視覚障害・弱視の学生への支援・配慮事例、全13例を紹介します。
以下は、支援・配慮の申し出(または支援)の概要を、場面別、学校規模(在籍学生数)別に一覧にしたリストです。知りたい事例を選んでクリックしてください。
場面
入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
〔学校規模〕5,000人から9,999人
〔学校規模〕2,000人から4,999人
授業、試験、移動、施設改修等
〔学校規模〕10,000人以上
〔学校規模〕5,000人から9,999人
〔学校規模〕2,000人から4,999人
〔学校規模〕1,000人から1,999人
進級、卒業、就職、学外実習等
〔学校規模〕10,000人以上
〔学校規模〕5,000人から9,999人
〔学校規模〕2,000人から4,999人
〔学校規模〕1人から499人
学生相談・カウンセリング等
〔学校規模〕1,000人から1,999人
学外生活(通学、入寮等)
〔学校規模〕5,000人から9,999人
〔学校規模〕2,000人から4,999人
【事例No.15】 視覚障害・弱視
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 進級、卒業、就職、学外実習等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学 学校規模〔10,000人以上〕
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔教材の拡大、解答方法配慮、実技・実習配慮、講義内容録音許可、単眼鏡の使用、タブレットの持込許可、特別支援学校との連携、教育実習受け入れ校との連携〕
支援の申し出
申し出者=本人 教育学 3年次(女)
- 講義受講時・期末試験時における配慮希望
単眼鏡・ICレコーダー・タブレットの使用、板書・資料・試験問題の文字の拡大、マークシート問題は問題文に解答を直接記入等 - 教育実習時における配慮希望
講義受講時における配慮に加え、児童生徒の氏名・顔写真入り座席表の用意、休み時間における安全面の配慮、自身の障害について児童生徒に伝える場を設定等
申し出を受けた部署
入学後、本人(特別措置受験者)からの申し出を障害学生支援室担当者が受ける。
対応の手順
障害学生支援室担当者は、指導教員と共に学生の配慮希望内容を確認の上、障害学生支援委員会に学生の希望を提出。委員会で協議の上、支援が認定される。
学生との話し合い
教育実習については、学生自身が実習の様子をイメージできず不安を訴える。
支援内容
教育実習校に学生・教育実習委員長・障害学生支援室担当者が訪問し、事前に教育実習校の実習担当者から実習校の環境や実習の内容についての説明を受ける。
障害学生支援室は情報提供書を作成し、学生が所属する教務委員長及び教育実習委員長に提出。教務委員長は講義担当教員に講義・試験時における配慮を依頼。教育実習委員長は実習校に配慮依頼書を送付。
学外連携
障害学生支援室は視覚特別支援学校に相談対応を依頼。学生と障害学生支援室担当者が視覚特別支援学校に出向き、地域支援コーディネーター教員から、教育実習時に児童生徒へ自分の障害(見え方や接し方)をどのように伝えたらよいかについて具体的なアドバイスを受ける。
学内協議参加部署・機関
委員会、支援担当部署、所属学部・教員
ニーズへの対応
できなかった内容=教職員の理解
できなかった理由=配慮願いを渡したにもかかわらず、講義担当教員からタブレットの使用を注意されたことがあった。
学生の反応、感想等
学生の感想
- 年度当初、講義担当教員に配慮依頼をしても、タブレットの使用を注意されたり資料の拡大をしてもらえないことが若干あったが、ほとんどの教員には対応してもらいありがたい。
- 教育実習に行く前に、事前に実習校で説明を受けたり視覚特別支援学校でアドバイスを受けたりしたので、全く情報や手段を知らないまま教育実習に行くよりも、準備ができ心強かった。
【事例No.16】 視覚障害・弱視
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学 学校規模〔10,000人以上〕
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔教材のテキストデータ化、教材の拡大、ガイドヘルプ、リーディングサービス、チューター又はティーチング・アシスタントの活用、試験時間延長・別室受験、解答方法配慮、パソコンの持込使用許可、実技・実習配慮、専用机・イス・スペース確保、読み上げソフト使用、代筆、配慮依頼文書作成、支援機器の貸出、レポート作成補助、障害別の支援準備室とその設備の利用、タブレット端末の持込使用許可、学習指導(履修方法、学習方法等)、進路・就職指導、出身校との連携、保護者との連携、専門職員によるアセスメントや障害に関する相談対応、特別支援学校との高大連携(進路指導の一環としての大学見学への協力)〕
