事例紹介
事例が起きた時期
令和元年度
発生時期:進級時
事例が起きた学校
私立大学、学校規模:2,000から4,999人
対象学生
学科(専攻):人文科学、年次:3、障害種:発達障害(ASD)
支援の申し出
1.支援の申し出の受付
- 支援の申し出:有
- 申し出を受けた部署(者):学生生活支援担当部署
- 支援の申し出を受け付ける申請書(様式):無
- ニーズ聴き取りのための面談:実施なし
2.支援が必要とされた場面
授業・研究指導
申し出への対応
1.配慮内容の決定について
- 配慮の提供に関する学内関係部署の検討・協議:実施した
- 検討協議に参加した部署(者):障害学生支援部署 教育部門 保健管理部門 学生相談部門
- 配慮内容の決定過程:建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった
- 学内関係部署への配慮依頼文書の配付:実施なし
2.配慮内容決定後のモニタリング・フォローアップ
- 当該学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
- 当該学生に対して、定期面談を行なっている
- その後の状況に関して、関係部署(者)に聴取、情報共有を行なっている
相談内容
記入なし
申し出内容と配慮の提供
申し出内容1:クラスを変えて欲しい。
- 提供した配慮:学校が提案した配慮=職員が一度授業に付き添って参加し確認を行なった。騒々しさに耐えられない時は、5分~10分間教室を退室することを提案した。
- 配慮内容決定時での合意形成:できた
- 合意形成できたと考える根拠:こちらの提案を受け入れた
- 提供した配慮の具体的内容:支援の申し出後、学生支援室職員が実際の授業に付き添って、騒がしさの確認をする。運動部に所属する男子学生達の不真面目さや多少の騒がしさはあったが、騒がしさの程度は職員が思ったほどではないと感じた。これらを踏まえクラス担当教員と話す。教員が、騒々しさに耐えられない時は5分~10分間教室を退室することを提案した。この提案と、教員が授業でよく頑張っているとほめていた旨を本人に伝えると、すんなりと受け入れた。
- 事後評価:ニーズを完全には満たしていないが、学生も概ね満足している
- 事後評価の理由・詳細:本人から「付き添ってくれてありがとうございました」との発言があり、自分が限界の時は教室を退室するようにしているとの報告があった。
配慮内容決定後の不服、不満、苦情の申し立て
- 不服、不満、苦情等申し立て:あった
- 申し立てを受けた部署:障害学生支援部署
- 申し立て内容:やはり授業に集中できない。イライラして不安になるのでもう一度職員に付き添って授業に出てほしい。それが無理なら授業を休みたい。
- 申し立てへの対応に関わった部署:障害学生支援部署 教育部門(学部、担当教員等) 保健管理部門 学生相談部門
- 申し立てへの対応手順:2度目の付き添いの可否を伝えるのではなく、何故そんなにイライラするのか聞き取りを注意深く行なった。その上で担当教員と再度相談し、もう一つの提案をした
- 申し立てへの対応内容:申し出をした学生によく聞き取りを行なうと、騒がしさよりも運動部の男子学生たちの雰囲気が、中学高校時代に自分がいじめられていた相手のイメージと重なり、精神的な不安定さをもたらしているのではないかという推測に至る。
これらを踏まえクラス担当教員と話す。教員より、授業中隣に座って不安なことや分からないことがあればサポートしてくれる学生を紹介する旨の提案を受ける。その後、サポート役の学生を紹介し座る席を決めると、安心して授業に参加することが出来るようになった。 - 対応に関する学生の反応:納得して、問題なく修学している
- 学生の反応の具体的内容:本人から「騒がしさが気にならなくなった。このままこのクラスでやっていけそうだ」という発言があった。またサポート役の学生の存在を心強く感じている旨の報告があった。
その後の経過、課題等
その後も同じクラスで授業を受けることができ、無事に単位を取得することができた。