02_より具体的なニーズ把握の必要性について

事例に学ぶ 紛争の防止・解決等につながる対応や取組

事例No.446(視覚障害・弱視)

申し出内容

配慮内容

解説

試験時の対応例です。事例No.456も同じ学校からの提供事例ですが、いずれも申し出内容が非常に詳細で具体的であるところが特徴的です。学生からの申し出が常にこのように具体的であれば良いのですが、特に入学者選抜等では、そこまで自らのニーズを把握している学生ばかりではありません。おそらく、このケースでは、受入側の大学がニーズの聞き取りに関してノウハウを持っていて、丁寧な聞き取りを行なっているため、このように具体的なニーズが明らかになっているのではないかと想像されます。障害の様態ごとに、どのような配慮が必要となるか、予め具体的内容をリストアップしておく等、ニーズ聞き取りのためのノウハウを基礎的な支援体制の中に組み込んで、丁寧な聞き取りが行なえれば、学生との話し合いをスムーズに進めることができるだけでなく、提供した配慮と、学生が提供してもらえると思っていたものとがすれ違うといったトラブルを防ぐことにも繋がります。なお、この事例における試験時の対応例は、過重な負担、本来業務付随性、同等の機会、本質変更不可、意向の尊重などの合理的配慮の要素を満たしています。大学が学生と建設的対話をする際には、これらの要素をお互いの共通了解事項として常に念頭に置くことが大切です。

【参照】