聴覚・言語障害・聾

 聴覚・言語障害・聾の学生への支援・配慮事例、全17例を紹介します。
 以下は、支援・配慮(または支援の申し出)の概要を、場面別、学校規模(在籍学生数)別に一覧にしたリストです。知りたい事例を選んでクリックしてください。

場面

入学者選抜等(受験上の配慮を含む)

〔学校規模〕5,000人から5,999人

〔学校規模〕2,000人から4,999人

〔学校規模〕1、000人から1,999人

授業、試験、移動、施設改修等

〔学校規模〕10,000人以上

〔学校規模〕5,000人から9,999人

〔学校規模〕2,000人から4,999人

〔学校規模〕1,000人から1,999人

〔学校規模〕500人から999人

進級、卒業、就職、学外実習等

〔学校規模〕5,000~9,999人

〔学校規模〕2,000~4,999人

〔学校規模〕1,000~1,999人

学外生活(通学、入寮等)

〔学校規模〕5,000人から9,999人

〔学校規模〕2,000人から4,999人

【事例No.1】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔10,000人以上〕 
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔ない〕 支援担当部署・機関〔学生支援課、教務支援課、キャリア支援課、入試課〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔ノートテイク〕

支援の申し出

申し出者=本人 理系 4年次(男) 
 2年次1月末頃、教務支援課窓口に本人より「授業が難しくなってきて、今までの方法(読唇など)では理解が難しくなってきた。ノートテイクなどの情報保障支援をして欲しい」との申し出があった。

申し出を受けた部署

 学部事務室(教務支援課窓口からの紹介)が窓口となり、あらためて本人の意向を聞く。

対応の手順

 教務支援課長、教務部長に具体的な支援手段(外部団体によるノートテイカーの派遣)を用意し相談。試験的導入が認められた。

学生との話し合い

 事前に本人の希望の聞き取りと調整。外部団体(ノートテイカー派遣)のコーディネーターと本人、学部事務室スタッフで数回の打合せとオリエンテーションをした。教務支援課、学生支援課、学部事務室など関係者で必要に応じ情報交換をした。

支援内容

 本人が希望した3科目について、外部団体から派遣されたノートテイカーを配置。

学外連携

 ノートテイカー派遣団体

その他

 謝金など管理部分は教務支援課が担当。科目担当教員、学生、コーディネーターおよびノートテイカーとの連絡調整、用品や教材準備などは学部事務室が担当。

学内協議参加部署・機関

 支援担当部署、所属学部・教員

学生の反応、感想等

 学生本人がノートテイクの経験がなかったため、本人が希望する重要な科目に絞ってノートテイカーを配置した。最初の感想は「わかりやすくなった」とのこと。2期目以降はノートテイクの方法を自分なりにアレンジするなどの工夫もみられた。ノートテイカー配置に際し、当初は科目担当教員が不安を感じていたが、むしろ負担が軽減することがわかり、2期目以降はスムーズに運営できている。

【事例No.2】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学 学校規模〔10,000人以上〕 
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔手話通訳、ノートテイク、パソコンテイク、ビデオ教材字幕付け・文字起こし、注意事項等文書伝達、FM補聴器/マイク使用、配慮依頼文書作成、障害別の支援準備室とその設備の利用、学習指導(履修方法、学習方法等)、進路・就職指導、保護者との連携、専門職員によるアセスメントや障害に関する相談対応、特別支援学校との高大連携(進路指導の一環としての大学見学への協力)〕

支援の申し出

申し出者=本人 文系(大学院) 2年次
 ゼミの参加者に留学生がいるため、ゼミのディスカッションが英語で行なわれることが多い。 ディスカッションに参加するためにも手話通訳を希望。

申し出を受けた部署

 障害学生支援部署教員

対応の手順

 申し出を受けた教員が他の障害学生支援部署教員と相談し、本人とも面談を行なった。

学生との話し合い

 学生のニーズを聞いた後、可能な支援内容について障害学生支援室員が提案し、当該学生は納得した。

支援内容

 英語で行なわれるディスカッションについて、英語を聞いて日本手話で通訳するのは二重の翻訳であり、過重な支援と判断したため、英語-日本手話通訳による支援はできないと回答した。
英語からASL(アメリカ手話)に通訳できる支援者をお願いするとなると、謝金単価が高く、毎週行なわれるゼミに手配するほどの経費支出は難しい。
英語を聞いて英語でPC入力する形であれば対応は可能ではないかと考え、英語が得意な学生(帰国子女、海外生活または滞在経験のある学生)や英語をネイティブとする地域の方を探し、短期間であるがPC要約筆記者として養成をし、派遣した。
以上の事情を説明し、当該学生もそれに同意した。

