- (目的)
- 奨学金の延滞者および無延滞者の属性を把握し、今後の奨学金回収方策に役立てることとする。
- (調査対象)
- (1)平成30年11月末において、奨学金返還を3か月以上延滞している者(以下「延滞者」という。)から無作為抽出した19,658人。
(2)平成30年11月末において、奨学金返還を延滞していない者(以下「無延滞者」という。)から無作為抽出した9,674人。 - (調査方法)
- 質問を記入した調査票を送付し、返信用封筒による返送またはインターネットにて調査質問への回答を求めた。
- (調査時期)
- 平成31年1月
- (回答受入状況)
抽出人数 | 回答人数 | 回答率 | 参考母数(平成30年度末) | |
延滞者 | 19,658人 | 3,023人 | 15.4% | 156千人 |
無延滞者 | 9,674人 | 2,388人 | 24.7% | 3,962千人 |
- ※回答人数には無回答・不明回答を含まない。
結果の概要
1.奨学金申請に関すること
(1)奨学金申請時の申込手続き(書類作成や入力作業)を行った者
奨学金申請時の申込手続きを行った者は、無延滞者では65.6%が「奨学生本人」であるのに対し、延滞者では36.7%と低い。また、「奨学生本人」と「本人と親等」を合せてみても、無延滞者では82.1%であるのに対し、延滞者では55.2%と約半数しか申請時の申込手続きに奨学生本人が関わっていない。延滞者は無延滞者に比べて、親等が申請時の申込手続きを行った比率が高い。
図1-1 奨学金申請時の申込手続きを行った者(択一)
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(2)奨学金申請を決めた時期
大学、短期大学、専修学校(専門課程)で奨学金の貸与を受けた者に、奨学金申請を決めた時期を質問した。延滞者、無延滞者ともに「高校3年生の時点」の比率が最も高く、次に「高校卒業後」となっている。ただし、無延滞者の方が延滞者より「高校3年生の時点」の比率が高く、延滞者の方が無延滞者より「高校卒業後」の比率が高い。
図1-2 奨学金申請を決めた時期(択一)
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(3)返還義務を知った時期
返還義務を知った時期は、無延滞者では「申込手続きを行う前」が90.1%に対し、延滞者では51.1%と約半数にとどまり、申込手続きまでの認識が十分でないことがうかがえる。また、延滞者では、貸与終了後に返還義務を知った者の合計は20.1%で、その半数以上の11.5%は「延滞督促を受けてから」知ったと回答している。
図1-3 返還義務を知った時期(択一)
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2.延滞者の理由について
(1)延滞が始まった理由(きっかけ)
延滞が始まった理由(きっかけ)は、「家計の収入が減った」が67.1%で最も高く、次いで「家計の支出が増えた」39.5%、「入院、事故、災害等にあったため」18.1%、「忙しかった」14.1%である。
図2-1 延滞が始まった理由(きっかけ)(あてはまるものを全て選択)
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(2)延滞が継続している理由
延滞が継続している理由は、「本人の低所得」が64.0%で最も高く、次いで「奨学金の延滞額の増加」39.9%である。男女別でみると、男性は女性に比べて「本人の借入金の返済」の比率が高く、女性は男性に比べて「配偶者の経済困難」の比率が高い。
図2-2 延滞が継続している理由(あてはまるものを全て選択)
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3.返還期限の猶予制度について
(1)猶予制度の認知状況
猶予制度の認知率は、延滞者で78.0%、無延滞者で64.6%である。ただし、返還が始まる前までに認知していた比率は、無延滞者では合計で37.3%であるのに対し、延滞者では4.8%と大きな差がみられる。また、延滞者では「延滞督促を受けてから知った」比率が53.9%で最も高い。
図3-1 返還期限猶予制度の認知状況(択一)
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(2)猶予制度をどこから知ったか
延滞者は「機構(旧日本育英会)からの通知で」、「相談センターに電話して」、「債権回収会社から」猶予制度を知った比率が無延滞者よりも高く、無延滞者は「返還のてびきを読んで」、「奨学金申請時・採用時の資料で」、「学校の説明会で」猶予制度を知った比率が延滞者よりも高い。
図3-2 返還期限猶予制度をどこから知ったか(あてはまるもの全てを選択)
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(3)猶予制度の申請状況
延滞者では、「現在、利用中である」が21.9%、「過去に利用したことがあるが、今は利用していない」が23.5%と、無延滞者に比べて利用している比率が高いが、「申請したことがない」者も30.5%いる。
図3-3 返還期限猶予制度の申請状況(択一)
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4.無延滞者の状況
(1)延滞経験の有無
調査時点で無延滞の者に、これまでに延滞したことがあるか質問した。
「延滞したことがある」者は19.6%である。
図4-1 延滞経験の有無(択一)
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(2)延滞になったことをどこから知ったか
「延滞したことがある」と回答した者に、延滞になったことをどこから知ったかを質問した。
「機構(旧日本育英会)からの振替不能(延滞)通知」が61.3%で最も高く、次いで「口座残高を確認して」29.0%、「機構(旧日本育英会)からの電話」26.2%である。
図4-2 延滞になったことを知ったきっかけ(あてはまるものを全て選択)
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(3)スカラネット・パーソナルの認知状況
インターネット上で自分自身の奨学金に関する情報や登録されている内容を閲覧したり、転居・改姓・勤務先変更等の届出ができるスカラネット・パーソナルを「知っている」と回答した者(「よく知っている」+「だいたい知っている」)」は、47.0%である。
図4-3 スカラネット・パーソナルの認知状況(択一)
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5.日本学生支援機構からの情報提供について
(1)日本学生支援機構からの送付文書類の閲覧状況
日本学生支援機構から送付した文書類を「見る」と回答した者(「必ず見る」+「だいたい見る」)」は、延滞者では86.3%、無延滞者では92.3%である。
図5-1 日本学生支援機構からの送付文書類の閲覧状況(択一)
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(2)日本学生支援機構のホームページの閲覧状況
機構ホームページの閲覧状況について、延滞者の半数以上が「見たことはない」と回答し、無延滞者では「見たことがある」(「およそ1か月に1回以上見る」+「年に数回見る」+「過去に見たことがある」)と回答した者が61.6%である。
図5-2 日本学生支援機構のホームページの閲覧状況(択一)
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(3)日本学生支援機構からの情報提供
日本学生支援機構からの情報提供について、十分だと感じている者(「そう思う」+「とてもそう思う」)は、延滞者では29.6%、無延滞者では42.0%である。
図5-3 日本学生支援機構からの情報提供(択一)
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6.日本学生支援機構の奨学金に対する意識
(1)奨学金がどのように役に立ったか
奨学金がどのように役に立ったかについて、延滞者では「奨学金のおかげで進学可能となった」が62.7%で最も高く、無延滞者では「家計の負担を軽減できた」が62.1%で最も高い。
図6-1 奨学金がどのように役に立ったか(あてはまるものを全て選択)
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(2)奨学金の返還は負担になっているか
「現在、奨学金の返還が負担になっている」と感じている者(「とてもそう思う」+「そう思う」の合計)は、延滞者では86.4%、無延滞者では51.4%である。
図6-2 奨学金の返還は負担になっているか(択一)
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- お問い合わせ
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- 独立行政法人日本学生支援機構 奨学事業戦略部 奨学事業総務課
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- 電話 03-6743-6029
- FAX 03-6743-6679
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