精神障害の学生への支援・配慮事例、全24例を紹介します。
以下は、支援・配慮(または支援の申し出)の概要を、場面別、学校規模(在籍学生数)別に一覧にしたリストです。知りたい事例を選んでクリックしてください。
場面
入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
〔学校規模〕5,000人から9,999人
〔学校規模〕2,000人から4,999人
授業、試験、移動、施設改修等
〔学校規模〕10,000人以上
〔学校規模〕5,000人から9,999人
〔学校規模〕2,000人から4,999人
〔学校規模〕1,000人から1,999人
〔学校規模〕500人から999人
進級、卒業、就職、学外実習等
〔学校規模〕10,000人以上
〔学校規模〕5,000人から9,999人
〔学校規模〕2,000人から4,999人
学生相談、カウンセリング等
〔学校規模〕10,000人以上
〔学校規模〕5,000人から9,999人
〔学校規模〕2,000人から4,999人
〔学校規模〕1,000人から1,999人
〔学校規模〕500人から999人
〔学校規模〕1人から499人
学外生活(通学・入寮等)
〔学校規模〕1,000人から1,999人
【事例No.1】精神障害(解離性障害・身体表現性障害)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学
学校規模〔10,000人以上〕
障害学生数〔11人から20人〕
対応する委員会〔教務厚生部会〕
支援担当部署・機関〔教務厚生担当係〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外(人文社会科学)2年次(男)
学生支援課に当該学生の保護者から、支援が必要と思われるとの申出があった。
突然、猛烈な眠気に襲われたり、強い嘔気や気分不快、目眩が生じることがある。
症状の改善及び学業成就の為に修学上及び学生生活を送る上で症状の特徴に鑑みて柔軟な対応・配慮が必要である、との診断書が保護者から提出された。
申し出を受けた部署
学生支援課から担当学部教務係へ、保護者からの支援要請等基本的な情報が伝えられた。
対応の手順
担当学部教務委員長と当該学生が面談を行ない、症状の確認、学部でどのような対応をして欲しいのか確認した。
学生との話し合い
面談の話し合いを通して決定された支援内容と支援依頼文書を、学生が履修登録している科目の教員に配付した。
支援内容
支援内容として、登校前に自宅で症状が発生した際の授業欠席の配慮、授業中に症状が発症した場合には直ちに学部学務係に通報してもらうこと、学期末試験期間内に発症した場合は受験不能となる可能性があるため、その場合は当該学生に追試験の申請を行なわせるため、追試験を許可することへの配慮が定められた。
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員
学生の反応、感想等
授業担当教員の理解と協力を得ることが可能となった。
学期末試験時には、幸いにして発症しなかった。
【事例No.2】精神障害(性同一性障害(性別違和))
場面
- 進級、卒業、就職、学外実習等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学
学校規模〔10,000人以上〕
障害学生数〔21人以上〕
対応する委員会〔学生委員会〕
支援担当部署・機関〔保健管理センター、学務部、教務学生担当係〕
◆精神障害学生への支援◆
〔チューター又はティーチング・アシスタントの活用、教室内座席配慮、講義内容録音許可、授業担当教員への周知、学習指導(履修方法、学習方法等)、発達障害支援センター等との連携、保護者との連携、介助者の入構、入室許可〕
支援の申し出
申し出者=本人(工学)2年次(女)
- 合宿中は、シャワー時間を他の実習生とずらしてほしい。
- 部屋は男子部屋に入れてほしい。
- ホルモン注射を打つため、2週間に1度医務室を借用したい。
- ホルモン注射を医務室にて保管してほしい。
申し出を受けた部署
学部教務係
対応の手順
学生と面談後、実習受け入れ先と交渉、合宿直前には受け入れ先と学生が面談を行なった。
学生との話し合い
当該学生の支援内容の希望を聞き出した。
支援内容
受け入れ先と学校側の交渉後、上記の学生の要望が受け入れられた。
学外連携
学外教育機関
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、所属学部・教員、保健管理センター等
【事例No.3】精神障害(高次脳機能障害)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 進級、卒業、就職、学外実習等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学
学校規模〔10,000人以上〕
障害学生数〔21人以上〕
対応する委員会〔専門委員会〕
支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人(理系)3年次
在学時の交通事故後遺症による高次脳機能障害。遂行機能障害、記憶障害を主たる困難とする。休学からの復学後、就学時の配慮について障害学生支援部署に相談。
