日本留学試験 受験者の声(ハン オジンさん/韓国)

ハン オジンさん ※渡日前入学許可による留学

人生初の目標であった日本留学に良いスタートを切りながら

1.留学の動機・きっかけ

私は中学生の時から日本のドラマとJ-POPが好きで、日本の文化に大きな関心をもっていました。高校3年生頃までは日本語が全くわからない状況であったため、日本の様々なメディアについて韓国語字幕がなければその内容を楽しむことができませんでしたが、突然、字幕なしの動画を見ながら自分で日本のメディアを楽しみたいという思いと同時に、画面だけで味わっていた日本の文化を直接肌で感じたいと思い立ちました。その時から私は「いつかは日本に住みたい」という夢を持ち始め、趣味として日本語の勉強を始めることになりました。単純に趣味として勉強してきた日本語能力試験を短期間で合格することができ、日本語に関しての興味はもっと深くなりました。そして 元々大学に進学するつもりではありませんでしたが、進路について真剣に考えた高校3年生の時「せっかく勉強するなら、私が好きな日本に行って勉強したい」と思い、他の受験生とは違い少し遅く受験生活を始めることになりました。

2.留学した都道府県・地域や、学校を選んだ理由と留学前の準備

私は元々日本の関西地方に大きな関心を持っていました。ソウル生まれの私は関東地方とソウルとの違いを感じられなかったので、日本で住むことにしたら、一番日本らしい関西地方で住もうと考え、関西地方にある大学を探すことにしました。希望大学を探していたところ、同志社大学には文化情報学部があることがわかりました。文化情報学部では文化だけではなく、情報科目も学べることに魅力を感じました。特に、この学部では普通に思われる様々なメディアや芸術だけの「文化」ではなく、人間のすべての行動を「文化」として扱い、それを情報科目で学べるデータサイエンス知識を活かして研究できる点が興味深く、更に、この学部では日本や韓国にある他の大学では学べられない「文化情報学」という学問を身に付けることができるので、この学部を志望することにしました。

同志社大学文化情報学部棟

同志社大学京田辺キャンパスのツリー

3.私の日本留学試験学習法

日本語の勉強を始めた時は、もっと日本語を聞き取りやすくするために、日本のドラマや番組などを見たり、またJ-POPを毎日聞きました。その時は韓国の高校の日本語授業で学んだ、ひらがなとカタカナしか知らなかったため、単純に日本のメディアを楽しむだけではなく、番組の字幕や歌の歌詞を見ながら、日本で使う漢字と日本語の表現に慣れるために努力しました。特に、日本の番組を見ると日本人の早口に慣れるので、普通の日本語会話より速度が遅く、発音がきれいな留学試験の問題をより解きやすくなりました。そして、聴読解問題が終わったらすぐ聴解問題がはじまるので集中力が切れるかもしれませんが、聴解問題では問題の最後の一言まで聞き、聴解問題が終わるまで集中することが何よりも大事です。読解問題を勉強する時は、問題によく出る日本語表現や文法、そして単語を直接読みながら書いて丸暗記しました。読解問題を解くためには、日本語表現を多く覚えることと、同じく速読することが大事です。解く時間を短くするため、私はストップウォッチを用いて問題を解きました。
総合科目と数学は韓国の高校のカリキュラムとは違う部分がたくさんあるので、丸暗記する必要があります。特に総合科目は韓国とは違い地理・歴史・経済などすべての社会科目を覚える必要があります。そのため私は総合科目と関連している本を読むことと、最新資料を探して覚えながら勉強しました。