支援の申し出
申し出者=本人 文系 1年次
視覚補助具は単眼鏡を常用。入学後の措置の希望は以下の2点であった。
- 1.支援学生制度の配慮
- 2.学内の危険個所の把握など、不安軽減の援助
申し出を受けた部署
障害学生支援部署
対応の手順
障害学生支援部署教員との面談、入学する学部の教職員との面談、新入障害学生ガイダンス(外国語・情報・体育担当教員との面談会)を行ない、配慮依頼の内容について協議・決定した。
学生との話し合い
学生の希望を聞いた後、障害学生支援部署教員のアセスメントを行ない、適切と思われる支援内容について説明・相談し、本人と同意に至った内容を文書とした。
支援内容
授業担当教員向けには配慮依頼文書を作成した。記載した項目は主に次の通りである。視覚補助具(単眼鏡・ルーペ・タブレット端末)の持ち込み、パワーポイント資料の印刷配付(A4版に2スライド)、赤・青チョークの使用自粛、試験時間延長(1.3倍)、授業間の移動に時間がかかることへの理解。この文書は所属教育組織内で周知されるほか、学生が授業担当教員に文書を手渡し、配慮を直接お願いしている。その他、外国語履修にあたっては語学センター教職員・障害学生支援部署教員・本人の三者で4月中に3度面談を行ない、配慮の内容について理解を求めた。同時に、学生には支援(機器)室および支援学生制度を利用してもらうこととした。また、蛍光チョーク・太めのホワイトボードマーカーを学生に貸し出し、授業担当教員に使ってもらっている。資料の拡大(文字サイズ)については、障害学生支援部署教員による適切な文字サイズ評価の結果は本人の当初の希望とは異なるサイズとなったが、卒業後を考え、本人同意の上決定した。
その他
希望のあった「不安軽減の援助」については、入学式前の段階で、普段よく使う教室や施設を案内し、場所等を把握してもらうことで対応した。
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、所属学部・教員、所属する教育組織担当教務の事務職員
学生の反応、感想等
入学前後の移動支援以外で支援学生制度の利用はない。コピー機で教科書や資料の細かい部分を自分で拡大コピーするために、支援(機器)室を利用することが多い。資料の拡大については、現在の依頼内容で今のところ不便はないとのこと。
【事例No.17】 視覚障害・弱視
場面
- 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学外生活(通学・入寮等)
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔5,000人から5,999人〕
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔ない〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔教材の拡大、ガイドヘルプ、試験時間延長・別室受験、解答方法配慮、パソコンの持込使用許可、使用教室配慮、実技・実習配慮、教室内座席配慮、講義内容録音許可、学習指導(履修方法、学習方法等)、進路・就職指導、社会的スキル指導(対人関係、自己管理等)、保護者との連携〕
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外 情報学 1年次(男)
特別支援学校教育相談部より、一般高校に在籍し本学の入学を希望する生徒の入学前相談対応依頼があった。
入学後の大学生活全般の支援について、本人と母親から申し出があった。
申し出を受けた部署
障害学生支援室職員が相談を受けた。
対応の手順
入学前相談では障害学生支援室職員より学内の障害学生支援体制の説明を行ない、大学生活を送るにあたり必要となる事柄などを整理した。入学試験の配慮については入試センターが対応を行なった。入学決定後は障害学生支援室が中心になり各部局・学科と連携して支援を行なっている。
学生との話し合い
入学前相談開始時は本人が大学進学後にどんな課題に直面するのかイメージできずにいたが、本学の障害学生支援体制や障害学生の状況を説明していく中でイメージが湧き、学びの環境が整っている本学入学を強く希望するようになった。
支援内容
入学決定後、入学式までの間に7回来学。学内移動練習、授業受講練習、大学生活に必要なルールに関する学習、障害学生支援に携わる先輩との顔合わせを行なう。併せて通学練習やパソコンの設定などは学外の機関に依頼。
