平成28年度奨学金の返還者に関する属性調査結果

抽出人数 回答人数 回答率 参考母数(平成28年度末)
延滞者 19,623人 2,838人 14.5% 160,580人
無延滞者 9,695人 2,402人 24.8% 3,649,525人
  • 回答人数には無回答・不明回答を含まない。

結果の概要

1.奨学金申請について

(1)奨学金申請時の書類作成者

奨学金申請時の書類作成者は、延滞者では「親(または祖父母等の家族、親戚)」が39.0%と最も高い。奨学生本人が書類作成に関わっている比率は「奨学生本人」33.2%、「本人と親等」21.5%で、合計54.7%である。「書類作成者はわからない」との回答も6.0%みられる。
一方、無延滞者では、書類作成は「奨学生本人」が52.0%と最も高い。

図1-1 奨学金申請時の書類作成者(択一)

図1-1 奨学金申請時の書類作成者のグラフ:延滞者(2,814人)奨学生本人33.2%、本人と親等21.5%、親39.0%、わからない・その他6.3%/無延滞者(2,396人)奨学生本人52.0%、本人と親等24.7%、親21.7%、わからない・その他1.6%

(2)奨学金申請を決めた時期

大学、短期大学、専修学校(専門課程)で奨学金の貸与を受けた者に、奨学金申請を決めた時期を質問した。延滞者、無延滞者ともに「高校3年生の時点」+「高校卒業後」が80%を超えているが、延滞者では「高校卒業後」、無延滞者では「高校3年生の時点」の比率が最も高い。

図1-2 奨学金申請を決めた時期(択一)

図1-2 奨学金申請を決めた時期グラフ;延滞者(2,098人)高校入学より前3.5%、高校2年生の時点2.5%、高校3年生の時点39.3%、高校卒業後41.2%/無延滞者(1,921人)高校入学より前3.8%、高校2年生の時点4.1%、高校3年生の時点53.7%、高校卒業後32.4%

(3)返還義務を知った時期

「申込手続きを行う前」に返還義務を知った者は、無延滞者では89.1%と9割近いのに対し、延滞者では50.5%と約半数にとどまり、申込手続きまでの返還義務の認識が十分ではないことがうかがえる。また延滞者では、貸与終了後に返還義務を知った者の合計は20.7%で、その半数の11.5%は「延滞督促を受けてから」知ったと回答している。
なお、経年変化はほとんどみられない。

図1-3 返還義務を知った時期(択一)

図1-3 返還義務を知った時期グラフ;延滞者(2,789人)申込手続きを行う前50.5%、申込手続き中13.3%、貸与中6.7%、貸与終了後から返還開始前4.8%、返還開始から督促前4.4%、延滞督促を受けてから11.5%/無延滞者(2,395人)申込手続きを行う前89.1%、申込手続き中5.7%

2.延滞者の状況

(1)延滞が始まった理由(きっかけ)

延滞が始まった理由(きっかけ)は、「家計の収入が減った」が69.2%(複数回答)で最も高く、次いで「家計の支出が増えた」43.0%、「入院、事故、災害等にあったため」19.2%、「忙しかった」14.3%となっている。経年変化をみると、多少の増減はあるものの全体としての傾向は変わっていない。

図2-1 延滞が始まった理由(きっかけ)

図2-1 延滞が始まった理由(きっかけ)グラフ;家計の収入が減った69.2%、家計の支出が増えた43.0%、忙しかった14.3%、入院・事故・災害等19.2%、返還を忘れていたなのどミス10.5%、返還するものと思っていない4.4%、その他29.8%

  • 平成25年度までは2つまで選択、平成26年度以降はあてはまるもの全て選択。

(2)延滞が継続している理由

延滞が継続している理由については、「本人の低所得」と回答した者が64.5%で最も高い(複数回答)。次いで「奨学金の延滞額の増加」47.5%、「本人の借入金の返済」30.9%となっている。

  • 「親の経済困難」について、平成25年度以降は「本人が親への経済支援をしている」と「親が返還の約束をしている」の2肢の合計(両方選択者分はマイナス調整)を記載している。
  • 回答比率が10%以上のものを掲載した。

図2-2 延滞が継続している理由

図2-2 延滞が継続している理由グラフ;本人の低所得64.5%、奨学金の延滞額の増加47.5%、本人親の経済困難43.2%、本人の借入金の返済30.9%、本人が失業中・無職27.4%、家族の病気療養16.5%、本人が病気療養中11.5%

  • 平成25年度までは2つまで選択、平成26年度以降はあてはまるものを全て選択。

3.返還期限の猶予制度について

(1)猶予制度の認知状況

猶予制度の認知率は延滞者で72.0%、無延滞者で62.8%である。ただし、返還が始まる前までに認知していた比率は、無延滞者では合計で33.0%であるのに対し、延滞者では4.6%と、大きな差がみられる。また延滞者では「延滞督促を受けてから知った」と回答した比率が51.2%で最も高く、貸与の早い段階での制度認知と延滞状況が密接に関係していると認められる。

