援室コーディネーター)