学内協議参加部署・機関

 支援担当部署

ニーズへの対応

 できなかった内容=支援者は配置したが、異なる手段であった。
 できなかった理由=上述の通り

学生の反応、感想等

 英語のPC要約筆記は、英語力、要約力、タイピング力が求められるため、十分な情報を提供できなかったと思われるが、学生からは「少しでも情報が得られたので助かっている」という感想があった。また支援者養成にも協力してくれ、チームとなって支援提供ができた。 

【事例No.3】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔10,000人以上〕 
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔学生支援センター〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔手話通訳、ノートテイク、パソコンテイク、ビデオ教材字幕付け・文字起こし、試験時間延長・別室受験、注意事項等文書伝達、実技・実習配慮、学習指導(履修方法、学習方法等)〕

支援の申し出

申し出者=本人 文学 3年次(女)
 本人より、情報保障の要望があった。

申し出を受けた部署

 学生支援課

対応の手順

 学科主任、学部事務室および教職課程等事務室と打ち合わせを行なった。また、本人および情報保障業者を含めたメーリングリストにより、支援状況を共有した。

学生との話し合い

 本人およびサポート学生との月例ミーティングを開催し、支援の進捗を共有した。

支援内容

 科目担当教員への支援依頼(情報保障者の同席許可、読唇のための配慮等)、情報保障者の手配、情報保障者養成講習会の開催。

学外連携

 沿線にある情報保障団体にPCテイクを委託した。関東聴覚障害学生サポートセンターの支援を受けて学内体制の整備に着手した。

その他

 本人の発案により、手話サークルの開設に向けて他大学の手話サークルを訪問した。

学内協議参加部署・機関

 委員会、支援担当部署、所属学部・教員

【事例No.4】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔10,000人以上〕 
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔手話通訳、ノートテイク、パソコンテイク、ビデオ教材字幕付け・文字起こし、パソコンの持込使用許可、注意事項等文書伝達、教員への配慮依頼(文書伝達)、進路・就職指導、社会的スキル指導(対人関係、自己管理等)、特別支援学校との連携、経済支援(障害学生学業奨励奨学金等)、キャリア支援(相談担当個別支援、卒業生懇談会等)、正課外プログラム(講演等)における情報保障〕

支援の申し出

申し出者=本人 体育学(スポーツ健康学) 既卒(男)
 以下は、3・4年在籍時の申出内容

  • 「ゼミで手話通訳」を利用したい。
  • 「教職課程、特に体育実技や学外で履修する授業における情報保障」を工夫したい。

申し出を受けた部署

 障害学生支援コーディネーターに相談があった。

対応の手順

  • 「ゼミの手話通訳」について

地域での手話通訳派遣依頼だと毎回違う人が派遣されたり、手話通訳レベルもまちまちで、さらに派遣がないこともある、という状況があった。これを踏まえ、当該授業が行なわれる期間、同じ人に手話通訳を依頼できるように、依頼する手話通訳者のレベル・謝金を含め学内での制度を確立した。

  • 「教職課程、特に体育実技や学外で履修する授業における情報保障」について

教職課程を担当する部署と学生対応のルール(授業内容や履修にかかわる質問等は教職の窓口に、支援に関する相談は支援室に、ということを徹底した。その際、教職の窓口では必ず筆談を行なうこととした)を決めた。当該授業の支援をスムーズにするために必要な資料や教員へのお願いなどがあれば、教職課程の助手を通じ手配をしてもらうなど部署間で密に連携を取り合うようにした。学外での授業では、相手先の学校に教職課程の教員を通じ、聴覚障害学生がおり、サポートを利用しながら履修する旨を前もって連絡をした。

