[ 試験の目的 ]
この試験は,外国人留学生として,日本の大学(学部)等に入学を希望する者が,大学等において勉学するに当たり必要とされる数学の基礎的な学力を測定することを目的とする。
[ 試験の種類 ]
数学の試験には,コース1とコース2がある。コース1は,数学をそれほど必要としない学部・学科のための試験であり,コース2は,数学を高度に必要とする学部・学科のための試験である。
受験者は,各自の志望する大学の学部・学科の指定に従い,コース1かコース2のどちらか一方を選択する。
[ 記号・用語 ]
記号は日本の高等学校の標準的な教科書に準拠する。
日本語で出題される試験問題では,日本の高等学校の教科書で通常用いられている用語を使用し,英語で出題される試験問題では,英語の標準的な用語を使用する。
[ 出題範囲 ]
出題範囲は以下のとおりである。なお,小学校・中学校で学ぶ範囲については既習とし,出題範囲に含まれているものとする。
- コース1 の出題範囲は,以下の出題項目のうち 1, 2, 3, 4, 5, 6 を範囲とする。
- コース2 の出題範囲は,以下の出題項目の 1 から 18 までのすべてを範囲とする。
- 1.数と式
- 2.2次関数
- 3.図形と計量
- 4.場合の数と確率
- 5.整数の性質
- 6.図形の性質
- 7.いろいろな式
- 8.図形と方程式
- 9.指数関数・対数関数
- 10.三角関数
- 11.微分・積分の考え
- 12.数列
- 13.ベクトル
- 14.複素数平面
- 15.平面上の曲線
- 16.極限
- 17.微分法
- 18.積分法
<出題項目>
1. 数と式 ・・・ 数学I
(1)数と集合
1) 実数
2) 集合と命題
(2)式の計算
1) 式の展開と因数分解
2) 1次不等式
3) 絶対値と方程式・不等式
2. 2次関数 ・・・ 数学I
(1)2次関数とそのグラフ
1) 2次関数の値の変化
2) 2次関数の最大・最小
3) 2次関数の決定
(2)2次方程式・2次不等式
1) 2次方程式の解
2) 2次関数のグラフと2次方程式
3) 2次関数のグラフと2次不等式
3. 図形と計量 ・・・ 数学I
(1)三角比
1) 正弦,余弦,正接
2) 三角比の相互関係
(2)三角比と図形
1) 正弦定理,余弦定理
2) 図形の計量 (空間図形への応用を含む)
4. 場合の数と確率 ・・・ 数学A
(1)場合の数
1) 数え上げの原則 (集合の要素の個数,和の法則,積の法則を含む)
2) 順列・組合せ
(2)確率とその基本的な性質
(3)独立な試行と確率
(4)条件付き確率
5. 整数の性質 ・・・ 数学A
(1)約数と倍数
(2)ユークリッドの互除法
(3)整数の性質の応用
6. 図形の性質 ・・・ 数学A
(1)平面図形
1) 三角形の性質
2) 円の性質
(2)空間図形
1) 直線と平面
2) 多面体
7.いろいろな式 ・・・ 数学II
(1)式と証明
1) 整式の除法,分数式,二項定理,恒等式
2) 等式と不等式の証明
(2)高次方程式
1) 複素数と2次方程式の解
2) 因数定理
3) 高次方程式の解法と性質
8. 図形と方程式 ・・・ 数学II
(1)直線と円
1) 点の座標
2) 直線の方程式
3) 円の方程式
4) 円と直線の関係
(2)軌跡と領域
1) 軌跡と方程式
2) 不等式の表す領域
9. 指数関数・対数関数 ・・・ 数学II
(1)指数関数
1) 指数の拡張
2) 指数関数とそのグラフ
(2)対数関数
1) 対数の性質
2) 対数関数とそのグラフ
3) 常用対数
10. 三角関数 ・・・ 数学II
(1)一般角
(2)三角関数とその基本的な性質
(3)三角関数とそのグラフ
(4)三角関数の加法定理
(5)加法定理の応用
11. 微分・積分の考え ・・・ 数学II
(1)微分の考え
1) 微分係数と導関数
2) 導関数の応用
接線,関数値の増減(関数の値の変化,最大・最小,極大・極小)
(2)積分の考え
1) 不定積分と定積分
2) 面積
12. 数列 ・・・ 数学B
(1)数列とその和
1) 等差数列と等比数列
2) いろいろな数列
(2)漸化式と数学的帰納法
1) 漸化式と数列
2) 数学的帰納法
13. ベクトル ・・・ 数学B
(1)平面上のベクトル
1) ベクトルとその演算
2) ベクトルの内積
(2)空間座標とベクトル
1) 空間座標
2) 空間におけるベクトル
14. 複素数平面 ・・・ 数学III
(1)複素数平面
1) 複素数の図表示
2) 複素数の極形式
(2)ド・モアブルの定理
(3)複素数と図形
15. 平面上の曲線 ・・・ 数学III
(1)2次曲線
放物線,楕円,双曲線
(2)媒介変数による表示
(3)極座標による表示
16. 極限 ・・・ 数学III
(1)数列とその極限
1) 数列の極限
2) 無限級数の和
(2)関数とその極限
1) 分数関数と無理関数
2) 合成関数と逆関数
3) 関数の極限
4) 関数の連続性
17. 微分法 ・・・ 数学III
(1)導関数
1) 関数の和・差・積・商の導関数
2) 合成関数の導関数,逆関数の導関数
3) 三角関数・指数関数・対数関数の導関数
(2)導関数の応用
接線,関数値の増減,速度,加速度
18. 積分法 ・・・ 数学III
(1)不定積分と定積分
1) 積分とその基本的な性質
2) 置換積分法・部分積分法
3) いろいろな関数の積分
(2)積分の応用
面積,体積,長さ