学外連携
通学練習・パソコンの設定は特別支援学校教育相談部に依頼。筑波技術大学障害者高等教育支援センター、中途視覚障害者支援センターに弱視学生の入学を報告、今後の相談対応を依頼。
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、所属学部・教員、入試担当部署
学生の反応、感想等
現在1年生で学習内容が基礎的な内容であるため、授業におおよそついていくことができている。今後学習内容が専門的・高度になった際に、ついていくことが難しくなることも想定される。情報系の学習については、今後筑波技術大学の助言をいただく場面が出てくることも予想される。
また、入学前より障害学生支援に携わる先輩学生と関われるようにしておいたことで、孤立することなく学生生活を送ることができている。
【事例No.18】 視覚障害・弱視
場面
- 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 進級、卒業、就職、学外実習等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学 学校規模〔5,000人から5,999人〕
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔教材の拡大、ノートテイク〕
支援の申し出
申し出者=本人 教育学 1年次(女)
入学試験前の事前相談で、当該学生から試験問題と解答用紙の拡大コピー、試験の時間延長の要望があった。また、入学後は授業資料や試験の拡大コピーの配付、試験時間の延長、ノートテイカーの配置等の要望があった。
申し出を受けた部署
入学試験における対応については、入試課に事前相談があった。入学後の対応については、障害学生支援の専門部署ができる前だったため、学務課の所属学部担当の事務職員が中心となって相談を受けた。
対応の手順
合格後に、当該学生と保護者、卒業した特別支援学校の担任、所属学部の教員、関係部署の事務職員で打ち合わせを行ない、入学後に必要な支援内容を確認し、学務課の所属学部担当事務職員が授業担当教員に配慮依頼文書を送付した。障害学生支援室が設置されてからは、コーディネーターが中心となり、学生との相談及び授業担当教員との連携を行なった。
学生との話し合い
当該学生が高校で受けていた支援内容と本人の要望を基に支援内容を決定し実施した。教育実習等、学外での実習の際には、本人と相談の上、移動介助をつける等行なった。特別支援学校とは異なる環境のため、当初はどんな支援が必要か本人もわからない様子だったが、大学生活に慣れてくると、自分ができる部分はサポートを受けず、難しい部分はサポートを要望する等、本人からの明確な要望が見られるようになった。
支援内容
支援学生による授業中のノートテイク(謝金あり)、学外実習での移動介助、担当教員による授業資料や試験問題の拡大コピーの配付、試験時間延長等
学内協議参加部署・機関
委員会、支援担当部署、所属学部・教員、学務課職員
学生の反応、感想等
教員免許を取得して卒業し、現在は大学院に在籍している。
【事例No.19】 視覚障害・弱視
場面
- 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学 学校規模〔5,000人から5,999人〕
障害学生数〔1人〕 対応する委員会〔学務委員会〕 支援担当部署・機関〔保健管理センター、学生支援課〕
◆視覚障害学生への支援◆
平成26年度調査では、視覚障害学生の在籍なし
支援の申し出
申し出者=本人 教育学
入学試験出願前に、本人から入試課へ受験事前相談申請があった。
申し出を受けた部署
受験事前相談申請書をもって入試課へ申請があった。
対応の手順
申請に基づき、受験上の特別措置について当該学部に照会し、対応を検討した。また、入学後の修学上の特別措置については、当該学部及び教育支援センターへ出身学校等で受けていた特別措置等について情報提供し、対応について照会した。
学生との話し合い
入学しなかったため、記入なし。
支援内容
受験上の特別措置は次のとおり。
- 1.拡大鏡の持参使用
- 2.拡大文字問題の作成(問題冊子:B5をB4にする。解答用紙:B4をA3にする)
- 3.明るい試験室の明るいところで受験
- 4.別室受験
- 5.下書き用紙を用意
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員、保健管理センター等、教育支援センター
ニーズへの対応
できなかった内容=可能であれば試験時間の延長
できなかった理由=大学入試センター受験上の配慮事項を参考にした。(※)
