聴覚障害 受験前相談・オープンキャンパス

問い合わせへの対応

聴覚障害のある学生の多くは、入学後の支援体制についてどこに相談をすれば良いかわからず、たとえ大学に連絡をしても部署によって対応が異なることも多いため大変な不便さを感じることがあります。大学側は、こうしたすれ違いにより不必要に受験生に負担をかけることがないよう、相談窓口を統一したり、障害学生支援担当部署を設置し、一貫した対応を行なっていく必要があります。また、現時点でこうした部署がない場合でも、聴覚障害のある受験生からの問い合わせに対しては、必ず関係部署と十分な連絡を取り、内容を吟味の上回答する必要があります。

よくある問い合わせ事項

受験生問い合わせと関係部署のイメージ

  • これまでに聴覚障害のある学生が受験/入学したことはありますか?
  • 在籍していた聴覚障害のある学生にはどのような支援を行なっていましたか?
  • 入学した場合にノートテイクなどの支援を受けることはできますか?
  • 入学試験で手話通訳などを利用することはできますか?
  • 聴覚障害があるのですが、○○資格の取得は可能ですか?
  • リスニングなどの授業では聴取方法の変更などなんらかの配慮をしてもらうことができますか?
  • 聴覚障害のある学生に対する支援体制の整備には、一定の時間がかかります。いざ、受験あるいは入学となったときに慌てないよう、必ず問い合わせがあった時点で引き継ぎと情報共有が重要です。また、学内の支援体制を公開していくため、以下のような取組も求められます。なお、オープンキャンパスの際に、障害学生対応窓口を設置して相談に応じたり、大学で行なわれている支援を実際に体験してもらう取組もあると良いでしょう。

こんな工夫もできます

  • 聴覚障害のある受験生からの相談窓口を設置し、受験要項やウェブサイトで情報公開を行なう。(聴覚障害のある受験生本人から問い合わせができるよう電話番号の他に、EメールアドレスやFAX番号の記載が必要です。)
  • 大学として実施している支援の内容をウェブサイトや大学案内等で紹介する。

受験前相談の実施

入試や入学後の授業で特別な配慮が必要な場合には、受験前相談を行なう場合もあります。特に集団面接等で情報保障やコミュニケーション上の配慮が必要な場合には、受験生に不利な状況が生じないよう、細かく内容を相談しておくとよいでしょう。

受付時

相談内容の確認

受験前相談のイメージ

聴覚障害のある学生の受け入れに慣れていない大学では、受験生からの質問に答えることができず、回答に困ってしまうことも少なくない。インテークシートなどを利用して事前に相談内容を確認し、準備すべき事柄を明らかにしておくとよい。


準備

質問内容に基づく情報収集

面接時のコミュニケーションの例

出席者の確認と出席依頼
相談内容に応じて情報収集をするとともに、内容に合わせた出席者の選定を行なう。

  • 入学試験に関する相談が中心の場合
    職員:入試課
    教員:入試委員長、学部・学科長、面接室担当教員、障害専門の教員等
  • 入学後の生活に関する相談が中心の場合
    職員:学生課、教務課、入試課
    教員:学部・学科長、学生担当
    (この他、必要に応じて保健管理センター、ボランティアサークル、障害学生支援担当者、障害専門の教員、外部の専門家等)

コミュニケーション手段の確認

補助者・情報保障者の手配

必要な用具・機材の準備(紙・ペン・ホワイトボード等)
相談等に用いるコミュニケーション手段を確認し、筆談用具を用意したり、補助者を準備。場合によっては情報保障者の依頼も検討(有料)。

当日

コミュニケーションへの配慮

決定事項の周知徹底
コミュニケーションに配慮しながら相談を進め、決定事項は関係者に周知する。

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