事例No.210(他の精神障害)学期試験問題を選択式に変更してほしいとの申し出

【事例紹介】

事例が起きた時期

1年春学期後半から学習・生活指導で困難が顕著になってきて、本学生が事態を理解し、対応することが難しくなった。

事例が起きた学校

私立短期大学、学校規模:1から499人

対象学生

短大1年次、精神障害(他の精神障害) 

相談、不満・不服の申し立て、または支援の申し出

対象学生はハローワークから紹介で社会人入学(面接等)した学生で、学科は短大の福祉コースに介護福祉の資格を取得するために入学した。中度の精神遅滞で文章が書けないため学期試験問題を5択にして欲しいと相談を通して出された。全てをこのような形式にはできないので一部導入を検討した。学生からのクレームはでていない。

学校の対応

1.関わった部署

障害学生支援部署、担任等、その他(大学外の専門機関)

2.対応内容

この学生は健康維持・生活管理を含め支援してきた。机上の学習のみならず介護の実習技能の学習においても、配慮はしつつも顕著な困難があった。介護資格試験が変更になり、卒業後の試験に合格することになったのでより厳しくなってきている。したがって、将来を見通した就職の選択と支援が必要である。ハローワークを介しての学生(社会人)であったが詳しい情報は事前に提供されなかった。

理由、原因等 ※学校の回答

合意形成はできていたが、精神遅滞の重さにより支援計画通りに実行することが困難になった。

  • 具体的な内容

合意形成の有無は当初確認しあうことができ個別支援計画にも了解された。しかし、授業や実習が進行する中で支援の限界も見えてきた。知的障害が軽度でない場合、資格取得を目標とする教育機関では大学・短大への進路選択において慎重を要する必要がある。

学生等の反応

修学特別支援室と学科が基本となり、個別の支援計画を本人と協議し時間をかけて作成した。保護者と本人に同意のため押印してもらった。しかし、支援の内容の理解の混乱、対応等について一人で処理できない等の相談をする中で明らかになり、支援内容のもつ意味を十分理解できず、担任等との繋がりを避けるような反応がみられるようにもなってきた。健康(肥満等、食事コントロールが困難等があったが、その理由に、10万円を超える修学支援金が給付され、お金の使い方が分からずに嗜好品等にその多くが支出することがあげられる)で医療機関とも連携。本人は薬を飲む習慣ないため健康維持困難な所が出てきた。

その後の経過

市の福祉課と協議しながら生活指導を行なってきたが、学習困難及び食事の管理(食べ放題による糖尿病併発)もうまくいかず、また、学習意欲も萎えてきて登校することも困難になってきた。市の福祉課と協議した結果、1年後期に退学に至り、福祉的対応で自立を目指すことになった。

【参照】