申し出を受けた部署
障害学生支援部署
対応の手順
本人、保護者と障害学生支援部署による協議。その後授業担当教員、担任との協議。
学生との話し合い
障害と困難について説明を受けた後、就学時に必要な配慮を検討。
支援内容
受講時のICレコーダなどの記憶媒体の使用許可、ならびに授業後の質問への配慮について実施することとし、各授業担当教員に依頼した。
その他
本事例は少し前の支援であるため、授業配慮依頼文書の作成をしていない(現在は希望により作成することとしている)。
学内協議参加部署・機関
委員会、所属学部・教員
学生の反応、感想等
受講については各授業担当教員の理解もあり、卒業に至った。就職に際しては担当作業療法士の指導により自分の障害に関する説明書を作成し、100社以上の会社に応募。現在はそのうちの1社で働いている。
【事例No.4】精神障害(高次脳機能障害)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学
学校規模〔10,000人以上〕
障害学生数〔21人以上〕
対応する委員会〔専門委員会〕
支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人以外(文系)3年次
部活動(体育会)時の事故により受傷し、高次脳機能障害となる。リハビリテーションを経て、現在は軽度の記憶障害を主とする。復学にあたり、休学時の担任より修学支援について相談を受けた。
申し出を受けた部署
障害学生支援部署
対応の手順
休学時の担任を教育組織の担当者として、障害学生支援部署教員と担任が事前協議。その後、保護者、本人を交え協議。主治医に意見を聞いた。
学生との話し合い
本人、保護者と検討し、復学の希望を確認。これを受け、教育組織で受け入れ体制を検討。また模擬授業を実施して授業ノートの取り方を話し合った。
支援内容
記憶障害による生活上の混乱については、行動記録のための手帳活用を指示した。復学後も障害学生支援部署教員と担任が定期的に面接を繰り返している。
学外連携
主治医
学内協議参加部署・機関
委員会、所属学部・教員
学生の反応、感想等
復学当初はアポイントメントや試験時の失敗もあったが、現在は良好な学生生活を送っている。定期的な面接間隔が伸び、メールによるやりとりに移行した。
【事例No.5】精神障害(性同一性障害(性別違和))
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学
学校規模〔10,000人以上〕
障害学生数〔21人以上〕
対応する委員会〔専門委員会〕
支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人(文系(大学院))1年次
性同一性障害(性別違和)(MTF)。専門科を受診しているが確定診断は受けていない。
修学上の配慮をして欲しい(通称の使用、名簿上の取り扱い、自分の望む性別の服装着用、トイレの使用ほか)
申し出を受けた部署
入試課、教務課
対応の手順
教務課ならびに所属教育組織教職員、担任
学生との話し合い
入学手続きに伴い、配慮に関する相談を学生本人から受ける。関係組織が検討後、学生本人ならびに保護者と入学前に協議。
支援内容
以下について双方の同意事項とした。
- 1.学籍等については本名とし、通常の名簿は通称使用とする。
- 2.女性装を認める。
- 3.トイレは多目的トイレを用いる。必要に応じて関係教職員に性同一性障害(性別違和)であることを伝え、配慮を行なう(健康診断など)。
(その他同意事項はあるが非掲載)
入学後に本人と担任が協議し、クラスメイトに開示した。また本人との協議により所属教育組織の会議において開示し配慮を求めた。
その他
障害学生支援部署は協議に参加していないが、教育組織教員として障害学生支援部署教員が加わった。
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員、教務課、支援室
ニーズへの対応
できなかった内容=通称使用の希望のうち、学籍等については本名とした。トイレは、女子トイレではなく多目的トイレを用いることとした。
できなかった理由=学籍等は公的な効力等を考慮した。トイレは今後の課題と考える。
学生の反応、感想等
混乱なく学生生活を送っている。メール等で謝意を伝えられている。
【事例No.6】精神障害(過敏性腸症候群)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔5,000人から9,999人〕
障害学生数〔11人から20人〕
対応する委員会〔専門委員会〕
支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人(法学)1年次(女)
お手洗いや体調不良のため、授業中に退出することを配慮してほしい。また、試験は別室受験をお願いしたい。
申し出を受けた部署
教務部次長
対応の手順
診断書と、本人及び保護者の了承により病名等の開示をどこまで希望するかの書面を提出させる。教務委員長名で開示希望の教員等該当者へ、教育上の配慮の依頼を取扱注意の書面にて行なう。
学生との話し合い
教務部次長が対応し、症状や医療機関への受診状況、生活においてどんな支障が生じるのか等話を聞いた。
支援内容
