事例紹介
事例が起きた時期
令和元年度
発生時期:受験時
事例が起きた学校
公立大学、学校規模:5,000から9,999人
対象学生
学科(専攻):保健(医・歯学を除く)、年次:2、障害種:視覚障害(弱視)
支援の申し出
1.支援の申し出の受付
- 支援の申し出:有
- 申し出を受けた部署(者):障害学生支援担当部署
- 支援の申し出を受け付ける申請書(様式):有
- ニーズ聴き取りのための面談:実施した
2.支援が必要とされた場面
受験・入学 授業・研究指導 実習、フィールドワーク等
申し出への対応
1.配慮内容の決定について
- 配慮の提供に関する学内関係部署の検討・協議:実施した
- 検討協議に参加した部署(者):障害学生支援部署 教務担当部署 教育部門 保健管理部門 学生相談部門
- 配慮内容の決定過程:建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった
- 学内関係部署への配慮依頼文書の配付:実施した
2.配慮内容決定後のモニタリング・フォローアップ
- 当該学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
- その後の状況に関して、関係部署(者)に聴取、情報共有を行なっている
相談内容
記入なし
申し出内容と配慮の提供
申し出内容1:一般の学生は実習先を5つの候補から選べるのに自身は先生が選定した実習先に行くよう指導された。ほかの学生と同じように興味のある実習先を選べるようにしてほしい。
- 提供した配慮:学校が提案した配慮=今回は初回の実習でもあるため、教員が提案した実習先で実習を受けてもらい、次回からは当該学生の希望を確認した上で、実習先に受け入れ可能か教員から打診する。
- 配慮内容決定時での合意形成:できた
- 合意形成できたと考える根拠:こちらの提案を受け入れた
- 提供した配慮の具体的内容:教員は実習に当たって、当該学生の障害について配慮を十分にしてくれる実習機関を選んで当該学生に提案したが、当該学生は⼀般学生と同じ様に、数ある実習先から選択することを希望した。障害学生支援部署のコーディネーターと教務担当職員が双方の話を聞き、意見交換の機会を設けた。今回は(初回実習のため)、実習先の特色が実習内容に殆ど反映されないことと、次回以降の実習のスケジュールと内容を確認した。その上で、今回は教員の選んだ実習先で実習を行ない、次回からは学生の希望を確認した上で実習先を検討する、という方針を確認し双方納得した。
- 事後評価:ニーズを完全には満たしていないが、学生も概ね満足している
- 事後評価の理由・詳細:教員が提案した実習先は自身の希望の実習先ではなかったが、教員が障害学生に対して十分配慮してもらえる実習機関であると選定した上で勧めてくれたものと理解し、次回からは希望を事前に確認してくれることが分かったため。
配慮内容決定後の不服、不満、苦情の申し立て
- 不服、不満、苦情等申し立て:あった
- 申し立てを受けた部署:障害学生支援部署
- 申し立て内容:授業に同席する学生支援スタッフが、連絡なく休んだり、遅刻したりする。支援に関係ないことを話しかけることがあり、授業に集中できない。
- 申し立てへの対応に関わった部署:障害学生支援部署 教務担当部署 教育部門(学部、担当教員等)
- 申し立てへの対応手順:障害学生支援コーディネータが、学生・教員・教務担当職員と面談し、当該障害学生支援にふさわしい支援スタッフは、どのような人物で、どのように募集し、フォローアップをしたらよいか検討した。
- 申し立てへの対応内容:担当教員と学期の初めに支援スタッフの必要な授業について相談・決定し、担当教員から(院生も含めた)上級生で支援スタッフにふさわしい人物を募集した。必要人数が集まった段階で、顔合わせのミーティングを設け、障害学生から自身の障害や支援のポイントを説明してもらい、障害学生支援コーディネーターが、資料を活用しながら支援の考え方、役割について確認した。その後、支援スタッフを中心に連絡方法、担当科目などを検討した。
- 対応に関する学生の反応:納得して、問題なく修学している
- 学生の反応の具体的内容︓ある程度の人数が集まり支援のシステムが作られたことや、支援についての基本的な考え方が共有されたため、授業中に話しかけられることや、支援スタッフの遅刻等がなくなり問題なく授業が受けられている。
その後の経過、課題等
履修授業が決まった段階で中心的な役割を担っている教員と面談し、支援スタッフを教員経由で募集し、令和2年度の前期も問題なく支援スタッフを配置することができた。
課題としては、障害者支援スタッフは、障害のために授業の履修に支障が出るところを補う役割を担っているが、当該学生の支援については、支援スタッフの業務を超えた要望(授業内容に関する質疑に答える)にまで応えているため、本来的にはティーチングアシスタント(TA)の業務の範疇まで支援スタッフが担っている。支援スタッフとTA、線引きをどこにするかが難しい。