学生との話し合い

  • 「ゼミの手話通訳」について

他の情報保障方法と比べてなぜ手話通訳がよいのか、どのようなタイプの手話通訳者がよいのかなどを話し合った。

  • 「教職課程、特に体育実技や学外で履修する授業における情報保障」について

教職課程の授業では、講義形式・グループワーク・模擬授業・総評などさまざまな講義形式の授業があった。その都度、コーディネーターが学生と話し合った上で、適した情報保障の方法を考え、決定した。また、学生・サポートする学生・職員・授業担当教員で集まり相談する時間を設けるなど、必要と考えられることを臨機応変に行なった。

支援内容

  • 「ゼミの手話通訳」について

 ゼミで手話通訳者2名を依頼した。2名は当該授業が行われる学期中依頼をし、その手話通訳者の都合が合わないときには、メインの2名に準ずるレベルの手話通訳者を手配した。

  • 「教職課程、特に体育実技や学外で履修する授業における情報保障」について

学外連携

  • 「ゼミの手話通訳」について

 当該学生の受講するゼミは専門的であったので、学生ではなく一定のスキルがある学外の手話通訳者に依頼するのが適切であるとコーディネーターが判断し、個人依頼をした。(地域の手話通訳派遣制度だと指名ができなかったため)。手話通訳者の依頼の条件は、

学内協議参加部署・機関

 委員会、支援担当部署、所属学部・教員、教職課程教職員

学生の反応、感想等

 当初は、学生は手話通訳のみにこだわっていたが、様々な取り組みを通して手話通訳も含めさまざまな情報保障を使いこなすようになった。パソコンテイクの接続、設定等も身につけ、情報保障方法についても、継続して授業で支援を利用することによってそのメリットとデメリットを深く理解するようになった。特に3年次以降、一般的に聴覚障害学生は苦手だといわれているディスカッションやグループワークを含む授業が増えたが、手話通訳を利用しながらディスカッションできるようになったと言っていた。また、情報保障を使いこなすだけではなく、3、4年次を通して、さまざまな教員や職員と話し合うことで、周囲と相談しながら自分の支援方法を調整していく力も身につけたと卒業時に本人が言っていた。

【事例No.5】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔10,000人以上〕 
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔学生支援課、健康管理センター、学生相談センター〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔手話通訳、ノートテイク、ビデオ教材字幕付け・文字起こし、試験時間延長・別室受験、パソコンの持込使用許可、注意事項等文書伝達、実技・実習配慮、教室内座席配慮、FM補聴器/マイク使用、専用机・イス・スペース確保、進路・就職指導、出身校との連携、保護者との連携〕

支援の申し出

申し出者=本人 社会福祉学 1年次(女) 
 パワーポイントを使用する授業だったので、パワーポイント資料がほしいと担当教員に伝えたところ、他の学生にも配付していないので、特別なことはできないと断られた。

申し出を受けた部署

 学生支援課、障害学生支援担当

対応の手順

 学生のニーズを確認し、聴覚障害の状況をわかりやすく文書にまとめ、支援担当者が直接担当教員と協議した。

学生との話し合い

 学生にニーズを確認し、可能な支援内容について支援担当者が支援内容を担当教員に提案したことで、当該学生は納得した。

支援内容

 担当教員に障害の状況を説明し、可能な限り文字情報を学生に準備いただくよう依頼。パワーポイント資料については、他の学生との均衡を保つため、授業終了後に回収していただくことで了解いただく。

学生の反応、感想等

 翌週から資料を準備いただけるようになったため、学生は喜んでいた。

【事例No.6】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔5,000人から9,999人〕 
障害学生数〔11人から20人〕 対応する委員会〔ない〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔ノートテイク、パソコンテイク、注意事項等文書伝達〕

支援の申し出

申し出者=本人 文学(国文学) 2年次(女) 
 本人から式典・行事等における手話通訳の派遣、授業におけるノートテイカーの配置の要請を受けた。また、2回生でゼミの内容が発表中心になってからは、リアルタイム性を上げられないかと相談があった。

申し出を受けた部署

 入学までは入学センターが相談を受け、入学試験において試験上の諸注意等の説明をプリントしたものを手渡した。入学後は障害学生支援チームが担当している。

対応の手順

 当初はチームが発足したばかりのため、障害学生支援チームの上位にあたる学生生活センターにおいて支援内容を決定していたが、現在は関係部署の担当者の出席する障害学生支援連絡会において情報共有や意見交換をした上で対応、あるいは対応についての報告を行なっている。

