事例に学ぶ 紛争の防止・解決等につながる対応や取組
事例No.490(発達障害・ASD)
申し出内容
- 1. 聴覚過敏症のため一人で静かに過ごす場所がほしい。
- 2. 板書を書き写しながら授業を受けることができない(複数のことを同時に行なうことが難しい)。
- 3. 急激な予定変更やルール変更、曖昧な指示があると不安定になるので、できるだけ事前に具体的に伝えて欲しい。
- 4. 聴覚過敏症のため特定の授業のピンマイクの雑音が辛く授業に集中できないので何とかならないか。
配慮内容
- 1. 休憩用個室の提供。
- 2. 担当教員の許可を得てデジカメでの撮影を行なう(必要であればノートテイクも検討する)。
- 3. 申し出通りの配慮を提供した。
- 4. 講義の雑音を軽減するため講師にピンマイクをスタンドマイクに変更することを依頼。
解説
発達障害(ASD)の特性があり、そのなかでも聴覚過敏が課題になっている事例です。このような特性に対する配慮として、休憩用の個室を確保しています。各大学で取り組むためには物理的な課題も少なくないと思われますが、積極的に配慮を実施している様子がうかがえます。ただし、同様のニーズが増加したときにどのように対応するかなどは課題が残る部分になると思われます。感覚過敏の感じ方は個別的であり、その対応方法も様々なアプローチが考えられますが、重要な支援の一つです。また、同時並行での作業に困難さがあることに対する配慮として、板書をデジタルカメラで撮影することを許可しています。さらに、ピンマイクの雑音が気になることに対して、使用するマイクを変更するという配慮を行なっています。もちろん、このような方法もありますが、場合によっては、音声聴取を補う補聴機材を使用したり、ノイズキャンセリングヘッドホンなどを使用するなどの方法も考えられるでしょう。
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