関係部署の情報共有。授業担当者へこういう症状を持った学生がいることの周知を行ない、なるべく出入り口付近に座らせるようにした。試験時は別室で実施。
その他
本人が教務部次長を訪ねてきたり、教務部次長が約1ヶ月間隔で本人の状況を確認。
学生の反応、感想等
自分の症状を理解し、病気とうまく付き合っていこうとしている努力がうかがえる。学内に自分のことを話せる者がいることで精神的に楽な気持ちが持てているようだ。
【事例No.7】精神障害(統合失調症)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学
学校規模〔5,000人から9,999人〕
障害学生数〔21人以上〕
対応する委員会〔学生相談委員会〕
支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆精神障害学生への支援◆
〔実技・実習配慮、学習指導(履修方法、学習方法等)、進路・就職指導、社会的スキル指導(対人関係、自己管理等)、保護者との連携、専門家によるカウンセリング〕
支援の申し出
申し出者=本人以外(工学)3年次(男)
入学後、統合失調症を発症し、長期間入院。本人が復学を希望したが、希死念慮が強く、配慮が必要だと担当医師が判断し、両親と本人が大学に支援の申し出をした。
申し出を受けた部署
保健センター医師、障害学生支援室
対応の手順
月に一度実施される学生相談室会議にて、対応を検討
学生との話し合い
混乱しがちで自分の意見を言うことができないため、担当の障害学生支援員を同席させて話し合いを行なった。
支援内容
復学直後は、障害学生支援員が授業に同席した。学生生活に慣れてきたころから、具体的に困っていることを取り上げ、SST(ソーシャルスキルトレーニング)に取り組んだ。
学外連携
精神科担当医師とかかりつけ医療機関の退院支援チーム
その他
小学校時代に発達障害が疑われたこともあったが、それ以降、支援の対象にはなっていなかった。大学入学後精神疾患が顕在化した事例である。
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、所属学科・教員、保健センター等
学生の反応、感想等
担当医師も家族も復学はあきらめていたケース。今は落ち着いて学生生活を送っており、大学卒業後の進路も考えられるようになった。
【事例No.8】精神障害
場面
- 進級、卒業、就職、学外実習等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔5,000人から9,999人〕
障害学生数〔21人以上〕
対応する委員会〔学生委員会〕
支援担当部署・機関〔学生課、教務課、保健室、学部事務室〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人(工学)1年次(男)
音刺激に対して過敏であり、周りの声が気になる。
申し出を受けた部署
就職課
対応の手順
就職担当職員と当該学生で個別面談を行ない、支援の方向性を決定。
学生との話し合い
はじめに当該学生の希望を聞き、その希望に沿って就職担当職員が支援内容を提案していく。当該学生も支援内容については納得していた。
支援内容
一から履歴書を作成していき、準備を行なった。また、挨拶、メール、送付状などのマナー・ビジネス文書を指導した。合同企業説明会の参加企業に受け入れ可 能か確認した。また、本人の意見をもとに希望優先順位を考え、企業と交渉(職場体験の受け入れの依頼など)・相談の上、支援を行なった。
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、就職課
学生の反応、感想等
就職担当職員と面談を行なうことで、信頼関係が築けた。
【事例No.9】精神障害(ナルコレプシー)
場面
- 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔5,000人から9,999人〕
障害学生数〔11人から20人〕
対応する委員会〔ない〕
支援担当部署・機関〔学生部学生課〕
◆精神障害学生への支援◆
〔使用教室配慮〕
支援の申し出
申し出者=本人以外(薬学)
入学試験時に、高校から申し出があった。
- 別室受験
- 保冷剤の持ち込み
- 飲料水の持ち込み
- 薬の服用
申し出を受けた部署
入試部
対応の手順
入学試験受験前に相談(要望書)を受け付け、本人、保護者、本学教職員と面談後、対応方法を検討。
学生との話し合い
対応案を説明し、了解を得た。
支援内容
別室での受験、試験室への保冷剤の持ち込み及び適性検査受験時の使用(無地のものに限る)、飲料水の持ち込み(無地のものに限る)、適性検査受験中の薬の服用
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員
【事例No.10】精神障害(ナルコレプシー)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔21人以上〕
対応する委員会〔学生生活委員会〕
支援担当部署・機関〔学生生活課(保健室・相談室)、学生支援室〕
◆精神障害学生への支援◆