学生との話し合い

 学生とは筆談での話し合いを行なっており、学生からの要望を受けて、支援方法などについてはその場では判断せずに後日回答している。

支援内容

 授業担当教員に配慮依頼文書を配ったほか、式典等での手話通訳の派遣、各授業のノートテイカー配置、ゼミにおいてはノートテイクではなく、PCテイクで対応し、プロジェクターを使ったPCテイク内容のスクリーン表示を行なっている。

学外連携

 手話通訳者の派遣依頼

その他

 障害学生、ノートテイカーの親睦を深めるため週に1度交流会を開いている。交流会中で障害学生自身が講師となって手話講座を行なうこともある。

学内協議参加部署・機関

 支援担当部署、障害学生支援連絡会

【事例No.7】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等
  • 進級、卒業、就職、学外実習等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学 学校規模〔5,000人から9,999人〕 
障害学生数〔11人から20人〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔手話通訳、パソコンテイク、ビデオ教材字幕付け・文字起こし、チューター又はティーチング・アシスタントの活用、解答方法配慮、注意事項等文書伝達、実技・実習配慮、教室内座席配慮、FM補聴器/マイク使用、進路・就職指導〕

支援の申し出

申し出者=本人 (専攻、年次等は非公開)
 講義、その他学内外での行事・実習時における情報保障(パソコンテイク、手話通訳など場面に応じて)
 語学授業に対するチューター(主に発音練習の補助)

申し出を受けた部署

 入学試験時、入試課に申し出→合格後、入試課から学務課へ連絡→入学決定と同時に、事前相談の開始。本人より直接の相談。

対応の手順

 学内で取り決めた手順を経て、支援チームを設置し、支援を開始した。

学生との話し合い

 具体的な支援ニーズについては本人とスタッフが随時個別相談を行ない確認。支援の実施・支援方法については個別支援チームの教職員を中心に話し合って決定した。

支援内容

 行事および講義ではパソコンテイク(15コマ/週×テイカー2名)の配置。タブレットなどの機器の導入。
 語学の講義についてはチューター(1.5時間/週)を配置。
 オリエンテーション・説明会、学外の見学実習時には手話通訳を派遣。

学外連携

 実習先への配慮依頼

学内協議参加部署・機関

 委員会、支援担当部署、所属学部・教員、保健管理センター等

学生の反応、感想等

 語学授業では、発音の聞き取り・実践が主であったため本人が自信を失うことが多かった。
 授業担当者とも念入りな打ち合わせの後、チューター(大学院生)を配置することが決まり、定期的に個別の練習ができる環境を整えたことで、他の学生と同等の学力(発音を含めて)を身に付けることができ、本人の自信も回復したようである。

【事例No.8】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
  • 授業、試験、移動、施設改修等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学 学校規模〔5,000人から9,999人〕 
障害学生数〔11人から20人〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔手話通訳、パソコンテイク〕

支援の申し出

申し出者=本人 法学(大学院) 2年次(男) 
 合格決定後、研究科教職員、学生支援課職員が面談し、本人の希望する支援を確認。面談の前に保健センター教員(当時、障害学生支援を担当)が事前メールで希望を聞き取った。

申し出を受けた部署

 入学試験の特別な対応については、研究科教職員が申請者と連絡を取り対応。入学後の対応については、研究科教職員、学生支援課職員、当時障害学生支援を担当していた保健センター教員および障害学生支援相談員(障害学生支援室所属)が相談を受けた。

対応の手順

 パソコンテイクのボランティアをしてくれる学生を集め養成講座を実施。個別相談を通して、具体的な支援ニーズの確認等を行なった。その後は月に1度、学生本人、研究科教職員、学生支援課職員、保健センター教員、障害学生支援相談員で定期面談を実施した。

学生との話し合い

 学生のニーズを聞いた後、可能な支援内容について上記の定期面談で確認。

支援内容

 講義や式典等、ゼミ形式の授業での手話通訳、全講義でのパソコンテイク、担当教員による講義内容の理解の個別確認等。

学外連携

 他大学(入学前に研究科教職員、学生支援課職員、保健センター教員、障害学生支援相談員で、すでに聴覚障害学生を受け入れている他大学を訪問し、支援の在り方を検討)、社会福祉法人(パソコン要約筆記、手話通訳者の依頼