経年変化をみると、延滞者、無延滞者ともに猶予制度を「知らない」と答える比率が減少してきている。(延滞者:平成23年度56.7%→平成28年度28.0%、無延滞者:平成23年度56.1%→平成28年度37.2%)

図3-1 返還期限猶予制度の認知状況(択一)

図3-1 返還期限猶予制度の認知状況グラフ;延滞者(2,799人)延滞督促を受けてから知った51.2%、知らない28.0%/無延滞者(2,392人)奨学金に申し込む前から知っていた10.5%、返還が始まる前までには知っていた22.5%、返還が始まってから知った27.2%、知らない37.2%

(2)猶予制度をどこから知ったか

猶予制度を「知らない」と回答した者以外に、「猶予制度をどこから知ったか」を質問した。

延滞者は「機構(旧日本育英会)からの通知で」、「相談センターに電話して」、「債権回収会社から」猶予制度を知ったと回答した者が無延滞者よりも多い。一方、無延滞者は「返還のてびきを読んで」、「奨学金申請時・採用時の資料で」、「学校の説明会で」等と回答した者が延滞者よりも多い。これらのことから、延滞者は無延滞者と比べて猶予制度を知るタイミングが遅めであり、かつ受動的であるといえる。

図3-2 返還期限猶予制度をどこから知ったか(あてはまるもの全てを選択。)

図3-2 返還期限猶予制度をどこから知ったかグラフ;延滞者(平成28年度)機構からの通知で37.1%、相談センターに電話して31.6%、「返還のてびき」を読んで15.9%/無延滞者(平成28年度)「返還のてびき」を読んで50.3%、奨学金申請時・採用時の資料で32.2%、学校の説明会で15.4%

4.無延滞者の状況

(1)延滞経験の有無

無延滞者のうち、過去に「延滞したことがある」者は22.1%である。

図4-1 延滞経験の有無(択一)

図4-1 延滞経験の有無グラフ;無延滞者(2,390人)延滞したことがない71.7%、延滞したことがある22.1%、わからない6.2%

(2)延滞になったことを知ったきっかけ

「延滞したことがある」と回答した者に、延滞になったことを知ったきっかけを質問した。

「機構(旧日本育英会)からの振替不能(延滞)通知」が59.7%で最も高く、次いで「口座残高を確認して」、「機構(旧日本育英会)からの電話」がそれぞれ27.7%となっている。

図4-2 延滞になったことを知ったきっかけ(あてはまるものを全て選択)

図4-2 延滞になったことを知ったきっかけグラフ;機構(旧日本育英会)からの振替不能(延滞)通知59.7%、口座残高を確認して27.7%、機構(旧日本育英会)からの電話27.7%、親・家族等からの連絡8.4%、債権回収会社からの連絡7.1%、連帯保証人・保証人からの連絡3.8%、その他3.1%

5.各種情報提供の利用状況

(1)日本学生支援機構からの送付文書の閲覧状況

図5-1 日本学生支援機構からの送付文書の閲覧状況(択一)

図5-1 日本学生支援機構からの送付文書類の閲覧状況グラフ;延滞者(平成28年度)見る74.2%、見ない21.5%、届いていない・その他4.3%/無延滞者(平成28年度)見る82.3%、見ない15.2%、届いていない・その他2.5%

(2)日本学生支援機構のホームページの閲覧状況

図5-2 日本学生支援機構のホームページの閲覧状況(択一)

図5-2 日本学生支援機構のホームページの閲覧状況グラフ;延滞者(平成28年度)見たことがある29.0%、見たことはない59.3%、見ることができない・その他11.7%/無延滞者(平成28年度)見たことがある48.9%、見たことはない49.6%、見ることができない・その他1.5%

6.日本学生支援機構の奨学金に対する意識

(1)日本学生支援機構からの情報提供

図6-1 日本学生支援機構からの情報提供(択一)

図6-1 日本学生支援機構からの情報提供グラフ;延滞者(平成28年度)十分だと思う26.3%、どちらともいえない42.9%、十分とは思わない30.7%/無延滞者(平成28年度)十分だと思う39.6%、どちらともいえない44.1%、十分とは思わない16.3%

(2)奨学金はどのように役に立ったか

延滞者では、「奨学金のおかげで進学可能となった」が58.8%で最も高く、次いで「家計の負担を軽減できた」が50.1%となっている。一方、無延滞者では「家計の負担を軽減できた」が64.7%で最も高く、次いで「奨学金のおかげで進学可能となった」が50.8%となっている。

図6-2 奨学金はどのように役に立ったか(あてはまるものを全て選択)

図6-2 奨学金はどのように役に立ったかグラフ;延滞者:家計の負担を軽減できた50.1%、奨学金のおかげで進学可能となった58.8%/無延滞者:家計の負担を軽減できた64.7%、奨学金のおかげで進学可能となった50.%

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独立行政法人日本学生支援機構 奨学事業戦略部 奨学事業総務課
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