令和4年度オンラインセミナー「改正障害者差別解消法の施行に向けて」

第1部:講演「障害学生支援に必要な組織としての取組」

講演:障害学生支援に必要な組織としての取組 ~改正障害者差別解消法施行に向けた体制整備~

講師:京都大学学生総合支援機構障害学生支援部門准教授 DRC(障害学生支援部門)チーフコーディネーター 村田 淳

令和3年6月「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)の改正法が公布されました。同法は、公布より3年以内に施行されることとなっており、この改正によって、合理的配慮の提供は、私立大学等においてもこれまでの努力義務から義務へと変更になります。多くの大学等では、これまでも障害のある学生の修学支援等に取り組んでいることと思いますが、その必要性や責務がより強くなることになります。
一方で、現状においては障害学生支援の体制整備が十分ではないという大学等も少なくありません。障害のある学生の権利を保障するということは、高等教育機関として普遍的な役割であると考えますが、法改正の動向などもふまえると組織としてのコンプライアンスという側面があることも明確に理解しておくことが必要です。
今回のセミナーでは、改正障害者差別解消法施行に向けて、今、大学等が取り組んでおかなければならないことについてお話しします。多くの教職員はもちろん、特にマネジメントに関わる教職員の方に認識しておいていただきたい情報を盛り込むことといたします。例えば、経営層の方や教育責務の中心となるような学部・学科の管理職の方などに、是非ご視聴いただければと期待しております。

第2部:事例解説「他の学生と同等の機会を提供するために」

申込方法

申込フォーム内に、下記にご紹介する4つの事例についての問題が設けてあります。それぞれ妥当だと思われる対応はどれかをア、イ、ウの選択肢から選んで回答してください。選択肢はいずれの問題も複数選択することができます。

(1)入試における合理的配慮の提供について

解説:筑波大学 人間系 准教授 佐々木 銀河

学部入試の個別学力検査(前期日程)において、発達障害(自閉スペクトラム症、書字障害)のある受験者(Aさん)から、障害を理由とした受験上の配慮申請がありました。申請内容は、自閉スペクトラム症の聴覚過敏により試験室内の音を著しく不快に感じるため「別室受験」、書字障害により紙媒体の筆記に時間がかかるため「試験時間の1.3倍延長」、パソコンを使うと書字障害の影響を受けないため「パソコンによる解答許可」の3つでした。
大学入学共通テストにおいて受験上の配慮決定通知書があり、その内容としては「別室受験」と、一般の解答用紙(マークシート)の代わりに選択肢の数字等をチェックすることで解答する「チェック解答」の2つが認められていました。
この大学の個別学力検査では英語と数学の問題が出題され、紙媒体の解答用紙に筆記する形式で行われています。 受験上の配慮申請に対して、学部の委員会で検討をしたところ、大学入学共通テストで認められた内容だけ実施すれば良く、他の内容は過重な負担になるので、実施しなくて良いのではないかという意見が挙げられました。加えて、「試験時間の1.3倍延長」について、試験時間を1.3倍延長すると、ただでさえ対応できる教員が不足している状況で監督者の体制がさらに複雑になって教員の過重な負担になること、また、大学入学共通テストでは認められていないことから実施しなくて良いのではないかという意見が挙げられました。一方で、紙媒体の筆記に時間がかかるとすれば、「パソコンによる解答許可」をすると紙媒体ではないので試験時間の1.3倍延長は不要ではないかという意見もありました。

選択肢ア、イ、ウのうち、どれが妥当でしょうか。妥当と思われる選択肢を選んでください(複数選択可)。

【学校の対応】

(2)過重な負担について

 解説:筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 助教 中島 亜紀子

聴覚障害のある学生が入学し、授業時に必要な支援について担当職員が面談を行なったところ、学生からは、補聴器である程度音声が聞き取れるので特に支援は必要ないとの意向だったため、配慮として聞きやすい座席を確保することを確認しました。その後1か月ほどたち、同じ学生から担当職員へ、授業の内容が聞き取れないためノートテイクの支援がほしいとの申し出がありました。しかし、当初の話し合いに基づき、ノートテイクができる学生は確保しておらず、学外に委託したり養成するための予算も確保していません。また、一部の授業担当教員からは、受講態度や出席状況もよく、可能な場合には補足資料を提供するなどして問題なく受講できているといったと報告を受けていました。

この後の対応として、選択肢ア、イ、ウのうち、どれが妥当でしょうか。妥当と思われる選択肢を選んでください(複数選択可)。

【学校の対応】

(3)配慮提供の決定について

解説:津田塾大学 インクルーシブ教育支援室ディレクター/教授 柴田 邦臣

あなたの大学では、障害のある学生に対する合理的配慮の必要性を、学内の「障害学生支援委員会」が審議し判断する制度となっています。さて、あなたは「障害学生支援委員会」から、あなたの授業を受講している、ある学生に対して合理的配慮を求める「配慮願」を受け取りました。あなたの授業を発達障害と学習障害のある学生が受講しているのですが、その学生が自分のレコーダーで講義を録音しカメラで板書を撮影することを許可してほしいという内容でした。通常、あなたの授業では、学生に講義の録音や板書の撮影は認めてきませんでした。なぜなら以前、学生に無断でSNSに流されたことがあったためです。

あなたはどのように対応しますか。、選択肢ア、イ、ウのうち、妥当と思われる選択肢を選んでください(複数選択可)。

【あなたの対応】

(4)合理的配慮と不当な差別的取扱いにおける意向の尊重について

解説:岡山理科大学 経営学部 教授 川島 聡

ある教員が、授業中に障害のある学生(Aさん)をあてませんでしたが、他の学生11名すべてをあてました。そのため、Aさんは自分にだけ発言を求めなかった教員の行為は不当な差別的取扱いである、と支援室に訴えました。 Aさん自身も支援室も、この教員に対して、Aさんに障害があるということは伝えていましたが、Aさんに発言を求めないよう依頼していたわけではありません。ところが、この教員は、以前に別の授業で別の障害のある学生(Bさん)から合理的配慮として発言を求めないでほしいと言われて、Bさんを授業にあてなかったことがあったため、障害のある学生には発言を求めないほうがよい、と考えたのです。つまり、この教員は良かれと思ってAさんをあてませんでした。

選択肢ア、イ、ウのうち、どれが妥当でしょうか。妥当と思われる選択肢を選んでください(複数選択可)。

【教員の選択肢】

注意事項

  • 上記の4つの事例への対応に関する設問は必須回答項目です。選択されていない設問があるとお申込み自体がエラーになります。必ずご回答ください。
  • 本年度のお申込みは1件1名様となっています。ご視聴をご希望の方それぞれでお申込みください。
  • 申込フォームからお申込みいただくと、ご登録いただいたメールアドレスに登録完了メールが届きます。数時間経ってもメールが届かない場合は、お問い合わせください。
お問い合わせ
独立行政法人日本学生支援機構
学生生活部障害学生支援課
  • 電話 03-5520-6176
  • E-mail shienka02【@】jasso.go.jp
  • メールを送る際は@の前後の【】を取ってご利用ください。