その他

 テイカー学生、関係教職員、被支援学生で半期ごとに集まり、支援を振り返る機会を持っている。

学生の反応、感想等

 当該学生からは、パソコンテイクを担当しているボランティア学生や、支援に協力している教職員に対し満足している旨の感想をもらっている。

【事例No.9】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等
  • 進級、卒業、就職、学外実習等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔5,000人から9,999人〕 
障害学生数〔11人から20人〕 対応する委員会〔ない〕 支援担当部署・機関〔学生課、健康相談室〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔ノートテイク〕

支援の申し出

申し出者=本人 工学 4年次(男) 
 学科専門科目における情報保障

申し出を受けた部署

 学科専門科目の授業担当教員

対応の手順

 当初は個別対応として当該専門科目の授業のみTAによるノートテイクを実施。

学生との話し合い

 学生と授業担当教員の話し合いで、試行としてのTAによるノートテイクが授業の理解度向上に貢献したことから、当該科目以外にもノートテイカーを配置することを学科教員から学生および学科会議、学生課へ提案。

支援内容

 2年次より学内からノートテイカーを募集し、当該学生が受講する専門科目にノートテイカー配置。授業内容によりPCテイク配置。卒業研究発表時は事前提出のレジュメを投影、PCテイクおよび音声処理による情報保障を実施、発表者である障害学生および質問者である学科教員や学生との質疑応答を、双方ともゆっくり話してもらうように学科から事前指示。

学外連携

 関東聴覚障害学生センター(ノートテイク講座実施・具体的対応内容の相談)、筑波技術大学(トレーニング相談、音声処理による情報保障相談) 宮城教育大学(資料提供、情報提供を依頼)

学内協議参加部署・機関

 支援担当部署、所属学部・教員

学生の反応、感想等

 本学における初めての聴覚障害学生支援の情報保障実施であったため、学生、大学側も方法を模索しながらの実施となった。大学からのサポートは完全とは言えない中、学生自身の自立意識が非常に高く、学生からは「これから社会に出ることを考え、大学に頼りきるのではなく自助努力で解決しようと行動する契機になった」との感想があった。

【事例No.10】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 進級、卒業、就職、学外実習等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学 学校規模〔5,000人から9,999人〕 
障害学生数〔11人から20人〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔手話通訳、ノートテイク、パソコンテイク、ビデオ教材字幕付け・文字起こし、注意事項等文書伝達、使用教室配慮、実技・実習配慮、教室内座席配慮、FM補聴器/マイク使用、専用机・イス・スペース確保〕

支援の申し出

申し出者=本人 教育学 4年次(女) 
 教育実習時の情報保障の配置

申し出を受けた部署

 障害学生支援室

対応の手順

 教育実習校宛配慮依頼文書を作成し、教育実習委員会から教育実習校へ配付した。その後、教育実習委員長、所属専攻担当教員、聴覚障害担当の専門教員、教育実習校の担当教員、障害学生支援室職員と協議。PCテイクによる支援者もしくは手話通訳者の配置は障害学生支援室で行なった。

学生との話し合い

 PCテイクや手話通訳の配置において具体的に時間や待ち合わせ等について相談。担当する手話通訳者への説明会を事前に開催し、当該学生との確認を行なった。

支援内容

 事前指導は講義に近いものはPCテイク、ディスカッション等が含まれるものは手話通訳を配置した。また、本実習の際は、午前、午後、夕方と時間帯を3つに分類し、それぞれ手話通訳者を2名ずつ配置した。本実習の間は、手話通訳者と当該学生、障害学生支援室職員間共通のメーリングリストを作成し、共通認識事項等の連絡を行なった。

学外連携

 教育実習校

その他

 実習校には手話通訳者の待機室を準備してもらい、連続して適宜対応ができるようにした。また、引継ぎ報告書を待機室に設置しておき、手話通訳者間の連携も図った。

学内協議参加部署・機関

 委員会、支援担当部署、所属学部・教員

学生の反応、感想等

 将来、現実的に特別支援学校での教職を目指す聴覚障害学生が、一般校で実習を行なうことの意義の大きさを、当該学生らも感じていた。教育実習そのものから学ぶことに加えて、手話通訳者の活用スキルの向上も副次的な効果としてあったと思われる。支援者の配置調整を行なう障害学生支援室として、手話通訳者のあり方や関係者との連携と対応の課題を持ち、実績と経験の積み上げになったと感じている。

