事例No.123(上下肢機能障害)記述試験での時間延長が不十分との申し出

【事例紹介】

事例が起きた時期

過去5年以内

事例が起きた学校

私立大学、学校規模:5,000から9,999人

対象学生

学科(専攻):社会科学、2年次、肢体不自由(上下肢機能障害)

相談、不満・不服の申し立て、または支援の申し出

1.場面等

  • その他

2.内容

問題が発表されていた記述試験のため、回答が用意できていたにも関わらず、センター入試のマーク式に基づく1.3倍の試験時間では十分に回答できなかった。これにより成績評価が本人の納得いくものではなく、記述試験ではもう少し時間がほしいため、試験時間を1.5倍にさらに延長してほしいと希望があった。

学校の対応

1.関わった部署

教務担当部署、教育部門(学部、学科等)、保健管理センター等

2.対応内容

保健管理センターでは、日本学生支援機構に問い合わせた他、他国家試験での対応や学校医の専門的知見を踏まえて、教務担当部署と相談した。教務担当部署からは所属学部に本人の希望を伝えて検討を依頼した。また、現状がセンター試験に準じた1.3倍の時間で別室受検をしており、妥当性や平等性が保たれないと結果として本人に不利益になることも考えられること、出席重視の授業で、評価が試験結果だけでなく出席状況も含めて行なっているため、今回の授業の評価に問題ないことも担当教員と連絡をとり確認した。
これにより、大学として対応しえる範囲での対応をしているため、1.5倍の延長は難しいことを本人と面談して伝えた。

理由、原因等 ※学校の回答

  • 障害者でない学生との比較において同等の機会の提供とはならないため。
  • 教育の目的・内容・機能の本質的な変更となるため

学生等の反応

  • 納得して、問題なく修学している

「試験に関して、回答を考えていたのに書ききれなかったことを伝えておきたかった。」と話すが、出席状況を含めた評価であることに納得し、その後配慮希望等もない。

その後の経過

学生の様子:成績も問題なく、追加配慮希望もなく、就職も内々定が取れて4年次を過ごしている。

【参照】