4. 授業、学生生活、日常生活

-授業と勉強
私が日本の大学に通いながら一番良かったと思った点は、日本の大学は韓国の大学とは違って、自分が受講したい授業を中心として自分の時間割表を作ることができることです。韓国のすべての大学生は自分が受講したい授業をとるため、すべての科目をネットで履修登録しますが、履修登録に失敗すると、自分も他の学生と同じ学費を払うにもかかわらず、単位のために自分の関心がない授業を受講しなければいけません。もちろん私が通っている同志社大学にも「先行登録」という制度があり、人気がある授業はその制度を通して抽選された学生だけがとれます。しかし、それ以外の大体の授業は、自分の専攻に関連している授業をとることができるため、自分の学びたいことについてきちんと勉強することができます。また、最初、日本語で授業を受ける時には少し不慣れでしたが、どんどん授業が進むにつれて、私も日本語で受ける授業に慣れていきました。
テスト期間は課題とテストが多いので、学期中でテスト期間が一番忙しいですが、テストを準備する時私が学んでいる「文化情報学」についての知識を確かめながら、自分に足りない部分を重点的に勉強できたので、学問的な勉強にとても役に立ちました。
-学校生活
私が初めて日本に来たときは、まだコロナパンデミックの影響で、必ず指定された施設で隔離されなければならない状態でした。そのため、ビザと在留資格も他の留学生より遅くもらうことになり、入学式も参加できず、2回目の授業まではオンラインで授業を受けました。
他の学生より遅く学校に行くことになったので、新しい友たちを作ることができるか心配でしたが、同じ学部のいい人たちとたくさん出会って、楽しい大学生活を楽しむことができています。そして、サークル活動をしながら同じ学部だけではなく、他の学部・他のキャンバスの人たちも会えることができ、新しい友だちと新しい経験ができたのですごく幸せです。
-住居
私が韓国にいる頃は家族と一緒に暮らしていたので、日本に来て初めて一人暮らしをすることになりました。韓国でネットを通して日本の部屋を探そうと思いましたが、部屋の内見もせずすぐ契約することは嫌だったので、日本でコロナ隔離が終わってから半年くらい、学校の女子寮に住みました。私が住んだ女子寮は、学校と提携している不動産屋が直接管理しており、管理員さんもいらっしゃったので、安心して暮らすことができました。半年間女子寮で住みながら私の条件に合う物件をネットで毎日探し、現在は学校まで歩いて行けるマンションに引っ越して暮らしています。日本は敷金・礼金という制度があることなど韓国とは違うところが多いので、不動産屋で物件の関連資料を読むとき、その点をチェックしながら部屋を探す方が良いです。

軽音楽サークルで行ったライブで

大学の友達とつくったたこ焼き

5.渡日前入学許可を利用して良かった点

母国で日本留学試験を受け、大学の合否をわかるようにしてくれる渡日前入学許可制度を通すことで、留学を準備する時間をより短くすることができて、すごく良かったです。海外留学を準備するためには、その留学試験の準備はもちろん、合格した後の書類など準備するものがたくさんありますが、同志社大学の入試では、渡日前入学許可制度を通してそれらをきちんと用意することができました。もし日本に行ってから留学準備をしたら、誰も知らない他国で一人で受験生活を過ごすことになるので、心理的・経済的にとても辛いかもしれないと思います。渡日前入学許可制度を利用することで、このような辛い思いをすることなく、私の人生の目標の1つであった日本留学を目指して、勉強に集中することができました。渡日前入学許可制度は私が今まで留学生活を続けることができたその理由の1つだと思います。何の準備もなく、いきなり日本に来てから受験生活を始めていたとしたら、日本に住むための必要な知識もなく、そのような状態では今のように立派な留学生になれなかったと思いますので、渡日前入学許可制度を通した留学準備のおかげで、より楽しく大学生活を過ごすことができています。

6.これから渡日前入学許可を利用して留学する方へのアドバイス

一番伝えたいことは、渡日前入学許可制度がある大学の中で、皆さんが行きたい学校を目指して頑張って勉強することが、何よりも大事であるということです。そして、単に日本留学試験に向けて準備することだけではなく、自分の志望大学についてもよく調べる必要があると思います。自分が行きたい学校はどんな学校で、どんな授業があるのかなど、その学校について詳しく分かるようになったら、その学校への熱意はより強くなるので、勉強に役に立つと思います。なお、同じ大学であっても、学部によってその学部が求める日本留学試験の成績や、他試験の英語の成績を証明する書類がそれぞれ異なるので、各学校の入試要項を必ず確認してください。
そして、今日本留学を準備している受験生の皆さんは、皆さんの周りの他の友人たちとは違う進路を選び、その過程も違うので他の人と自分を比較してしまい、自尊心がすごく落ちているかもしれません。私もそのような時期がありましたが、そんなことは気にせず、将来日本で幸せな大学生活を過ごすことを考えながら、頑張って勉強してここまで来ることができました。
苦しい時があるからこそ幸せな時は必ず来るので、皆さんも頑張ってください!