渡日前入学許可実施のために

渡日前入学許可の定義

日本留学試験を利用した渡日前入学許可とは、外国人留学生の入学選考に日本留学試験の成績を利用し、国外から直接応募を受け付け、入学選考のために応募者 に渡日させることなく合否を判定し入学を許可する仕組みのことをいいます。従って、日本留学試験を日本国内の会場で受験した者からの応募については、ここ でいう渡日前入学許可には該当しません。

選考スケジュール

電話や郵便など通信事情の悪い国や地域もあること。また、出国のための旅券や渡日のための査証取得に時間を要する場合もありますので、特に合格発表から来日までの期間にゆとりを持ったスケジュールづくりが望ましいです。

手続き日程(参考例)

国外での広報

日本留学試験を利用した渡日前入学許可を導入しても国外で効果的な広報をしなければ応募者を得ることができません。
ここでは、国外での広報の在り方を説明します。

1. 大学案内等の作成

国外の留学希望者にPRするための大学案内等の資料が必要です。日本語と英語での作成はもちろんのこと、必要に応じ、他の言語でも作成すると留学希望者にとって便利となるでしょう。
また、資料は、留学希望者が興味を持つような内容にする工夫が必要です。

2. ホームページの活用

インターネット技術が進化し、情報の発信手段としてインターネット上のホームページの活用は必須となってきています。インターネットの活用は、いつでも、 どこでも最新の情報を入手できるという点が最大のメリットです。大学案内等の資料と同様に日本語と英語での作成、また、必要に応じ他の言語での作成も留学 希望者にとって便利となるでしょう。

3. 各国で開催される留学説明会への参加

現在、各国で様々な留学説明会が開催されています。代表的なものとして本機構が主催する「日本留学フェア」などがありますが、それ以外にも現地の政府機関 や民間業者が主催する留学説明会が数多くあり、それらに参加することによって留学希望者に直接接触することができ、有効な広報手段となります。
なお、本機構の主催する「日本留学フェア」についてのお問い合わせは、infoja@jasso.go.jp にお寄せください。

4. 現地の新聞や雑誌などへの広告の掲載

現地の有力新聞や教育関係の新聞や雑誌に広告を掲載することも有効な広報手段となります。広告掲載の注文については、直接各国の新聞社や出版社に申し込む ことになりますが、日本国内に支社のある新聞社や出版社、また、広告代理店を通じて申し込むことができる場合もあります。

5. 現地機関への広報

現地の留学予備教育機関や日本留学の実績のある高等学校等を積極的に訪問し、学校のPRを行うことも有効な広報手段となります。

6. 本機構海外事務所への資料の送付

インドネシア(ジャカルタ)、韓国(ソウル)、タイ(バンコク)、マレーシア(クアラルンプール)及びベトナム(ハノイ)にある本機構海外事務所では、日本留学希望者への留学情報の提供、留学相談の業務を行っています。
外国人留学生募集要項や学校案内を直接各事務所にお送りくだされば、各事務所の図書資料コーナーでの配付協力ができますので、ご活用ください。

日本留学試験の利用科目と出題言語

国外の日本留学希望者にとって、現地の日本語教育施設の関係等から理科、総合科目、数学の基礎学力測定科目を日本語の出題で受験するのは困難な場合があり ます。 従って、渡日前入学許可を促進する観点から、出題言語については、日本語のみに限定せず、日本語、英語とも選択を可能にすることが望ましいです。

選考料

国外の日本留学希望者にとって、選考料が日本国内と同額の場合、大きな負担となる可能性があります。渡日前入学許可は書類選考ですので、国内で大学が行う 入学試験を受験するのとは異なるわけですので、国内で行う入学試験の受験料より安い料金で行われれば、国外の受験者の負担も軽減されることになります。ま た、国外送金により受験料の支払いを受けることになりますので、金額は日本円建てのほか米ドル建ての設定もご検討ください。

選考料と入学金の受け取り

国外から選考料と入学金を受け取る方法は、以下のとおりです。

ここでは、国外から送金を受ける場合について、いくつかの渡日前入学許可実施大学で採用されている方法を例として掲載いたしますが、具体的にはお取引のある金融機関にご相談ください。