【事例No.11】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
  • 授業、試験、移動、施設改修等
  • 進級、卒業、就職、学外実習等
  • 学外生活(通学・入寮等)

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学 学校規模〔5,000人から9,999人〕 
障害学生数〔11人から20人〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔学務課、保健管理センター〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔ノートテイク、パソコンテイク、ビデオ教材字幕付け・文字起こし〕

支援の申し出

申し出者=本人以外 教育学 3年次(女) 
 入学試験前に母親より、聴覚・言語障害(聾)があるので、入試及び講義等における配慮が可能か照会があった。

申し出を受けた部署

 学務課

対応の手順

 入試副委員長、入試委員会総務班長及び学務課で打ち合わせを行ない、副学長へ報告を行なった。教授会において当該学生に関するWGの設置が協議され、了承された。その後、WG構成員による在籍高校への訪問、WG会議、教授会への経過報告、当該学生及び保護者との入学前事前相談を行ない、対応を協議した。

学生との話し合い

 当該学生に授業体験、パソコンテイク・ノートテイクの体験をしてもらい、その感想や意見をWGで検討。検討結果を当該学生に説明し了解を得た。また、修学や学生生活全般に係わっての要望や不安を聴き、対応を行なった。

学内協議参加部署・機関

 委員会、支援担当部署、所属学部・教員、保健管理センター等

【事例No.12】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 進級、卒業、就職、学外実習等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔2,000人から4,999人〕 
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔ない〕 支援担当部署・機関〔学部学生:学生支援課、大学院生:研究支援課〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔ノートテイク、パソコンテイク、ビデオ教材字幕付け・文字起こし、注意事項等文書伝達、教室内座席配慮〕

支援の申し出

 ノートテイクを利用している学生から、卒業論文審査会における限られた時間内での双方向コミュニケーションに不安があるとの相談があった。審査会では自身の口頭発表の後、教員2名との質疑応答が行なわれる。発話が不明瞭なために、審査を担当する(普段交流のない)教員ときちんとコミュニケーションができるようなサポート体制を共に考えてほしいとの要望。

申し出を受けた部署

 支援担当コーディネーター(学生支援課)

対応の手順

 卒論指導教員と当該学生がコーディネーターを交えて面談し、支援内容を決定。担当教員(主査)からもう一人の審査教員(副査)に配慮依頼。又、審査時間の変更を伴うため、担当教員から学科長に相談がなされ、学科の了解が得られて審査プログラムも変更した。

学生との話し合い

 支援の希望をまず確認し、PCテイカーが自分の発話を聞き慣れた人であること、手話通訳も併用できること、時間的に不利にならないことが主な要望だと判った。教員とコーディネーターが話し合いの中で提案し、学生の要望を入れながら支援方法を策定した。

支援内容

 ノートテイカーは当該学生と同じサークルの学生2名を配置。テイク用PCの他に教員用と発表者用PCをセットし、教員の質問については手話通訳を介して質問意図を理解しつつPC画面の文字で正確に確認できるようにした。副査にはゆっくり話してくれるよう事前に依頼した。テイクに要する時間を勘案し、質疑応答時間は他の学生の1.5倍の持ち時間とし、審査をプログラム最終回に変更した。

学内協議参加部署・機関

 支援担当部署、所属学部・教員

学生の反応、感想等

 適切な支援が得られたことから、安心して発表と質疑に臨むことが出来たとのこと。

【事例No.13】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔2,000人から4,999人〕 
障害学生数〔6人から10人〕 対応する委員会〔学生関係委員会〕 支援担当部署・機関〔学生担当課〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔ノートテイク、教室内座席配慮、学習指導(履修方法、学習方法等)、進路・就職指導、社会的スキル指導(対人関係、自己管理等)〕

