聴覚障害 実験・実習

実験、実習は動きを伴うため、支援形態もそれに合わせたものでなければなりません。また、授業内容や聴覚障害のある学生のニーズによって支援内容も複雑になります。特に、視覚を通して情報を得ている学生の場合、動作を確認して作業をさせるような実験・実習の中では、教員の「動き」を見ながら「通訳」を見るような同時作業が困難な場合が多いことに注意が必要です。

聴覚障害のある学生の目線の例

薬品や特殊機器を扱う実験・実習で危険を伴う場合、きこえないことで想定していなかった事故につながる恐れがあります。教員は、考えられるすべての予測をたて、事故や怪我のないよう聴覚障害のある学生に説明する必要があります。また、それは、聴覚障害のある学生だけの問題ではなく、周りで一緒に授業を受けている学生や補助者、情報保障者にとっても大事な情報でもあります。

こんな工夫もできます
情報処理(パソコン教室)の講義で、教員が教室のメインスクリーンを中心に授業を進める場合、支援者は、以下のような支援を行なうことができます。

  • 聴覚障害のある学生の画面を直接指さしたり、指の動き(右クリック・ドラッグなど)で伝える。
  • 聴覚障害のある学生の隣のパソコンでパソコンノートテイクを行ない、教員の説明内容を伝える。

情報処理の講義は、一度遅れをとってしまうと、操作がわからなくなり、ついには完全に取り残されてしまうので、聴覚障害のある学生が授業についていけるようサポートすることが必要となります。また、一通り実験を見せてから説明をしたり、聴覚障害のある学生用の実験・実習マニュアルを作成しておく方法もあるでしょう。

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