〔試験時間延長・別室受験、注意事項等文書伝達、休憩室の確保、体調への配慮・発後困難への配慮、学習指導(履修方法、学習方法等)、進路・就職指導、社会的スキル指導(対人関係、自己管理等)、生活指導(食事、洗濯等)、保護者との連携、専門家によるカウンセリング、居場所提供〕
支援の申し出
申し出者=本人(家政)3年次(女)
ナルコレプシーの診断が下りており、服薬治療中。日中にも関わらず、強い眠気・睡魔に襲われる事や、自分でも気づかぬうちに、ぼおっとしてしまったり意識がない事がある。そのため電車で乗り過ごしてしまい、遅刻してしまったり、授業中に寝てしまう事がある。時間に余裕を持って登校しているが、やむを得ず遅刻や欠席となってしまう場合がある為、平常点・出席に関する基準の配慮を希望。
申し出を受けた部署
入学時に提出する「健康調査票」の面談希望欄にチェックがあり、保健室にて面談。
対応の手順
保健室から学生生活課へ引継ぎ、学生生活課にて学生と面談。その際配慮希望内容を確認し、配慮願い作成。授業に関わる為、教学支援課と情報共有し、当該学生が受講する講義の担当教授へ配慮願いを配付。
学生との話し合い
症状・希望する配慮のほか、遅刻・欠席の場合に聞き漏れている講義内容のフォローについて学生自身がどういった対応を行なえるのかといった自助努力についての聞き取りを行なった。学生自身は高校でも試験を別室で受験するなどの対応を受けていたとのこと。
支援内容
教員への周知と定期試験の別室受験
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員、保健管理センター等、学生生活課、保健担当職員
【事例No.11】精神障害(性同一性障害(性別違和))
場面
- 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
公立大学
学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔6人から10人〕
対応する委員会〔学生生活保健協議会〕
支援担当部署・機関〔保健管理センター〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=(本人)看護学
女性用衣類の着用許可
入試時の呼び出しの際に、受験番号または苗字のみとするよう配慮
身体障害者用トイレの使用許可
申し出を受けた部署
アドミッションズセンターにて受付
対応の手順
学内規定に基づき、学部長(部長)級までの決裁にて、本人へ通知
学生との話し合い
実施せず
支援内容
女性用衣類の着用許可、呼び出しの際の配慮、障害者用トイレの使用許可
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、所属学部・教員
【事例No.12】精神障害(チック障害)
場面
- 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔11人から20人〕
対応する委員会〔学生補導・指導委員会、学生部連絡会〕
支援担当部署・機関〔学生部〕
◆精神障害学生への支援◆
〔実技・実習配慮、教室内座席配慮〕
支援の申し出
申し出者=本人以外(臨床工学)1年次(男)
入学試験前に保護者(母親)から試験時の別室受験希望の申し出があった。
申し出を受けた部署
〈入学前(入学試験)の対応〉
入学試験の別室受験希望について、保護者より本学部入試係へ申し出があった。
〈入学後の対応〉
学科長から教務副委員長、学科内教員の順で、情報共有を行なった。
対応の手順
〈入学前(入学試験)の対応〉
面談希望があったため、当該学生と保護者及び志望学科の学科長と面談を行なった。後日、出願前に行なう特別措置に関する申請方法を説明した。
〈入学後の対応〉
学科内会議で定期試験時に問題があれば別室受験対応をすることとなった。
学生との話し合い
〈入学前(入学試験)の対応〉
学生の要望を聞き、配慮の内容を確認し、当該学生の了承を得た。
〈入学後の対応〉
当該学生より、支援要望について聞き取りを行なった。その後、クラスの学生にも事情を話し、定期試験における別室受験の必要はないと判断した。
支援内容
〈入学前(入学試験)の対応〉
入学試験は別室試験とした。
〈入学後の対応〉
当該学生が声を発しても特に問題にはせず教員、学生が接するようにしている。
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員
学生の反応、感想等
担当教員と面談を行なうことで、当該学生と信頼関係が築けた。
【事例No.13】精神障害(高次脳機能障害)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 進級、卒業、就職、学外実習等
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔2人から5人〕
対応する委員会〔ない〕
支援担当部署・機関〔ない〕
◆精神障害学生への支援◆
〔通学支援(自動車通学の許可、専用駐車場の確保等)、介助者の入構、入室許可〕
支援の申し出
申し出者=本人以外(家政(食物))4年次(女)
交通事故により脳挫傷、高次脳機能障害にてリハビリテーションセンターに通院中。身体的には困難はない。大学生活の指導を希望。緊急な病変の場合は、かかりつけ医に連絡してほしい。
申し出を受けた部署
学生相談室、臨床心理士
対応の手順