1. 大学指定の銀行口座へ送金を受ける

(1) 応募者が選考料を最寄りの外国為替取り扱い金融機関の窓口で当日の為替レートで現地通貨で支払います。その際に発生する送金手数料等は応募者本人が負担します。
(2) 日本の大学の指定する銀行口座には取り扱った金融機関の円為替取扱手数料(2,000円から3,000円程度)を差し引いた金額が入金されます。 なお、この円為替取扱手数料を送金人負担とすることができる場合があります。

2. 送金小切手の送付を受ける

(1) 応募者が最寄りの外国為替取り扱い金融機関の窓口で選考料額(円建て)の送金小切手を作成します。その際に発生する手数料は応募者本人が負担します。
(2) 応募者が送金小切手を出願書類に同封するなどして日本の大学に郵送します。
ただし、送金小切手は、紛失した場合には再発行に時間がかかります
(3) 日本の大学は受け取った送金小切手を最寄りの外国為替取り扱い金融機関の窓口で換金します。その際、円為替取扱手数料(2,000円から3,000円程度)を支払う必要があります。
* お取引のある金融機関の国外の提携先金融機関を取扱金融機関として指定することで、円為替取扱手数料を決まった金額とすることもできるようです。

現地での面接等

渡日前入学許可においては、面接を行わず書類選考のみで合否を判断することが望ましいのですが、応募者の日本語会話力測定等の目的で面接を行いたい場合が あるかもしれません。また、渡日前入学許可を実施したいのだけれども、面接方法が決定できないために導入を延期している場合もあるかと思います。
ここでは、現地で面接を行う方法についてご紹介いたします。

1. 現地での面接

(1) 応募者と連絡を取り、面接の日時を決め、面接者が現地に出張して面接を行う。
(2) 現地の会議施設を予約し、応募者に日時と場所を通知し、面接者が現地に出張して面接を行う応募者を一同に集めることができるため、応募者が多い場合には便利な方法です。

2. 電話によるインタビュー

応募者に対して面接者が電話によってインタビューを行う。現地への出張が必要ないので経費の削減ができるメリットがありますが、本人確認がし難いというデメリットもあります。

3. インターネット会議システムを利用しての面接

光ケーブルやADSLなどを利用して高速でインターネットに接続できる環境の整った国・地域からの応募者への面接にはインターネット会議システムを利用し た面接を行うことができます。このインターネット会議システムは、インターネットプロバイダーの提供するサービスの一つで、通常使用しているパソコンに簡 易カメラとヘッドセットを付けるだけで映像と音声による通信が行えるというサービスです。現地に事務所や協力機関がある場合には、比較的簡単にこの方法を 採用することができると思いますが、そうでない場合には、現地での会場の確保、機器のレンタル等について、現地の業者に手配を委託する必要があります。

在留資格認定申請

入学金を納めた合格者の査証取得のために在留資格認定申請は、手続き時間の問題や申請者が日本に知人がいないなどの理由から、各大学が行うケースが多いようです。また、在留資格認定申請には入学許可証が必要になります。

保証人

1. 入学時に必要な保証人等

高等教育機関が留学生に求める保証人としては、入学時の身元保証、学費未納の債務保証、高等教育機関が設置している留学生宿舎及び一般学生寮の家 賃等債務 保証などが考えられますが、文部科学省から高等教育機関に対する指導として、平成9年10月8日付け文学留第145号「留学生交流の推進について(通 知)」で指摘されているように、多くの高等教育機関では、留学生に保証人を求めずに、国内(及び母国)における本人不在時の連絡先の届け出をもって足り る、といった措置を行っています。渡日前入学許可を検討する高等教育機関は、このような措置を行う必要があります。

2. 入居時に必要な保証人

民間アパートを借りる際、家主が留学生に対して連帯保証人を求めることになっています。連帯保証人は、入居者が家賃を支払わなかったり、突然いなくなった場合に、入居者に代わって滞納家賃を支払う義務をもつもので、日本社会に深く根付いているものです。
しかしながら、渡日前入学許可制度を利用して来日する留学生が容易に保証人を確保する事も、また、困難であることは言うまでもありません。そこで、多くの 渡日前入学許可実施を行っている機関では、渡日前入学許可で来日する留学生の機関保証を行うことで、この問題を解決しているところが多いようです。大学等 が機関保証を行うにあたっては、「留学生住宅総合補償制度」などを利用しているケースもあります。

お問い合わせ
独立行政法人日本学生支援機構 留学生事業部 留学試験課
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