事例No.2067(ASD)オンライン授業配慮が提供されない状況が改善されていない

事例紹介

事例が起きた時期

令和2年度
発生時期:授業開始後

事例が起きた学校

私立大学、学校規模:10,000人以上

対象学生

学科(専攻):人文科学、年次:4、障害種:発達障害(ASD)

支援の申し出

1.支援の申し出の受付

  • 支援の申し出:有
  • 申し出を受けた部署(者):障害学生支援部署
  • 支援の申し出を受け付ける申請書(様式):有
  • ニーズ聴き取りのための面談:実施した

2.支援が必要とされた場面

授業・研究指導 試験の評価、単位取得、卒業要件等 

申し出への対応

1.配慮内容の決定について

  • 配慮の提供に関する学内関係部署の検討・協議:実施した
  • 検討協議に参加した部署(者):障害学生支援部署 学生生活支援担当部署 教務担当部署 教育部門 就職支援部門
  • 配慮内容の決定過程:建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった
  • 学内関係部署への配慮依頼文書の配付:実施した

2.配慮内容決定後のモニタリング・フォローアップ

  • 当該学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
  • その後の状況に関して、関係部署(者)に聴取、情報共有を行なっている

相談内容

記入なし

申し出内容と配慮の提供

申し出内容1:症状による授業の遅刻・欠席・途中離脱があった場合、配布資料の後日受け取りや課題の後日提出を認めてほしい。

申し出内容2:症状悪化により授業受講に集中できないため、授業(動画)の録画・録音を認めてほしい

申し出内容3:授業資料や板書における蛍光色や多数の字体(フォント)の使用を避けてほしい

申し出内容4:オンライン双方向授業時におけるマイク・カメラオフでの出席を認めてほしい。

申し出内容5:(心因性の)首・喉の圧迫感で発声が難しいため、発言・発表について担当教員と相談させてほしい。

配慮内容決定後の不服、不満、苦情の申し立て

その後の経過、課題等

演習など授業担当教員と障害学生支援部署との連携により本人に必要な支援を提供、単位修得につながった科目等もあったが、心身の不調が続き、今年度(令和3年前期)休学となっている。
コロナ禍やオンライン授業といったこれまでにない状況や授業形態等の中で、何を、どこまで提供することが「合理的配慮」なのか(実質の提供者となる教員の理解を得られるか)については、試行錯誤であったため、今後の検討が必要かもしれない。

【参照】