支援の申し出

申し出者=本人以外 文化学 2年次(女) 
 家族からの申し出により、入学試験前に面談を行なった。受験上の配慮、入学後の情報保障についての要望があった。

申し出を受けた部署

 入試担当課が事前相談の申込を受け、入試担当課長、教務担当課長、学生担当課長が対応した。

対応の手順

 聴覚障害学生を受け入れた経験のある学科教員と、本学生の所属学科教員との情報交換会を行なった。入学後、本学生と学生担当課で面談し、ノートテイク希望科目を確認した。また、ノートテイカー、教員を交えての面談も行なった。履修している全科目の担当教員へ、本学生が受講していることを通知し、配慮を求めた。年に数回、担任教員も交えて面談している。年に1回開催される学科イベント時に、学科教員から手話通訳者の希望があり、学生関係委員会で審議を行ない、手話通訳者を手配した。

学生との話し合い

学生にニーズを聞いても、「困っていることはない」と返答することが多かった。

支援内容

 手書き・パソコンでのノートテイクを1年生前期・後期、2年生前期に各4科目つけている。1年生後期からは、学生ノートテイカーも担当した。また、学科イベントでは、手話通訳者をつけた。

学外連携

 筆記通訳サークル(有償ボランティア)

学内協議参加部署・機関

 委員会、支援担当部署

【事例No.14】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等
  • 学外生活(通学・入寮等)

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
公立大学 学校規模〔2,000人から4,999人〕 
障害学生数〔2人から5人〕 対応する委員会〔教務委員会〕 支援担当部署・機関〔教務学生課〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔教材のテキストデータ化、手話通訳、ノートテイク、パソコンテイク、実技・実習配慮〕

支援の申し出

申し出者=本人 芸術(美術) 1年次 
 入学試験出願前に当該学生と保護者を交えて相談の機会を持ち、受験時の情報保障について要望を受けた。また、合格後に入学後の授業等に係る情報保障、学生寮に入居した場合には呼び出しを光で知らせる機器設置の要望があった。

申し出を受けた部署

 入学試験の対応、入学後の授業等に係る対応、学生寮に係る対応について、各担当部署が相談を受け、授業等については教員も相談を受けた。

対応の手順

 本学では前例のない対応であるため、他大学における事例の聞き取り、出身高等学校における対応の聞き取り等を行ない、支援について検討した。また、全教職員に当該学生の入学について周知を図るとともに、支援を依頼する文書を送付した。当該学生が履修する科目の担当教員とは個別に連絡を行ない、支援を実施した。

学生との話し合い

 メールや筆談により、当該学生から具体的なニーズを聞き取るとともに、本学として実施が見込める支援の提案を行なうなどして、意思の疎通と合意を図っている。

支援内容

 式典・講座等での手話通訳、ノートテイクボランティアの募集と講義でのノートテイク実施、講義担当教員による補足資料の配付や個別対応、相談窓口となる職員の指定等。当該学生は、学生寮に入居し、呼び出しを光で知らせる機器を設置した。

学外連携

 県ろうあ連盟(手話通訳の依頼)

学内協議参加部署・機関

 所属学部・教員、教務担当部署、学生支援担当部署

【事例No.15】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔1,000人から1,999人〕 
障害学生数〔1人〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔教務部、学生部、保健管理センター〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔進路・就職指導〕

支援の申し出

申し出者=本人 薬学 6年次 
 講義に関して、テキスト、プリントのどの部分を見るのか適宜指摘してほしい、どのような内容なのかわかりやすく工夫してほしいという要望があった。試験に関して、試験中の諸注意などの情報提供を文書で行なってほしい旨要望があった。

申し出を受けた部署

 入学試験時の特別な対応については、教務部入試係に事前に申し出があった。入学後のは、担当教員、障害学生支援委員会で相談を受けた。

対応の手順

 入学試験結果をもとに、教務部、学生部を中心に障害学生支援委員会を設立し、大学に提出された資料から必要な支援内容について情報共有を行ない、担当教員を含めた障害学生支援委員の再編成を行なった。支援委員会では学生から出た要望をもとに、十分有効で学内で実際に行なえる支援について検討を加えた。

学生との話し合い

 学生から提出された要望書を支援委員会で検討し、可能な支援内容について支援委員長が支援内容を提案し、学生の了承を得た。

支援内容

 スライドで行なわれる講義については、予めハンドアウトを渡した。テキスト、ハンドアウトのどの部分を説明しているか、その都度教員が直接指さしを行なった。ボランティア学生がその都度誘導を行ない、一部の講義ではノートテイカーを依頼した。

