- [ 試験の目的 ]
- この試験は,外国人留学生として,日本の大学(学部)等に入学を希望する者が,大学等において勉学するに当たり必要とされる理科科目の基礎的な学力を測定することを目的とする。
- [ 試験の種類 ]
- 試験は,物理・化学・生物で構成され,そのうちから2科目を選択するものとする。
- [ 出題の範囲 ]
- 出題の範囲は,以下のとおりである。なお,日本の小学校・中学校で学ぶ範囲については既習とし,出題範囲に含まれているものとする。出題の内容は,それぞれの科目において,項目ごとに分類され,それぞれの項目は,当該項目の主題又は主要な術語によって提示されている。
生物シラバス
出題範囲は,日本の高等学校学習指導要領の「生物基礎」及び「生物」の範囲とする。
I 生物の進化
1.生命の起源と細胞の進化
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(1)生命の起源
原始地球と化学進化 -
(2)細胞の進化
原核細胞の誕生と光合成生物の出現,真核細胞の誕生と細胞内共生,生物の進化と地球環境の変化
2.遺伝子の変化と遺伝子の組合せの変化
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(1)遺伝子とその変化
突然変異と生物の形質の変化,塩基の置換・挿入・欠失 -
(2)遺伝子の組合せの変化
遺伝子と染色体(遺伝子座・遺伝子型・表現型),性染色体と常染色体,減数分裂と受精,連鎖と組換え
3.進化の仕組み
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(1)進化の仕組み
遺伝子頻度と進化,遺伝的浮動と中立説,自然選択と適応進化 -
(2)種分化
隔離と種分化
II 生物の系統と進化
1. 生物の系統と進化
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(1)生物の系統と分類
塩基配列やアミノ酸配列,分子進化,脊椎動物の系統樹,形態による系統樹と分子系統樹 -
(2)ドメインと系統
細菌とアーキアの系統,真核生物の系統 -
(3)人類の系統と進化
霊長類の進化,人類の進化と拡散
III 生命現象と物質
1. 細胞と分子
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(1)生体物質と細胞
細胞を構成する物質,生体膜の構造,細胞小器官の構造と働き,細胞骨格 -
(2)生命現象とタンパク質
タンパク質の構造と性質,酵素の性質と機能,膜輸送タンパク質,受容体と情報伝達
IV 代謝
1. 代謝とエネルギー
- (1)同化と異化
- (2)ATPとエネルギー
2. 光合成
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(1)光合成と葉緑体
葉緑体の構造と光合成色素,光合成の仕組みとATPの合成 - (2)細菌の光合成
3.呼吸と発酵
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(1)呼吸とミトコンドリア
ミトコンドリアの構造,呼吸の仕組みとATPの合成 -
(2)発酵とその仕組み
乳酸発酵,アルコール発酵
V 遺伝情報の発現と発生
1.遺伝情報とその発現
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(1)DNAの分子構造と複製
塩基の相補性とDNAの複製,細胞周期とDNAの複製 -
(2)遺伝情報とその発現
転写・スプライシングと翻訳,原核生物における転写と翻訳
2.遺伝子の発現調節と発生
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(1)遺伝子の発現調節
転写の調節と調節遺伝子による調節,原核生物における遺伝子の発現調節,真核生物における遺伝子の発現調節 -
(2)発生と遺伝子発現
動物の配偶子形成と受精・卵割,形成体と誘導,細胞分化と形態形成,動物の発生に関わる遺伝子の発現,細胞の分化と遺伝子発現の調節
3.遺伝子を扱う技術
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(1)遺伝子を扱う技術
遺伝子の単離と増幅,遺伝子の構造や発現の解析 -
(2)遺伝子を扱う技術の応用
食糧生産への応用,医療への応用
VI ヒトの体内環境の維持
1.ヒトの体の調節
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(1)体液とその循環
血液凝固 - (2)自律神経系と内分泌系
- (3)免疫
VII 動物の反応と行動
1.動物の反応
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(1)刺激の受容と反応
神経系とニューロン,静止電位と活動電位,興奮の伝導と跳躍伝導,シナプスと情報の伝達,シナプスの可塑性 -
(2)受容器の仕組み
刺激の受容と適刺激,受容器から中枢神経への情報の伝達 -
(3)中枢神経系の構造と働き
脳の構造と働き,脊髄の構造と働き,反射の仕組み -
(4)効果器の仕組み
骨格筋の構造,興奮の伝導と筋収縮
2.動物の行動
- (1)生得的行動
- (2)習得的行動と学習
VIII 植物の成長と環境応答
1.被子植物の生殖と発生
- (1)配偶子形成
- (2)重複受精
- (3)胚発生
- (4)種子の形成
2.植物の一生と植物ホルモン
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(1)種子の発芽と光環境
種子の休眠と発芽,光発芽種子と暗発芽種子,光受容体 -
(2)植物の環境応答と成長
オーキシンの働き,光と重力への応答,屈性と傾性,気孔の開閉 -
(3)花芽形成と花の形成
光周性,花芽形成の仕組み,春化,花の構造とABCモデル - (4)果実の成長と成熟・落葉・落果
IX 生態と環境
1.個体群と生物群集
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(1)個体群とその特徴
生存曲線と年齢ピラミッド,個体群密度と種内競争,個体群内の相互作用(社会性) -
(2)生物群集とその特徴
捕食と被食,寄生と共生,種間競争と生態的地位(ニッチ)
2.生態系
- (1)植生の遷移とバイオーム
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(2)生態系の物質生産と物質循環
物質生産,栄養段階ごとの物質収支とエネルギーの流れ,物質循環(炭素の循環・窒素の循環・窒素同化) -
(3)生態系と人間生活
生態系と生物多様性,人間活動が生態系に及ぼす影響,生態系のバランスと保全