- ※ 大学入試センター受験上の配慮事項
視覚障害に関する配慮事項のうち試験時間延長に係る内容(平成26年度)
1.5倍に延長:
- 点字による教育を受けている者
1.3倍に延長:
- 1.良い方の眼の矯正視力が0.15以下の者
- 2.両眼による視野について視能率による損失率が90%以上の者
【事例No.20】 視覚障害・弱視
場面
- 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔5,000人から5,999人〕
障害学生数〔6人から10人〕 対応する委員会〔教務学生部委員会、学生支援委員会〕 支援担当部署・機関〔学事課・学生支援課(学生支援担当)〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔教材の拡大、解答方法配慮、教室内座席配慮〕
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外 語学(英語) 2年次(女)
入学試験の問題用紙及び解答用紙の文字サイズを拡大してほしいとの要望があった。
また、入学後は
1.座席を前方にしてほしい 2.プリント類は拡大してほしい 3.板書の文字は太めに書いてほしい
4.マークシート形式を記述形式にしてほしい 5.電子拡大鏡使用時は充電させてほしい
との要望があった。
申し出を受けた部署
入学前:オープンキャンパスの入試相談コーナーで、入学試験の特別措置について相談があった。また、入学後の対応について志願学科の教員と相談を行なった。
入学後:学事課(教務担当)及び学生支援課(学生支援担当)で相談を受けた。
対応の手順
入学前:志願者(本人)が在籍する学校長から本学学長宛てに入学試験時の特別措置申請書を提出してもらい、申請書の内容に基づき担任教諭に学校での状況等を確認した。その後、本学において本人、母親、志願学科教員及び入試課職員で、入学試験における具体的要望の確認、入学後の支援内容の説明等を行なった。
入学後:学事課(教務担当)内調整後、支援内容について各教員へ通知した。
学生との話し合い
入学前:当時在籍していた弱視の学生への支援内容を説明し、同様の対応で問題ない旨学生及び本学側双方で確認した。
入学後:必要な支援は簡潔明瞭であり、円滑に進んだ。
支援内容
入学試験:小論文の解答及び英語短文朗読において、志願者が持参するルーペ及び携帯型拡大読書器の使用を認める。
小論文試験問題及び英語短文については、文字の大きさを22ポイントにして出題する。
小論文の解答については、1マス15ミリ×15ミリの解答用紙を用意する。
小論文の解答は別室で行ない、解答時間を45分から60分に延長する。
英語短文朗読において、最大で2分間の延長を認める。
入学後:教室前方の席を優先的に確保し、板書は大きくはっきりした文字とし、授業初回に本人に見えるかどうか確認している。さらに、配付資料及び試験問題は拡大コピーしたものを用意し、解答形式はマークシート形式ではなく記述形式にしている。電子拡大鏡については必要に応じて使用を認めている。
掲示物は本人の申し出により拡大コピーしたものを窓口で閲覧できるようにしている。
学外連携
大学最寄駅から大学までの横断歩道信号機が音響信号機でないため、本人及び大学から警察署及び視聴覚障害者福祉協会へ音響信号機設置の申請を行なった。
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員、アドミッションセンター委員会、企画広報課(入試事務室)、学事課(教務担当)、学生支援課(学生支援担当)
【事例No.21】 視覚障害・弱視
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔5,000人から9,999人〕
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔教材のテキストデータ化、教材の拡大、リーディングサービス、試験時間延長・別室受験、解答方法配慮、パソコンの持込使用許可、注意事項等文書伝達、教室内座席配慮、読み上げソフト使用、講義内容録音許可、学習指導(履修方法、学習方法等)、社会的スキル指導(対人関係、自己管理等)、代筆、トーカー利用のためのテキストデータ化〕
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外 人間科学 2年次(女)
当該学生本人と出身高校(特別支援学校)教員から、強度の弱視のため授業や試験時の配慮について申し出があった。
また、授業や自習に利用する点字携帯情報端末を大学で購入してほしいと申し出があった。
申し出を受けた部署
