事例1
申し出者 | 本人 |
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申し出を受けた
部署 |
保健室、学生相談室 |
申し出の内容 | クローン病発症後休学していた。復学の時点で、体調不良時には保健室のベッドで休養させてほしいとの申し出が保健室にあった。学生相談室には、治療と修学の両立、卒業後の進路の再検討、障害の受容について、相談室の利用を希望するとの申し出があった。 |
話し合いの内容 | 本人との話し合いで、本人のニーズ、当面の課題を確認。月日の経過とともに本人から看護師・保健師の資格をとりたい(修学の)意思が示されたため、学生相談室が、修学のための環境を整えるために担当部署とコーディネートを行なう役割を担うようになった。 |
提供した配慮 | 体調不良時に保健室のベッドを利用。復学当初は他学科への所属変更を視野に入れた担当部署との話し合い。看護学修学の意志が明確になってからは、看護学科教員へ疾患の状況と留意事項を伝えるための話し合いのセッティングや資料作りの支援。実習期間中の心身の体調管理に関する相談支援。 |
解説 | クローン病は、消化器系の難病である。体調不良時における保健室のベッド利用とキャリアに関する相談が申し出の内容であり、それに対して、保健室と学生相談室が連携し、本人の意思に沿って適切に対応し、変更・調整を行なっている。 |
事例2
申し出者 | 本人、保護者 |
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申し出を受けた部署 | 修学支援を必要とする場合は入学時に申し出ることとなっており、文書により申し出があった。 |
申し出の内容 | 医療行為(自己注射等)をするための個室使用、過激なスポーツ(マラソン等)の禁止に対する配慮、必要に応じて授業中でも補給薬を飲むことの許可、意識を失った場合の救急車の手配、通院及び検査のための欠席についての配慮、また体育の授業は昼休み直後に実施してほしいとの要望があった(昼休み直後でなければ参加できないため)。 |
話し合いの内容 | 学内委員会において要望に対してどのように対応するかについて報告を行なった。また、担当教員や医務室、体育教員へ情報提供を行ない、対応について依頼した。 学生・保護者との面談を実施し、希望どおり対応する旨を説明した。 |
提供した配慮 | 自己注射のための個室を確保する。体育の授業や補給薬の飲用については、担当教員及び体育教員に情報提供を行ない、対応してもらうこととなった。通院のための欠席については担当教員と保護者が状況について密に連絡をとり合い、相談することとした。また、体育の授業については、昼休み直後の時間でなければ参加できないとのことだったため、参加できる授業時間割を作成した。 |
解説 | 自己注射が必要な場合、授業中でも補給薬を飲まなくてはならない場合がある。本人、保護者の要望に対して、担当教員や医務室、体育教員へ情報提供を行ない、適切に対応し、変更・調整を行なっている。 |
事例3
申し出者 | 本人、母親 |
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申し出を受けた部署 | 保健センターの看護職、教務課 |
申し出の内容 | 心臓疾患のため大学内で病状悪化の可能性があり、大学内での休養先の確保、緊急時の対応、救急時に使用するキットの預かりに関する要望があった。また授業科目の教室をエレベーターのある施設への変更してほしいとの希望があった。 |
話し合いの内容 | 本人と保護者、保健センター所長及び看護職で、病状及び支援要望の確認と学生生活上のアドバイス等の話し合いの場を持った。保健センターでは、可能な支援内容についての説明と確認、及び担当教員と教務課に対する支援相談の提案を行なった。教員等からの理解が得られない場合は保健センターにて対応する旨を話し、当該学生は納得した。教務課では、事前申請があればエレベーターのある教室等の配慮は可能である旨を、当該学生に回答した。 |
提供した配慮 | 【大学内での休養先の確保】保健センター等を利用することとした。安全対策担当部署に報告し、警備員への対応徹底を依頼した。 【救急キット】保健センター預かりとした。救急時の対応を医療スタッフに周知した。 【授業科目の教室変更】一部の科目を除き変更した。変更できなかった科目はスロープのある施設を利用して移動するよう当該学生に説明し、了承を得た。また定期試験の実施教室もエレベーターのある施設を手配した。 |
解説 | 心臓疾患は就学者には比較的多い疾患である。本事例は、大学内で病状悪化の可能性があるため大学内での休養先の確保、緊急時の対応、救急時に使用するキットの預かりに関する要望があり、加えて授業科目の教室をエレベーターのある施設への変更の希望があり、これらの変更・調整を適切に行なっている。 |
事例4
申し出者 | 本人、母親 |
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申し出を受けた部署 | 担当教員、保健室 |
申し出の内容 | 食物アレルギーの診断があり、アナフィラキシ―ショックを起こす可能性があるため、エピペンの携帯、緊急時の体制についての相談があった。アレルギーを起こしやすい食品、化学物質についてもあわせて説明を受けた。 |
話し合いの内容 | 担当教員と保健室に相談があった。所属学科と障害学生支援委員会で対応について協議し、教職員会議で看護師からエピペン使用方法について説明を行なった。 |
提供した配慮 | 担当教員と本人が密に連絡をとり、その都度解決している。 また、工場見学、遠足などのアレルギー反応が起こらないように慎重に場所の選定している。加えて、医療機関から注意点などを記載した診断書を預かっている。 |
解説 | 食物アレルギーは、近年非常に増加している疾患である。場合によっては死に至る疾患でもある。アナフィラキシ―ショックを起こす可能性があるため、エピペンの携帯、緊急時の体制についての相談があり、適切に変更・調整を行なっている。 |