- [ 試験の目的 ]
- この試験は,外国人留学生として,日本の大学(学部)等に入学を希望する者が,大学等において勉学するに当たり必要とされる理科科目の基礎的な学力を測定することを目的とする。
- [ 試験の種類 ]
- 試験は,物理・化学・生物で構成され,そのうちから2科目を選択するものとする。
- [ 出題の範囲 ]
- 出題の範囲は,以下のとおりである。なお,日本の小学校・中学校で学ぶ範囲については既習とし,出題範囲に含まれているものとする。出題の内容は,それぞれの科目において,項目ごとに分類され,それぞれの項目は,当該項目の主題又は主要な術語によって提示されている。
物理シラバス
出題範囲は,日本の高等学校学習指導要領の「物理基礎」及び「物理」の範囲とする。
I 力学
1.運動と力
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(1)運動の表し方
位置,変位,速度,加速度,相対運動,落体の運動,水平投射,斜方投射 -
(2)さまざまな力
力,重力,摩擦力,抗力,張力,弾性力,液体や気体から受ける力 -
(3)力のつり合い
力の合成・分解,力のつり合い -
(4)剛体にはたらく力のつり合い
力のモーメント,合力,偶力,剛体のつり合い,重心 -
(5)運動の法則
ニュートンの運動の3法則,力の単位と運動方程式,単位系と次元 -
(6)摩擦や空気の抵抗を受ける運動
静止摩擦力,動摩擦力,空気の抵抗と終端速度
2.エネルギーと運動量
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(1)仕事と運動エネルギー
仕事の原理,仕事率,運動エネルギー -
(2)位置エネルギー
重力による位置エネルギー,弾性力による位置エネルギー - (3)力学的エネルギーの保存
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(4)運動量と力積
運動量と力積,運動量保存則,分裂と合体 -
(5)衝突と力学的エネルギー
反発係数(はねかえり係数),弾性衝突,非弾性衝突
3.さまざまな力と運動
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(1)等速円運動
速度と角速度,周期と回転数,加速度と向心力,等速でない円運動の向心力 -
(2)慣性力
慣性力,遠心力 -
(3)単振動
変位,速度,加速度,復元力,振幅,周期,振動数,位相,角振動数,ばね振り子,単振り子,単振動のエネルギー -
(4)万有引力
惑星の運動(ケプラーの法則),万有引力,重力,万有引力による位置エネルギー,力学的エネルギーの保存
II 熱
1.熱と温度
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(1)熱と温度
熱運動,熱平衡,温度,絶対温度,熱量,熱容量,比熱(比熱容量),熱量の保存 -
(2)物質の状態
物質の三態,融点,沸点,融解熱,蒸発熱,潜熱,熱膨張 -
(3)熱と仕事
熱と仕事,内部エネルギー,熱力学第1法則,不可逆変化,熱機関,熱効率,熱力学第2法則
2.気体の性質
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(1)理想気体の状態方程式
ボイルの法則,シャルルの法則,ボイル・シャルルの法則,理想気体の状態方程式 -
(2)気体分子の運動
気体分子の運動と圧力・絶対温度,気体の内部エネルギー,単原子分子,二原子分子 -
(3)気体の状態変化
定積変化,定圧変化,等温変化,断熱変化,モル比熱
III 波
1.波
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(1)波の性質
波動,媒質,波源,横波と縦波 -
(2)波の伝わり方とその表し方
波形,振幅,周期,振動数,波長,波の速さ,正弦波,位相,波のエネルギー -
(3)重ね合わせの原理とホイヘンスの原理
重ね合わせの原理,干渉,定在波(定常波),ホイヘンスの原理,反射の法則,屈折の法則,回折
2.音
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(1)音の性質と伝わり方
音の速さ,音の反射・屈折・回折・干渉,うなり -
(2)発音体の振動と共振・共鳴
弦の振動,気柱の振動,共振・共鳴 -
(3)ドップラー効果
ドップラー効果,音源が動く場合,観測者が動く場合,音源と観測者が動く場合
3.光
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(1)光の性質
可視光,白色光,単色光,光と色,スペクトル,分散,偏光 -
(2)光の伝わり方
光の速さ,光の反射・屈折,全反射,光の散乱,レンズ,球面鏡 -
(3)光の回折と干渉
回折,干渉,ヤングの実験,回折格子,薄膜による干渉,空気層による干渉
IV 電気と磁気
1.電場
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(1)静電気力
物体の帯電,電荷,電気量,電気量保存の法則,クーロンの法則 -
(2)電場
電場,点電荷のまわりの電場,電場の重ね合わせ,電気力線 -
(3)電位
静電気力による位置エネルギー,電位と電位差,点電荷のまわりの電位,等電位面 -
(4)電場の中の物体
電場中の導体,静電誘導,静電遮蔽,接地,電場中の不導体,誘電分極 -
(5)コンデンサー
コンデンサー,電気容量,誘電体,コンデンサーに蓄えられる静電エネルギー,コンデンサーの接続
2.電流
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(1)電流
電流,電圧,オームの法則,抵抗と抵抗率,ジュール熱,電力,電力量 -
(2)直流回路
抵抗の直列接続と並列接続,電流計,電圧計,キルヒホッフの法則,電池の起電力と内部抵抗,抵抗の測定,起電力の測定,抵抗率の温度変化,コンデンサーを含む回路 -
(3)半導体
n型半導体,p型半導体,pn接合,ダイオード
3.電流と磁場
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(1)磁場
磁石,磁極,磁気力,磁気量,磁場,磁力線,磁化,磁性体,磁束密度,透磁率,磁束 -
(2)電流がつくる磁場
直線電流がつくる磁場,円形電流がつくる磁場,ソレノイドの電流がつくる磁場 -
(3)電流が磁場から受ける力
直線電流が磁場から受ける力,平行電流が及ぼし合う力 -
(4)ローレンツ力
ローレンツ力,磁場中の荷電粒子の運動,ホール効果
4.電磁誘導と電磁波
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(1)電磁誘導の法則
電磁誘導,レンツの法則,ファラデーの電磁誘導の法則,導体が磁場を横切るときの誘導起電力,ローレンツ力と誘導起電力,渦電流 -
(2)自己誘導,相互誘導
自己誘導,自己インダクタンス,コイルに蓄えられるエネルギー,相互誘導,相互インダクタンス,変圧器 -
(3)交流
交流の発生,交流電圧,交流電流,位相,周波数,角周波数,抵抗を流れる交流,実効値 -
(4)交流回路
コイルのリアクタンスと位相差,コンデンサーのリアクタンスと位相差,消費電力,交流回路のインピーダンス,共振回路,振動回路 -
(5)電磁波
電磁波,電磁波の発生,電磁波の性質,電磁波の種類
V 原子
1.電子と光
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(1)電子
放電,陰極線,電子,比電荷,電気素量 -
(2)粒子性と波動性
光電効果,光子,X線,コンプトン効果,ブラッグ反射,物質波,電子線の干渉と回折
2.原子と原子核
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(1)原子の構造
原子核,水素原子のスペクトル,ボーアの原子模型,エネルギー準位 -
(2)原子核
原子核の構成,同位体,原子質量単位,原子量,原子核の崩壊,放射線,放射能,半減期,核反応,核エネルギー,質量とエネルギーの等価性 -
(3)素粒子
素粒子,4つの基本的力