教育・資格支援部署、学生支援部署、障害学生支援室、所属学部教員で相談を受けた。
対応の手順
入学前に当該学生、保護者、学生の在学していた高校(特別支援学校)教員に関係部署教職員が希望を聞き、支援概要、履修等について説明を行なった。
障害学生支援委員会及び障害学生支援室を設置し、職員を配置した。入学後は障害学生支援室の職員が学生の対応を行なっている。
学生との話し合い
学生の要望を聞き、可能な支援内容について障害学生支援委員会で検討した。学生に支援内容を提案したところ、学生は納得した。また、点字携帯情報端末は本人が購入することで納得した。
支援内容
障害学生支援室職員が、入学直後に行われたガイダンスや講義室・食堂等への付き添いを行なった。
授業担当者へ授業に関する協力依頼を文書(以下のような内容)で配付した。
(障害学生支援室のPCとスキャナーで教科書等をテキストファイルに変換。レジメやパワーポイントなどは、データを授業1週間前を目安に本人に送付。可能な限り板書内容を読み上げ漢字やスペリングを説明。授業中の提出物は他の受講生に代筆してもらうか、授業後にメールで提出。学期末試験は試験時間延長や別室受験を実施)
その他
学生がボランティアに英文の翻訳を依頼している。
学内協議参加部署・機関
委員会、支援担当部署、所属学部・教員
学生の反応、感想等
授業以外でも障害学生支援室を利用し、支援室職員と昼食を共にしたり、近況報告をしているので信頼関係が築けている。
【事例No.22】 視覚障害・弱視
場面
- 進級、卒業、就職、学外実習等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔ない〕 支援担当部署・機関〔学部学生:学生支援課、大学院生:研究支援課〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔教材のテキストデータ化、教材の拡大、ガイドヘルプ、リーディングサービス、チューター又はティーチング・アシスタントの活用、パソコンの持込使用許可、使用教室配慮、教室内座席配慮、専用机・イス・スペース確保、講義内容録音許可〕
支援の申し出
申し出者=本人 文学 4年次(女)
視野が極端に狭いため授業時に「拡大読書機の配置」や「資料の拡大コピー」などの支援を利用している学生から、授業とは別に論文作成のための文献調査や文献提供の支援をしてほしいとの申し出があった。
申し出を受けた部署
支援担当コーディネーター(学生支援課)
対応の手順
個別面談後、コーディネーターを中心に支援要請に応えることが学生支援課長の了解を得て決まり、その後図書館司書に文献調査支援に関して協力を要請した。文献のテキスト化は複数の人員を配置して対応した。
学生との話し合い
はじめに当該学生の支援要望を聞き、Web検索及び読み上げソフトを利用した精読は可能だが、図書館利用、特に書庫内移動や文献選定等には困難があることを確認。話し合いの中でコーディネーターから支援内容を提案し、その後はメールのやりとりで支援内容の微調整を行なった。
支援内容
図書館書庫への付き添い、司書による情報収集支援及び文献調査支援、ピックアップした多数の文献の目次データ作成(目次データによりその文献を精読対象とするかどうかを当該学生が判断するため)、精読対象文献のPDF化とテキストデータ化(メール添付でデータを提供)、論文の体裁点検・修正。
学内協議参加部署・機関
支援担当部署
学生の反応、感想等
適切な支援が得られて納得のいく論文執筆が行なえたとのこと。
【事例No.23】 視覚障害・弱視
場面
- 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学外生活(通学・入寮等)
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔教育支援センター〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔教材のテキストデータ化、教材の拡大、ノートテイク、試験時間延長・別室受験、注意事項等文書伝達、講義内容録音許可、学習指導(履修方法、学習方法等)、進路・就職指導、社会的スキル指導(対人関係、自己管理等)、特別支援学校との連携、出身校との連携、保護者との連携〕
支援の申し出
申し出者=本人・本人以外 臨床心理学 1年次(男)
オープンキャンパス時に高校教員・当該学生・保護者から、入試配慮の申し出があり、入試課・教務課・学生課・障害学生支援室にて対応。時間延長、拡大問題、解答用紙準備。
同時に入学後の情報保障の実態を報告し、受験形態について協議。また、合格後、下宿をする希望であったので、大学周辺の土地勘、生活のリズム等、支援室で指導。