学外連携

 ノートテイカーの依頼

学内協議参加部署・機関

 委員会、所属学部・教員、保健管理センター等

【事例No.16】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
  • 授業、試験、移動、施設改修等
  • 進級、卒業、就職、学外実習等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔1,000人から1,999人〕 
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔ない〕 支援担当部署・機関〔学生課、医務室〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔ノートテイク、パソコンテイク、ビデオ教材字幕付け・文字起こし、教室内座席配慮、FM補聴器/マイク使用、進路・就職指導、社会的スキル指導(対人関係、自己管理等)、出身校との連携、保護者との連携〕

支援の申し出

申し出者=本人・本人以外 文化学 4年次(女) 
 入学前に特別支援学校の教員から入試について事前相談があり、キャンパスサポート受付に申し出があった。入学が決まった時点で具体的な支援について相談することとし、ノートテイカー制度の利用と配慮文書の作成の要望があった。

申し出を受けた部署

 入学試験の特別配慮については入試課が、入学後については学内支援受付で対応した。

対応の手順

 入試については、大学入試センター試験の特別配慮を適用する等の対応を行なった。入学後の支援については学内支援チームとして学部長、担任、学生課、教務学事課、医務室が対応した。

学生との話し合い

 引っ込み思案の学生であったが、自分の要求を相手に分かりやすく伝えることは自分の責任において行なうことを要求した。

支援内容

 情報保障としてオリエンテーション、授業へのノートテイカー(パソコン、手書き)の配置、入学式等の式辞の原稿を配付した。また、科目担任へ配慮文書の配付を行なった。

学外連携

 特別支援学校、医療機関(人工内耳の手術)

その他

 半期に一度の面談を継続して実施している。

学内協議参加部署・機関

 支援担当部署、所属学部・教員、保健管理センター等

学生の反応、感想等

 入学時は特別支援学校からの進学ということで、不慣れな点が多く大変であったが、その都度自分から相談に来てくれた。同じ聴覚障害の先輩と同じクラブに所属し、うまく人間関係を構築できたことは良かったと思う。4年次生になってからは、就職活動におけるグループディスカッションなど新たな壁にぶつかることで障害者採用枠の利用など自分で考えて行動するようになり、成長したと感じる。

【事例No.17】 聴覚・言語障害・聾

場面

  • 授業、試験、移動、施設改修等

学校基本情報

(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔500人から999人〕 
障害学生数〔2人から5人〕 対応する委員会〔ない〕 支援担当部署・機関〔教学部(教務課、学生課)〕
◆聴覚・言語障害学生への支援◆
〔平成26年度調査時点では、聴覚・言語障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)〕

支援の申し出

申し出者=本人・本人以外 情報学(ビジネス) 1年次(男) 
 入学が決まった段階(合格発表後)で、当該学生と保護者(母親)から授業時における情報保障について要望があった。

申し出を受けた部署

 合格時に入試広報センター職員と教務課職員が面談し、要望を受けた。

対応の手順

 入学後は教務課と学科長、担任が個別に面談し詳細な要望等を受けた。面談後は教務課が窓口となり関係教員と連絡を密に取り支援を行なった。

学生との話し合い

 学生の要望を聞いた後、可能な内容について学科長、担任、教務課が支援内容を提案し、当該学生は納得した。

支援内容

 履修登録した授業すべてにノートテイカーを配置することにした。教務課では、ノートテイカー配置に先立って、ノートテイカーを学内で募集し、ノートテイクを行なうにあたっての基礎知識を得るための講習会を開催した。講習会には当該学生にも参加してもらい、情報保障への協力を呼び掛けてもらった。ノートテイカーは登録制とし有償で時給800円(1コマ1200円)でアルバイト料は大学が支給した。授業の他、各学期ガイダンスにもノートテイカーを配置した。
始まった当初は筆記によるノートテイクだったが、当該学生の要望(筆記だと読みにくい等)があり、途中からPCによるノートテイクになった。また、入学式、卒業式などの式典での情報保障には手話通訳を配置した。

学外連携

 地域のNPO法人にノートテイク講習会の講師を依頼したことがある。

その他

 面談のみならず、メールにより連絡を密にとった。

学内協議参加部署・機関

 教務課

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