入学後、本人および家族、リハビリテーションセンター、臨床心理士を含め、面談の場を設けた。
学生との話し合い
大学生活の指導を希望。
支援内容
対人関係を築くためのトレーニングが必要となり、本人の希望時に臨床心理士の面談を実施。学科教員にも事情を説明し、授業の配慮を依頼した。4年次となり、就職を障害者枠でも検討したいと考え精神保健福祉手帳3級を取得。
学内協議参加部署・機関
保健管理センター等
学生の反応、感想等
キャリア支援センターと障害者枠での就職を探しているが、未だ就職は決まっておらず、あせり感はある。
【事例No.14】精神障害(高次脳機能障害)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔21人以上〕
対応する委員会〔学生支援委員会〕
支援担当部署・機関〔学生支援センター、保健センター、教務課、学生相談室〕
◆精神障害学生への支援◆
〔実技・実習配慮、教室内座席配慮、講義内容録音許可〕
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外(教育学)2年次(女)
入学後、保護者より障害について、今後のためにと申し出があった。本人と面談し、授業配慮申請を行なうこととなった。
申し出を受けた部署
学生支援委員・担任・学生支援センター
対応の手順
担任教員、学生支援委員から支援内容とニーズの確認を行なった後、学生支援委員会で協議した。その後、学生の所属学科から、履修科目の教員に支援依頼文書を配付した。
学生との話し合い
学生支援委員または担任が学生のニーズの聞き取り、学生支援委員会での協議の結果と履修科目の教員の回答を学生に説明した。
支援内容
大教室等の授業でのマイク使用、英語等の微妙な発音を聞きとらなければならない授業の場合は先生の口の動きが確認しやすい席の確保。小グループ等での話し 合い等の活動がある場合はグループ間の距離を空ける。記憶障害への支援として、授業内容の録音許可、授業内で実施される小テストの代替。気分がすぐれないときには、授業の途中退室又は水分補給を認める。
その他
学内協議参加部署・機関
委員会、支援担当部署、所属学部・教員
学生の反応、対応等
精神的に落ち着いた。
【事例No.15】精神障害(反復性過眠症)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔11人から20人〕
対応する委員会〔ない〕
支援担当部署・機関〔学生課、教務課、キャリア課、保健管理センター〕
◆精神障害学生への支援◆
〔内容に応じ面接〕
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外(保健)3年次(男)
病気の特徴について、履修登録をする教員への理解の申し出あり。
申し出を受けた部署
新入生健康調査、保健管理センター
対応の手順
申し出内容を教務部長、学生部長に提出。保健管理センター長との面接を実施し、その結果について学科に連絡。
学生との話し合い
保健管理センターから本人に配慮願い用紙を渡し、申し出内容を記入した配慮願いと診断書を提出してもらった。
支援内容
保健管理センターから教務課長に配慮願いを、そのコピーを学生課長に提出し、教務課から講義の配慮について科目教員に依頼。
学内協議参加部署・機関
保健管理センター等
【事例No.16】精神障害(高次脳機能障害)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔21人以上〕
対応する委員会〔学生生活委員会〕
支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆精神障害学生への支援◆
〔ノートテイク、試験時間延長・別室受験、個別面談〕
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外(芸術)2年次(男)
オープンキャンパスや入学試験前の事前相談会に、当該学生と保護者から、試験時の対応について要望があった。また、入学後の授業について要望があった。
申し出を受けた部署
障害学生支援室で相談を受けた。
対応の手順
入学試験時に把握していた情報と相談のあった情報に基づいて、入学前に当該学生と保護者、関係教職員、障害学生支援室員が会し、全体ガイダンスを行ない、障害学生支援と履修の説明を行なった。また、個別相談を通して、具体的な履修の相談や支援内容とニーズの確認等を行なった。その後は障害学生支援室が窓口となり、授業担当教員に配慮願い文書を配付し、関係教員と連絡を密に取り支援を行なった。
学生との話し合い
主に本人の困りごとやわからないことを相談し、授業の理解に向けて可能な支援について障害学生支援室員が支援内容を提案し、当該学生は納得した。
支援内容
履修相談と単位の確認。講義を聴きながらノートが取れないことや情報の整理が出来にくいため、記録者を1名配置。
学外連携
本人の担当医との情報共有
その他
月1回程度、障害学生支援室との個別面談で、その時々の不安や課題を聞き取る。
学生の反応、感想等
大学生活に慣れてはきたものの忘れ物が多かったり、スケジュール管理が出来なくて、障害学生支援室を訪ねてくるが、記録テイクの受け取り方法等、支援を受けるだけでなく、自分から意見や提案が出来るようになった。
