- アクセシビリティ(accessibility)
- 「近づきやすさ」「利用しやすさ」のことです。障害のある者が必要とする又は他の者が利用する設備や情報などに簡単にたどり着け、利用できることです。
- アセスメント(assessment)
- 障害者への合理的配慮の提供に当たり、障害者の現状や必要とされる支援内容などを把握し、支援内容を決定するまでのプロセスのことです。
- アドボカシー(advocacy)
- 自らの権利を表明することが困難な者に代わって、権利を主張し、擁護する行為のことです。
- アドボケイト(advocate)
- 障害のある者のように自らの権利を表明することが困難な者の味方として、ともに権利を主張し、擁護するために活動する人のことです。
- 医学モデル(Medical model)
- 障害を、個人の中にある問題とする考え方です。
- 意思の表明
- 社会的障壁の除去に関する配慮を必要としている状況にあることを言語(手話を含む)、点字、拡大文字、筆談、実物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝達等、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段(通訳を介するものを含む)により伝えることです。また、障害者からの意思の表明が困難な場合、障害者の家族、支援者・介助者、法定代理人等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行なう意思の表明も含みます。
- 医療的ケア
- 家族や医療関係者(看護師や介護福祉士など)が、日常的に行なっている喀痰吸引や経管栄養など、医療的に生活を援助する行為のことです。
- 過重な負担
- 合理的配慮の提供に当たって、大学等の「事務、事業への影響の程度、実現可能性の程度、費用・負担の程度、事務・事業規模、財政・財務状況」を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断を行ない、配慮の実施が大学等に与える負担が大きい場合のことです。
- 共生社会
- 社会活動において、障害の有無にかかわらず、相互の人格と個性を尊重し合い、積極的に参加・貢献していくことができる社会のことです。
- 建設的対話
-
- 障害のある学生本人の意思を尊重しながら、本人と大学等がお互いの現状を共有・認識し、双方でより適切な合理的配慮の内容を決定するための話合いのことです。
- 合意形成
- 障害のある学生と大学等が双方の意見一致(意思の一致)を図るために行なう話合いのプロセスです。
- 合理的配慮
- 障害のある者が、他の者と平等に「教育を受ける権利」を享有し、行使することを確保するために、大学等が必要かつ適当な変更・調整を行なうことです。障害のある学生に対し、その状況に応じて、大学等において教育を受ける場合に個別に必要とされるものであり、かつ大学等に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さない配慮のことです。
- 社会的障壁
- 障害のある者にとって、日常生活や社会生活を送る上で、障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもののことです。
- 社会モデル(Social model)
- 障害のある者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁(社会的障壁)と相対することによって生ずるものとする考え方です。
- 障害のある学生 (障害学生)
- 障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある学生のことです。
- 情報保障
- 障害のある学生及び教職員が日常生活や社会生活をしていく上で、障壁となるもの(バリア)によって情報の伝わり方に不自由がある場合に、周囲の情報を伝わりやすくするために、環境を整えることです。
例えば、教材の点訳・墨訳、テキストデータ化、拡大、動画教材(DVD)への字幕付け、色字への下線付、手話通訳者・ノートテイカー・パソコンノートテイカーの配置などがあります。 - 生活規制
- 健康状態の回復・改善等を図るために運動や安静、食事など日常の諸活動について、病気の状態や健康状態に応じて制限等の配慮をすることです。
- 第三者組織
- 障害のある学生と大学等の間で提供する支援の内容の決定が困難な場合に、第三者的視点に立ち調整を行なう組織のことです。
- チック
- 自分の意思とは関係なく、急速で反復、非律動的に突然生ずる明らかな目的のない動きや発声のことを言います。チックの継続期間は様々ですが、通常は抑制できるものであり、ストレスによって悪化し、睡眠中は消失します。通常の単純な運動性チックには、瞬目、首を急激に振ること、肩をすくめること、顔をしかめることなどがあります。音声チックには、喉を鳴らすこと、鼻をすすることなどがあります。
- 聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorder:APD)
- 中枢性の聴覚的な情報処理が困難な障害のことです。末梢聴力に明らかな問題はなく、聞えているにもかかわらず、騒音がある環境や歪みのある語音の理解が困難な状態のことです。
- 独語
- 会話の相手がいない時に、一人で喋る行為です。
- ノートテイク
- 講義内容や周りの様子等を紙に書き取って、文字で伝えることです。これらの作業を行なう人をノートテイカーと呼びます。
また、パソコンを使用して音声情報を文字で提供することを、パソコンノートテイクと言い、パソコンで作業を行なう人をパソコンノートテイカーと呼びます。
最近は、環境的に支援を提供することが困難な場合、通信設備を利用して、音声情報を遠隔地に送信し、文字情報を受信する遠隔パソコンノートテイクも増えています。 - バリアフリー
- 障害のある者が日常生活や社会生活をしていく上で、障壁となるもの(バリア)を除去することです。
- 不当な差別的取扱い
- 障害のある学生及び教職員に対して正当な理由もなく、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否、場所・時間帯などを制限、障害のない者に対しては付さない条件を付けることです。
- 紛争
- 大学等と学生が、双方の欲求が同時に充足されていない状況(対立した状況)で、自己の欲求の実現に向け、相互に要求と拒絶を行なっているプロセスです。
- モニタリング
- 障害のある学生が受けている支援の現状について、例えば「支援がきちんと行なわれているのか」「支援状況に問題はないか」などを把握することです。
- ユニバーサルデザイン
- 調整又は特別な設計を必要とすることなく、最大限可能な範囲で全ての人が使用することのできる製品、環境、計画及びサービスの設計のことです。また、特定の障害者の集団のための支援装置が必要な場合には、これを排除するものではありません。
作成者:周 英實
参考文献
- 1.世界保健機関.ICD-10精神および行動の障害-臨床記述と診断ガイドライン 2005年
- 2.文部科学省.障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ) 2012年12月21日
- 3.文部科学省.文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針 2016年4月1日
- 4.文部科学省.障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ) 2017年4月13日
- 5.独立行政法人日本学生支援機構.「障害者差別解消法」施行に伴う障害学生に関する紛争防止・解決等事例集(平成28年度収集事例) 2017年7月31日