令和6年度「キャリア教育・就職支援ワークショップ」開催報告

全国の大学、短期大学、高等専門学校の管理者及びキャリア教育・就職支援に携わる教職員に対し、キャリア教育から就職まで一貫した支援をより充実させるため、産業界からの参加を得て、トークセッションやグループワーク等を行いました。教育界と産業界が双方の要望や課題等について認識を共有することで、より実践的な産学連携教育の推進を図ることを目的として実施しました。

1.実施概要

2.プログラム詳細

参加者は、目線合わせのための事前課題を通読し、感想を提出・共有した上で、当日プログラムに臨みました。
当日プログラムでは、3回のトークセッションとそれに伴うグループディスカッション、最後に「10年後のキャリア支援を想像し、今(から)自身でできること・すべきこと」を考えるグループワークを実施しました。
詳細は下記資料およびグラフィックレコーディングをご覧ください。

「社会構造・キャリア観・就職/採用活動の変化の兆しをとらえる~学校・企業・キャリアセンターはどう変わるのか~」

日本社会は、加速する人口減少、社会構造の変化、テクノロジーの急速な発展に伴い、大きな転換期を迎えています。
今起きている変化の兆しをとらえ、より良い就職支援・採用を考えていくために、
本ワークショップでは、「人口減少がもたらす環境の変化と労働市場の変化」「学生・若手社会人のキャリア観の変化」
「就職/採用活動のデジタル化がもたらした変化と対応」の3つのトピックを取り上げます。
登壇者のトークセッションを聞き理解を深め、ディスカッションを行った後、教育界と産業界が力を合わせ
「10年後のキャリア支援のために今(から)できること・すべきこと」について考えていきます。

リクルート就職みらい研究所の栗田所長より「人口減少がもたらす環境の変化と労働市場の変化」と題した講演を行った。就業観の変化や新卒市場の変化などを紹介した。

今感じている環境の変化についてグループで話し合い、全体で内容を共有した。「就職活動の早期化」「転職やセカンドキャリアも視野に入れた活動」などの声が挙がった。

リクルート就職みらい研究所の栗田所長より「学生・若手社会人のキャリア観の変化」と題した講演を行った。働きたい職場の特徴や十代の意識の変化などを紹介した。

今感じている若者の変化についてグループで話し合い、全体で内容を共有した。「初任配属地を確約して安心したい希望がある」「個別対応を求めている」などの声が挙がった。

リクルート就職みらい研究所の栗田所長より「就職・採用活動のデジタル化がもたらした変化と対応」と題した講演を行った。面接開始時期の早期化や生成AIの活用についてなどを紹介した。

今感じているデジタル化に伴う変化と対応についてグループで話し合い、全体で内容を共有した。「就職活動と学業との両立が効率化された」「デジタル化でアナログの良さを再発見した」などの声が挙がった。

「10 年後のキャリア支援のために今からできること・すべきことを考える」と題してグループで話し合い、内容を全体で共有した。「過去の自分にとらわれない素地を作る」「企業も個人のキャリアを考えサポートする」などの声が挙がった。

最後にまとめとして、モデレーターとゲストより「私たちはよりよく生きるために学び働く」「働く人が幸せになり、企業も成長していくためには、どういう生き方が幸せなのか」などが話題に挙がった。

アンケート

ワークショップ終了後のアンケートでは、学校関係者、企業関係者から下記の声が寄せられました。

【学校関係者】

  • 企業の人事担当者の皆様の意見は大変貴重なものであり、今後の学生支援活動に生かしていきたいと思います。
  • 多くの方とディスカッションすることにより、新たな発見や凝り固まった考えがより柔軟になりました。
  • 大学、企業、双方の意見を聞くことで、未来志向での学生支援を考えることができた。

【企業等関係者】

  • ワークセッションを通じて多くの大学キャリア担当者のお話を伺うことができ、非常に濃密な学びの時間となりました。労働人口減少とAI活用により、10年後のために今できること、やるべきことをスピード感をもって取り組まねばならないと感じました。
  • 人事担当者として、この先10年で向かう先について考える良いきっかけになりました。
  • 普段は学生を採用する側の立場ではあるが、学生を企業に送る立場の人の意見を聞けて良かった。今の学生の考えを間近に聞いている方の話は中々聞けないので、採用に生かしたいと思う。