【事例No.17】精神障害(不安障害)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
公立大学
学校規模〔1,000人から1,999人〕
障害学生数〔1人〕
対応する委員会〔学生委員会〕
支援担当部署・機関〔学務課、保健室等〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外(工学)2年次
入学して間もなく、本人が聴覚過敏があり、頭痛持ち、パニック発作を起こすので、発作が起きた時は途中で抜けて保健室で休みたいと言ってきた。教員には自分で伝えていると話した。その後、授業中にパニックになり、教員に付き添われ保健室に来た。学科長より保健室と教員との情報共有の話があった。
申し出を受けた部署
保健室担当者及び学年担当教員
対応の手順
学年担当教員と該当学生で個別面談が行なわれた。
学生との話し合い
学科長より、本人がパニックを起こすことがあることや、パニック時は授業を途中で抜けてしまう等が、本人の了承を得て、学科の関係教員へ伝えられた。
支援内容
講義や実習担当の教員や学科技術員が、授業中の様子を見ることや、本人がパニックになった時は保健室で休ませるようにすることを共通認識とした。
その他
入学当初はパニック状態になることが多かったが、専門医(精神科)の診察を受けていなかった。専門医の診察を受けたほうが良いと思われたため、母親と教員と保健室担当者で面談をして、専門医の受診をしてもらった。
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、所属学部・教員
学生の反応、感想等
緊張や不安があると早めに保健室に来て休んでいる。パニックになった時や不安が強く体調不良の時は、休める場所(保健室)があるため、少し安心できている様子である。
【事例No.18】精神障害(性同一性障害(性別違和))
場面
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔1,000人から1,999人〕
障害学生数〔11人から20人〕
対応する委員会〔学生委員会〕
支援担当部署・機関〔学生係、保健室〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人(薬学)1年次(女)
入学前から入試事務局に連絡。本来女性だが男性名を通称名として使いたい。学生証も通称名を使って欲しい。通常書類の性別の記載は最小限に留め、他の学生の前では男性として行動することを認めて欲しい。トイレは障害者用トイレを使用したい。健康診断についての配慮及び男女分かれて行動しなければならないことが生じた場合の配慮をお願いしたい。
申し出を受けた部署
入試事務局から教学課及び保健室
対応の手順
学生委員会で通称名の使用を許可。教務委員会他関係部署に、性同一性障害(性別違和)の学生が入学してくると連絡。配慮事項等はその都度保健室で対応。
学生との話し合い
入学前はメールにて意志疎通。入学式当日は母親を含めて話合い。
支援内容
通称名で学生証を作成発行。担当アドバイザーとの面談。必要に応じてカウンセリングや相談窓口があることを告知。健康診断は男性の1番で実施。ロッカー室は男性用を使用。白衣は男性用を購入、使用。
学内協議参加部署・機関
委員会、支援担当部署、所属学部・教員、保健管理センター等
学生の反応、感想等
対応についてはほぼ満足。ホルモン療法などを実施中で、20歳を過ぎたら家庭裁判所に戸籍の変更を申請する予定であると語る。(国家試験は新しい名前、性別で受験したい)
【事例No.19】精神障害(パニック障害)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学生相談、カウンセリング等
- 学外生活(通学・入寮等)
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔1,000人から1,999人〕
障害学生数〔2人から5人〕
対応する委員会〔ない〕
支援担当部署・機関〔学生課、教務課、保健課〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人以外(体育学)3年次(女)
【教務課】
学部長、ゼミ担当教員と保護者が話し合いを行ない、保護者より卒業に向けて支援して欲しいとの申し出があった。
【保健センター】
夕方、課外活動中に発作を起こし、なかなか回復しないため救護要請あり。その時に課外活動担当教員、本人から病状や近況について説明があり、発作が起こった際の救護を依頼される。
申し出を受けた部署
【教務課】学部長、ゼミ教員
【保健センター】保健課看護師
対応の手順
【教務課】
学部長、ゼミ教員、教務委員長が支援策に向け検討後、学長に相談を行ない支援策を決定。
【保健センター】
キーパーソンとなる同課外活動所属メンバー、顧問との情報交換を行ない、発作時等見守りをした。
学生との話し合い
【教務課】
可能な支援策について確認を行なった。
【保健センター】
本人からリストカットや摂食障害に関する苦痛の訴えがあり、対処法を一緒に考えた。
支援内容
【教務課】
授業担当教員と連絡をとり、出席が難しい場合はレポート等により支援。
【保健センター】
