学期末試験や小テストにおいては、視覚障害学生に対しても通常の学生と同じ内容の課題を課すことが原則です。ただし、通常の問題用紙や解答用紙の使用が困難であり、また出題形式や問題の分量によっては解答に時間がかかることもあるため、以下のような配慮が必要となります。
(1)出題
必要な支援・配慮事項
- 原則として通常の試験と同じ内容の試験を課す。
- 語学や理数系の試験、その他煩雑な問題形式の試験については、専門点訳組織に依頼して点字問題を作成する。
- 弱視学生に対しては、必要に応じて拡大版の問題用紙を作成する。なお、コピー機でA4をA3に拡大した場合の倍率は1.4倍程度であり、11ポイントが15ポイントに拡大される程度で、拡大の効率は低い。問題の原本の文字サイズを適切に拡大して印刷する方が拡大の効率が高く読みやすくなる。
- その他出題形式の例
- 1.短い問題文であれば、試験時間の冒頭に監督者が読み上げる。
- 2.問題の電子データを利用し、学生はパソコン(画面音声化ソフト等がインストールされたもの)でその内容を読む。
(2)解答
必要な支援・配慮事項
- 点字解答の墨訳は、専門点訳組織に依頼する。
- 弱視学生については、本人の希望に応じて解答用紙を拡大したり、マークシート形式を数字や記号の記入方式、問題用紙への直接記入方式等に変更する等の配慮を行なう。
- その他解答方式の例
- 1.点字の解答を、試験終了後に学生本人に読み上げさせる。
- 2.学生が持参したパソコン(画面音声化ソフト等がインストールされたもの)を用いて解答させる。
(3)時間延長・別室受験
必要な支援・配慮事項
- 点字受験では通常の試験時間の最低限1.5倍、弱視者の場合は最低限1.3倍の時間延長を認める(ただし、試験の内容や分量によっては、時間延長なしで実施できる場合もある)。
- 時間延長をする場合は別室受験とする(ただし、試験会場の空き状況によっては、同じ教室での時間延長も可能)。