申し出を受けた部署
受験方法については出身学校の進路指導担当・担任・コーディネーターで協議していただき、具体的に入学試験制度の中で本人の実力が発揮できる手段を決定。入試配慮対応については、事前相談会を通して従来踏襲してきた方法を示し、その他留意すべき点を確認した。
対応の手順
入学手続き完了後(出身校の卒業式後)に、把握していた情報に基づいて、当該学生と保護者、出身高校教員、大学の教職員(教務課・障害学生支援室)が会し、年度当初の全体ガイダンスを行ない、障害学生支援概要の説明や履修の説明、入学式における支援の説明を行なった。入学後は障害学生支援室が窓口となり、履修登録完了を受けて教務課が担当教員に支援依頼文書を配付したり、連絡を密に取り支援を行なった。
学生との話し合い
学生のニーズを聞いた後、可能な支援内容について障害学生支援室員が支援内容を提案し、当該学生は納得した。
支援内容
学生のニーズを聞いた後、可能な支援内容について障害学生支援室員が支援内容を提案し、当該学生は納得した。
支援内容
講義中の要約筆記、講義での配付資料のテキストデータ化、学内のイントラネット情報(Web SNS)の確認は学生支援室で行なう、講義内容の理解の個別確認等。
学外連携
視覚障害者総合福祉施設 (PC読み上げソフト等ソフト面でのサポートおよび視覚障害学生のネットワーク構築)
当該施設には、視覚障害学生のOBが多数勤務しており、視覚障害学生にとって有用な情報を得ることができるようなシステムになっている。
その他
宿舎生活から下宿生活への移行に伴うサポート
学内協議参加部署・機関
支援担当部署
学生の反応、感想等
時間割の空き時間には、障害学生支援室に顔を出してくれている。学内での状況(困り事)は、直ちに報告してもらい、その都度対処している。
【事例No.24】 視覚障害・弱視
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 進級、卒業、就職、学外実習等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔6人から10人〕 対応する委員会〔ない〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔点訳・墨訳、教材のテキストデータ化、教材の拡大、ガイドヘルプ、チューター又はティーチング・アシスタントの活用、試験時間延長・別室受験、解答方法配慮、パソコンの持込使用許可、実技・実習配慮、教室内座席配慮、専用机・イス・スペース確保、読み上げソフト使用、学習指導(履修方法、学習方法等)、社会的スキル指導(対人関係、自己管理等)、専門家によるカウンセリング、留学する際の支援〕
支援の申し出
申し出者=本人 教養学 1年次(男)
入試時に特別措置の申し出があり、事前面談を当該学生、高校の担当教員、アドミッションズ・オフィス、障害学生支援室で実施。入学が確定した時点で障害学生支援室で学生のニーズを確認し、その後担当部署を集めて必要な支援についての確認を行なった。科目担当教員には個別面談を行ない、資料の受け渡し方法等確認する。
申し出を受けた部署
アドミッションズ・オフィスが入試における特別配慮を担当し、入学確定後は障害学生支援室が担当。
対応の手順
入学前に当該学生と保護者、関係部署、科目担当教員が事前面談を行ない、当該学生に必要な支援の確認をする。また、個別相談を通して、具体的な履修の相談や支援内容とニーズの確認等を行なった。その後は障害学生支援室が窓口となり、全教員に配慮依頼文書を配付したり、関係教員と連絡を密に取り支援を行なった。
学生との話し合い
学生のニーズ、障害の程度を聞いた後、支援内容の確認を行なう。
支援内容
授業、試験の配慮(資料のデータ化、試験時間の延長、別室受験等)、授業の配慮依頼、当該部署と連携した学生生活の支援、その他留学の支援。
学外連携
短期留学先の語学学校に支援内容の確認を行なう。
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、所属学部・教員、保健管理センター等
【事例No.25】 視覚障害・弱視
場面
- 入学者選抜等(受験上の配慮を含む)
- 授業、試験、移動、施設改修等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
国立大学 学校規模〔2,000人から4,999人〕
障害学生数〔1人〕 対応する委員会〔学生支援委員会〕 支援担当部署・機関〔学生支援課〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔教材の拡大、試験時間延長・別室受験、使用教室配慮〕