発作時に本人が無意識状態で暴れたりする時は危険防止に留意し、落ち着いた後保健センターに搬送し意識が回復するまで休養させた。
学内協議参加部署・機関
保健管理センター等、学長・学部長・ゼミ教員・教務委員長
【事例No.20】精神障害(場面緘黙症(ばめんかんもくしょう))
場面
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立高専
学校規模〔1,000人から1,999人〕
障害学生数〔6人から10人〕
対応する委員会〔ない〕
支援担当部署・機関〔学生課、学生相談室〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人(材料工学)3年次(女)
喋れるようになりたいと本人から筆談で申し出あり。
申し出を受けた部署
保健室の看護師
対応の手順
医療機関を受診しているが、頻繁な訓練は困難なため本校のカウンセラーにより話す訓練の実施。
学生との話し合い
一人でカウンセリングを受けたくないとのことで、しばらくは看護師が同席した。
支援内容
本校カウンセラーによる話すことの訓練を実施している。
学外連携
学生が受診している医療機関の主治医との連携
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員
学生の反応、感想等
まだ筆談によるコミュニケーションで、言葉を発することは無く、うなづく時に「うん」と言えるようになった。
【事例No.21】精神障害(高次脳機能障害)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学
学校規模〔1,000人から1,999人〕
障害学生数〔2人から5人〕
対応する委員会〔学生委員会、教務委員会、入学試験委員会〕
支援担当部署・機関〔教育支援課、学生支援課〕
◆精神障害学生への支援◆
〔講義内容録音許可、レジュメ・資料の配付、パワーポイントの内容を紙媒体で配布、スマートフォンのカメラ機能による板書等の記録許可、社会的スキル指導(対人関係、自己管理等)、発達障害支援センター等との連携、保護者との連携〕
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外(教育学)2年次(男)
授業において可能な範囲で配慮(許可)願いたいこと
- レジュメ・資料の配付
- パワーポイントの内容を紙媒体で配付
- スマートフォンのカメラ機能による板書等の記録許可
- ICレコーダー等での録音許可
申し出を受けた部署
教育支援課
対応の手順
入学直前の交通事故により、高次脳機能障害と診断されたため、保健管理センター、クラス担当教員、教育支援課及び学生支援課で協議し、学外機関である障害者支援施設(自立生活訓練)への聞き取りや、学生及び保護者と面談の上対応を決定した。
学生との話し合い
学生及び保護者から要望を聞き取り、可能な支援内容について提案し、当該学生及び保護者は納得した。
支援内容
全教職員に当該学生の症状を周知する(学生及び保護者からの希望による)と共に、授業担当教員には当該学生からの申し出内容(レジュメ・資料の配 付、パワーポイントの内容を紙媒体で配付、スマートフォンのカメラ機能による板書等の記録許可、ICレコーダー等での録音許可)を周知・依頼した。
学外連携
障害者支援施設(自立生活訓練)
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、所属学部・教員、保健管理センター等
【事例No.22】精神障害(統合失調症)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔500人から999人〕
障害学生数〔21人以上〕
対応する委員会〔専門委員会〕
支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆精神障害学生への支援◆
〔試験時間延長・別室受験〕
支援の申し出
申し出者=本人(福祉心理学)1年次(女)
入学後、初期の段階で、診断名とともに、授業を途中で抜けたり欠席することがあるが決してサボりではないこと、グループワークが苦手であること、教員の研究室棟に直接質問に行くことがあるかもしれないこと、状況によっては授業中に頓服薬を服用することがあること、症状として幻聴や被害妄想や不安があること、薬の副作用として平衡感覚が怪しくなったり手が震えたり眠くなったりする(授業中に寝ている場合も薬の副作用かもしれない)ことを全学的に把握してほしい旨の申し出があった。その後学校生活を送る中で、昼休みに一人で過ごすことのできる空間の提供について希望があり、保護者からは認知行動療法の実施の要望があった。
申し出を受けた部署
当該学生の学部兼障害学生支援室員である教員(臨床心理士)
対応の手順
学生生活支援センター長、障害学生支援室長及び学生教務課障害学生支援室員に報告し、対応を協議。
学生との話し合い
要望に対する大学としての回答を伝えた。
支援内容
当該学生が全学的に周知してほしい情報については、障害学生支援室から全教員に伝えた。、また、一人で過ごせる空間については、空スペースの利用を案内した。
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、所属学部・教員
ニーズへの対応
できなかった内容=認知行動療法の実施については、対応できない旨伝えた。
学生の反応、感想等
当該学生とは、週1回のペースでカウンセリングを行ない、その都度、困り感を確認しながら、修学支援を行なっている。困ったことがあれば誰に伝えればよいのかが明確になるだけで、当該学生は安心感を持ったようである。
【事例No.23】精神障害(言語性記憶障害(疑)
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立高専
学校規模〔500人から999人〕
障害学生数〔6人から10人〕
対応する委員会〔専門委員会〕
支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆精神障害学生への支援◆
〔視覚による指示・伝達、学習指導(履修方法、学習方法等)、専門家によるカウンセリング〕
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外(物質工学)3年次(男)
<学級担任>
英語の成績だけが極端に悪い。メンタル的な問題もありそうなので話を聴いてほしい。
<本人>
- 騒音のある環境での聞き取り不可。騒がしい場所が苦手(教室にいるのが苦痛)。
- 聴覚短期記憶が苦手、音は聞こえるが内容が理解できない(先生の話が音にしか聞こえない、破裂音の短い音が多い英語は特に苦手)。
- 弟の家庭内暴力、不登校、経済状況等家庭環境の悩み。
- 無気力、うつ状態(やりたい事、楽しい事が何もない)。
申し出を受けた部署
保健室
対応の手順
本人の訴えから何らかの発達障害を疑い学校医へ繋いだところ、聴覚処理障害の可能性と上述の家庭環境や学校での不適応が長期に渡り続いた事によるうつ状態と診断され、このままでは社会に出ても人との関わりの少ない職業にしか就けない事が憂慮された。これを受けて、両親、関係職員で面談し、聴覚処理障害に対 して専門的施設での検査をすすめ、要請があれば診断はつかなくても必要な支援はしていく事を確認した。その後、医師の診察の上で障害学生支援の対象とな り、障害学生支援委員会を経て支援チームが発足し、クラスの全教科担当教員へ支援依頼文書配付となる。
学生との話し合い
精神的に追い込まれると不眠が続くようになり、その都度、薬物療法等精神科医の介入を受けた。
支援内容
- 1.全教科担当教員への視覚による伝達等の協力要請。
- 2.担任による声かけと学習指導。ボイスレコーダー、ノイズキャンセラーヘッドホンの使用許可。
- 3.関係職員の定期的な面談と指導。
- 4.英語の放課後学習へ参加。
- 5.保健室を中心とした健康観察と声かけ。
- 6.保護者への情報伝達と協力要請。
学外連携
医療機関
学内協議参加部署・機関
委員会、支援担当部署、所属学部・教員、保健管理センター等
ニーズへの対応
できなかった内容=授業を聞き取れず教室では理解できない為別室で自習したい。
できなかった理由=場所や専任教員確保の問題。教員との共通理解等の課題。
学生の反応、感想等
その後の入院検査でもまだ確定診断には至っていないが、耳からの情報を記憶する力が更に低下してきている事がわかっている。進級はできたものの成績は低迷し精神的にも不安定となっている。非常に稀な障害であり、教員間の共通理解を得る事や有効な支援策を見出す事が困難で試行錯誤している。
【事例No.24】精神障害
場面
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学
学校規模〔1人から499人〕
障害学生数〔2人から5人〕
対応する委員会〔学生委員会〕
支援担当部署・機関〔学生担当〕
◆精神障害学生への支援◆
平成26年度調査時点では、精神障害学生の在籍なし(事例は過去年度のものです)
支援の申し出
申し出者=本人以外(芸術(音楽))2年次(女)
本人、もしくは保護者からの申し出というよりは、学校側が本人の対人行動に対して異変を感じたため、本人・保護者・学校の三者面談を行なった。
申し出を受けた部署
学生担当として保護者に対し、三者面談を行ないたい旨申し出た。
対応の手順
学生生活や対人関係に対する不安から、自分の体を傷つける行為も見られたため、当該学生の話を聞いて不安を緩和する手助けになれるよう女性職員をつけ対応した。また、緊張感から過呼吸を起こすこともしばしばあるため、担当教員に対し現在の状況を説明し、適度な休憩・緊張緩和がなされるよう協力依頼を行なった。
学生との話し合い
三者による話合いでは、当該学生は一貫してうつ向いて話を聞いているだけであったが、担当の女性職員をつけてからは、しばしば相談に来るようになっている。
支援内容
特別な具体的支援は行なっていないが、当該学生の現状を本人も学校側も相互に理解し、過度な緊張感を持たないよう指導している。過去の深刻な状況からは脱したようであるが、繊細なバランスの上に成り立っているので、今後の経過を注視する必要がある。
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員、学生担当
学生の反応、感想等
少しずつではあるが、感情的にならずに明るくなってきているように感じるが、前述したとおり、感情の微妙なバランスの上に成り立っているようで、一進一退の日々が続くように感じられる。