支援の申し出
申し出者=本人 (専攻、年次等は非公開)
- 入学試験前の事前相談の時期に、試験の受け方について要望があった。
- 合格後、入学してからの授業の履修、試験の受け方について相談があった。
申し出を受けた部署
入学試験の特別措置については、事前相談を通じて入試課に申込みがあった。入学後の対応については事務室教務係で要望を受けた。
対応の手順
入学前、当該学生と保護者、事務室教務係と今後の支援体制について相談を行なった。また、授業担当教員等と学修支援について個別に打合せを行なった。
学生との話し合い
学生から相談がある度に、可能な限り希望に応じられるように、教務係を始め、教員、保健管理センター等が連携をしてサポートを行なっている。
支援内容
講義・試験時における拡大読書器の貸出し。プロジェクターを使う授業では、レジュメを当該学生に渡している。ホワイトボードで見づらい教室を黒板教室に変更。タブレットの使用を希望したので、無線LANを設定。試験時間を通常の1.5倍で実施。
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員、保健管理センター等
【事例No.26】 視覚障害・弱視
場面
- 授業、試験、移動、施設改修等
- 学生相談、カウンセリング等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔1,000人から1,999人〕
障害学生数〔21人以上〕 対応する委員会〔専門委員会〕 支援担当部署・機関〔専門部署・機関〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔教材の拡大、解答方法配慮、注意事項等文書伝達、使用教室配慮、実技・実習配慮、講義内容録音許可、レポート等提出期限延長、学習指導(履修方法、学習方法等)、特別支援学校との連携、保護者との連携〕
支援の申し出
申し出者=本人以外 臨床心理学 4年次(男)
入学式後、5月の後援会総会及び修学面談で保護者と面談を行った際、障害者手帳を持っていることが判明した。
その後、修学アドバイザーが本人と面談をし、授業等における修学上の配慮事項の確認を行なった。
申し出を受けた部署
学務課
対応の手順
修学アドバイザー(学生支援センター)と当該学生で個別面談を行ない、状況確認後支援内容が決定した。支援内容の文書は、学生支援センター長の決裁後、担当教科教員に配付された。また、教授会で「見守り学生一覧」を配付し、情報共有をした。
学生との話し合い
当該学生から現状と修学上の困りごとの確認を行ない、支援内容を決定した。
支援内容
修学上の配慮を授業担当教員に依頼した(講義中の配付資料の文字を拡大するよう依頼。ホワイトボードは文字が反射して見えないため移動黒板を搬入。ボイスレコーダー使用の許可を依頼。筆記に時間を要するため事前に課題を与えるか期限延長を依頼)。
その他
筆記が困難な科目について、他の受講生から写しをもらった。
学内協議参加部署・機関
支援担当部署、保健管理センター等
学生の反応、感想等
身体的障害の場合、心身ともに困りごとを抱えている場合も多く、可能な限り大学生活が円滑にいくよう修学アドバイザーやカウンセラー等に繋ぎサポートを行なっている。
【事例No.27】 視覚障害・弱視
場面
- 進級、卒業、就職、学外実習等
学校基本情報
(平成26年度(2014年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査より)
私立大学 学校規模〔1人から499人〕
障害学生数〔1人〕 対応する委員会〔ない〕 支援担当部署・機関〔ない〕
◆視覚障害学生への支援◆
〔実技・実習配慮〕
支援の申し出
申し出者=本人 看護学 2年次(男)
受験時に当該学生より、入学試験受験、国家試験受験について相談があった。当該学生の視覚障害が入試、国家試験の受験を妨げるものではないと回答した。
申し出を受けた部署
事務局
対応の手順
授業担当教員内で情報共有し配慮することとなった。
学生との話し合い
本人から学業や日常生活に特段の配慮はいらないという申し出があった。
支援内容
上記の通り申し出があったが、教育者としては演習、実習における片目失明による影響の有無を観察している。
学内協議参加部署・機関
所属学部・教員
学生の反応、感想等
本人には片目失明による障害の自覚がないが、看護の演習や実習の中で観察能力の不足や観察能力不足を補うための不自然な姿勢が見受けられている。
片目失明が看護業務や看護行為に支障がないかどうか、支障のある場合にはどのように克服すべきか本人との詳細な話し合いをしながら学修をすすめることについて本人との合意ができている。